2003年・日
監督/本広 克行
出演/織田 裕二

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いまや観光名所となったお台場。
湾岸署の刑事達もなにかと大忙し。
そんな中、縄で縛られた死体が発見される。
湾岸署に捜査本部が設置され、
本庁から女性管理官・沖田がやってくる・・・
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2003年の興行収益?1大ヒット作。
それほど大勢の人が観た作品ならば
レンタル開始直後は、そんなには回転しないとタカをくくっていたが
いやはや、スゴイ人気ぶりで高回転。
「赤」の劇場公開版と「白」のインターナショナル版の2つがあるが
断然「赤」のほうが人気。
「白」をレンタルされる方は、
「赤」がないので・・という理由がほとんどだ。
それでも「赤」「白」ともにフルレンタル状態が続いているのは
ありがたい作品である。
中には「赤」「白」2つ同時にレンタルされるツワモノもいる。
新作値段にも関わらず両方を見比べるってことね。
そんなに違いがあるのかしらん・・・?

劇中にも語られているが、お台場はここ数年で大きく変貌した。
昔は、な〜んにもなくて夜、車で走ると
ホントに東京か?!って感じだったのに。
そんな増殖し続けるお台場を上手く使っている作品である。

キャストは皆、活き活きとして躍動感があり、自然体の演技。
特にいかりや長介氏は、他界されたのが信じられない・・・。
画面の中ではあんなにいぶし銀の存在感を発揮しているのに・・・。

もともとTVシリーズも面白かったし、劇場大ヒットの作品だから
ある程度は面白いのが当たり前だろうと
評価のハードルは高めに設定して観たのだが、
予想以上の面白さだった。

笑うところは笑い、シメるところはシメるストーリーで
2時間以上ある作品なのに、ちっとも飽きることなく観られた。
これなら大ヒットしたのも納得の作品。
2002年・米
監督/ジョナサン・リーベスマン
出演/チェイニー・クレイ
   エマ・コールフィールド

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150年前、ダークネスフォールズという町には
老女マチルダが最後に抜けた乳歯と金貨を交換し
子供達から「歯の妖精」と呼ばれていた。
しかし、ある日、マチルダは無実の罪で住人達に虐殺された。
それからというものダークネスフォールズでは
暗闇で彼女の顔を見たものは殺されるという伝説が・・・
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子供の頃、最後の乳歯が抜けた夜
「歯の妖精」の顔を見てしまったカイル。
彼の代わりに母親が殺され、
カイル自身も母親殺しの罪をきせられる。

成長し、今はカジノで働いているカイルのもとに
幼馴染のケイトリンから、弟が暗闇を怖がると相談された彼は
再びダークネスフォールズの町へ舞い戻るのだった・・・。

ケイトリン役のエマ・コールフィールドは
ビバヒルでブランドンの彼女スーザン役らしいのだが
ちっとも気づかなかった・・・

「暗闇の恐怖」というありがちなテーマ。
ストーリー展開も新鮮味が感じられず。
150年も前から子供がらみの
事件・事故が多発しているにも関わらず
「歯の妖精」の伝説を信じようとしない大人達。

なんか、結構ツッコミいれられる作品なのだが、
あまりにも分かりやすい展開のため、
どうもツッコミいれて笑う気にもならない。
それでも音楽は良かったと思うし、ジャケットも良かった。
適度な緊張感もある。

もっとヒネリが欲しかったor82分で良かった〜と思った作品。
1984年・米
監督/ジョン・G・アヴィルドセン
出演/ラルフ・マッチオ
   ノリユキ・パット・モリタ

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母の仕事の都合でひっこしてきたダニエル。
同じ学校に通うアリに惹かれるが、
そのこともあってアリの元彼のジョニー達から
イジメられるようになる。
そこにアパートの管理人ミヤギが助けに入り、
ダニエルはミヤギに空手を教えてくれと頼み込む・・・
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アリの前では調子のいい事を言うが、イジメられっこのダニエルさん。
ダニエルさん役はラルフ・マッチオ。
これがもう、ヒョロヒョロ〜としてて、
見るからにイジメられっこルックス。

そんなダニエルさんに空手を教える日系人ミヤギ。

日本人から見て、ミヤギはどうもアヤシイキャラだが
作品の中でミヤギは
アヤシイというより神秘的に良いように解釈してくれている(笑)

空手を教えてくれというダニエルさんにミヤギは
車にワックスをかけろ、塀にペンキを塗れ、床にやすりをかけろ

これが有名なダミ声ミヤギの
ワックスオ〜ン、ワックスオ〜フのシーン。
いや〜、懐かしい!!!

空手を教えてもらうためにシブシブ言う事を聞くダニエルさん。

素直なダニエルさんも、いい加減空手を教えてくれよ〜と言った時
ミヤギは、ワックスをかけるのもペンキを塗るのも
すべては空手の練習だったと告げる。

そして組み手をしながら
ワックスオ〜ン、ワックスオ〜フと掛け声をかけ、
その動作をするダニエルさん。
するとあら不思議、見事攻撃をかわすダニエルさんであった。

家の手伝いをすれば簡単に空手が強くなれそうで
当時アメリカならず日本全国のダニエルさんは
夢中になったもんです。
そんなんで急に強くなれれば、世話ないっちゅうに(笑)

当時は何とも思わなかったけど、今回見直してアレレと思ったのが
ダンスパーティーでのダニエルさんの仮装!(笑)

行きたくない、透明人間になれれば別だけどというダニエルさんに
ミヤギはシャワーカーテンで体をすっぽりと隠す提案をする。
しかも赤の水玉模様!(笑)
これなら平気さと会場へ行ったダニエルさん。
会場では皆あれは誰かしら?と思うのだが
アリだけがすぐにダニエルさんだと分かり、「素敵だわ」と。

ええーっ!シャワーカーテン男のどこが素敵なんだ?

ミヤギ、ダニエルさん、アリの3人は
同じ感性を持っているということか?(笑)

お金持ちで空手が強くて
親同士が公認のブロンドジョニーのほうが絶対良いと思うのだが
アリはヒョロヒョロダニエルさんに好意を持つし・・・
変った3人組みなんだな・・・(笑)

アリ役のエリザベス・シューはかわいいのだが
ヒョロヒョロ〜としたラルフ・マッチオと並ぶと
恰幅がよくみえて、ラブシーンというより
母親が子供を抱きかかえているように見えた。
罪なヒトね、マッチオさん。

イジメられっこの痛快スポコンサクセスムービーであり
ダニエルさんとミヤギの父と息子のような絆に心温まる部分もあり
ツッコミいれて楽しめる愉快な作品でもある。

いや〜、懐かしかったし、今見ても面白かったデス。
2003年・米
監督/レン・ワイズマン
出演/ケイト・ベッキンセイル

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数百年に渡り争いを続けている
吸血鬼族と狼男(ライカン)族。
吸血族のセリーンは、ライカンが1人の男を追っているのに気づく。
彼は人間の医師マイケル。
ライカンは何故マイケルを捕らえようとしているのか・・・?
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うむ〜・・・・・
これは・・想像していたのとはちょっと違う・・・。

ヴァンパイア対狼男
闇にまぎれて戦い続ける2つの種族。

物憂いげな美男美女の吸血鬼が満月見て変身する狼男と
さぞ悲哀に満ちた戦いをするのかと思いきや・・・。

両方とも銃をバンバン撃ち合う戦い。
え・・そんなのアリ?

セリーン役のケイト・ベッキンセイルは確かに美しい。
冒頭、ビルからストンと飛び降りたあと歩き出す仕草がかっこいい。
立ちまわりも華麗でかっこいい。

でもその他の男のヴァンパイア達は、ガタイが良過ぎたり
いかにも悪党ヅラで色気がないのが残念。

吸血鬼といえば、
けだるい色気とどこか悲しげな美男美女じゃなくっちゃ・・・。
その点でいえば、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の
トムトムとブラピはブラボーだった。

ダークな色調の映像はGOOD。ケイトも美しい。
しかしながら、別に吸血鬼VS狼男の話でなく
どこかのギャングの縄張り争いの話でも充分だったような作品
1981年・英
監督/ヒュー・ハドソン
出演/ベン・クロス
   イアン・チャールソン

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1924年のパリ・オリンピックを目指す2人の若者
ユダヤ人のハロルドー・エーブラムスは人種偏見のため
聖職者のエリック・リデルは神のために走るのだった・・・
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実話をベースに作られた作品。

ケンブリッジの入学したハロルド。
ユダヤ人であることに偏見と差別を感じていた彼は
誰よりも早く走ることで、
自らのアイデンティティを確立しようとしていた。

厳格なキリスト教徒エリック・リデルは走ることで、
神から与えられた才能を活かすことに喜びを感じていた。

リデルやその他の選手の誰よりも早く走りたいと願うハロルドは
プロのコーチを雇う。
コーチのサム・マサビーニはイタリア人とアラブ人のハーフ。

アマチュア精神を掲げる大学側は、財力でプロのコーチを雇い、
しかもそのコーチはイタリア人とアラブ人のハーフと知って、
眉をひそめる。

ハロルド同様にマサビーニもまた偏見と差別にさらされていた。

「走る」という単純なことの裏に、
ハロルドは周囲への抵抗を、マサビーニは夢を
リデルは神への賛美をそれぞれ胸に秘めている。

音楽が素晴らしい。
英国の大学生活&上流でお上品な世界も描かれていて素敵。

個人的には貴族の称号を持つハロルドの学友リンゼイの
それはそれは大きなお屋敷での練習風景が好きだ。

お貴族さまらしく、広大な庭にハードルを並べ
召使にハードルの上にシャンパンを並べさせての練習!
ブロンドのまさにお上品なルックスの
ナイジェル・ヘイヴァースの美しさときたら・・・
うわぁぁ〜耽美だわ!(笑)

余談だがオリンピックの他国の選手役で
デニス・クリストファーらしき顔を見かけたが
『ヤング・ゼネレーション』の彼かしらん?
子供の頃TVで『ヤング・・』を見て、
あらステキ♪と思った思い出が・・・(笑)

名作と呼ばれるだけあって、
人種問題、宗教、社会情勢、学園生活、情熱、友情を
オリンピック陸上競技を使って美しくドラマチックに描いた作品。
2003年・米
監督/ショーン・レヴィ
出演/アシュトン・カッチャー
   ブリタニー・マーフィ

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ラジオの交通情報DJのトムは
お金持ちのお嬢様サラと恋に落ちる。
周囲の心配をよそに2人の気持ちはヒートアップ。
そしてついにゴールイン!
しかしハネムーン先のヨーロッパで次々とトラブル発生。
そして2人の関係も険悪になり・・
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若さと情熱と勢いで結婚したトムとサラ。
ヨーロッパ美術史に興味を持つ超お金持ちお嬢様サラ。
スポーツ、特に野球が好きな庶民トム。
周囲の心配と反対をよそに結婚した2人の
ハネムーン先はヨーロッパ。

ウキウキラブラブ気分の2人は
飛行機に乗っている時からすでにガマンできない(笑)。
ところが・・・

以前ヨーロッパを訪れているお嬢様サラと違い
トムはアメリカ規格の電化製品(笑)を
無理やりコンセントに差し込んでボヤさわぎを起こしてしまう。
若さというか無謀というかアメリカ至上主義というか
トムのキャラが伺われるシーンである。

これがハネムーンのミソのつきはじめとなり、
ラブラブだった2人が険悪になっていくのだった・・・。

何かで、
アメリカ人はフランスの上流社会に憧れを持ち唯一頭があがらず、
フランス人もまた、アメリカ人を下に見る傾向があると
読んだことがある。

それを踏まえて見ると、なかなか興味深く笑えるシーンがある。

ところでアシュトン・カッチャーさん。
ポスト・ブラピの呼び声が高く、デミ・ムーアの恋人らしいが
彼の作品は『ゾルタン★星人』と本作品しか観たことがないので
ポスト・ブラピというよりは、
バカチン系の有望なる俳優かと思ってしまう。
個人的にはもっとバカチン系に出演して欲しい。
しかもショーン・ウィリアム・スコットとコンビで(笑)

若く勢いのある恋人達のラブラブぶりとキレぶりに笑える
瑞々しいラブコメディ。
1996年・米
監督/リドリー・スコット
出演/ジェフ・ブリッジス

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航海術を実地で学ぶ海洋学校に
入学した12人の少年達。
シェルダン船長の厳しい指導に反抗的だった彼等だが
航海を重ねるうちに、次第の船長を尊敬し、
少年達もまた、それぞれが抱える悩みを克服しつつあった。
そんな時、伝説のホワイトスコールが彼等の船を襲う・・・
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1960年に実際に起きた事故をもとに製作。

船乗りを夢見て海洋学校に入学した少年達。
彼等には高所恐怖症、父親との確執、兄の自殺など
それぞれに問題を抱えていた。

そんな彼等を指導するのがシェルダン船長。
横暴とも思われる厳しい指導に、最初は反感を持つ少年達だが
航海を重ね、困難を乗り越えるうちに、
シェルダン船長の男として船乗りとしての偉大さに気づく。

そんな彼等の乗ったアルバトロス号が、
ホワイトスコールと呼ばれる巨大な嵐に遭遇する・・・。

ジェフ・ブリッジス扮するシェルダン船長にシゴかれながらも
船乗りとして重要な事を学び、友情を深めていく少年達。

実際に起きた海難事故を扱った作品として
『パーフェクト・ストーム』があるが、
2000年製作の『パーフェクト・・』に比べると
やはり嵐のシーンは物足りなさが残る。
しかし、「海の男」を描いたという点では、
本作品の方が断然上である。
シェルダン船長はじめ、少年達は
これぞ海の男だ!という心意気である。

ただ、実話ベースのせいか、
多少展開にもたつきを感じる部分があった。
少年の成長と友情か、嵐、あるいは裁判シーンのどれかを
メインにしぼって描いても良かったのでは?

どれもこれも盛り込み過ぎて、
かえってもったいない印象を受けた作品。
2003年・米
監督/マイク・フィッギス
出演/デニス・クエイド

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映像作家のクーパーは妻子とともにNYから田舎へと移り住む。
新しい家は銀行の抵当流れ物件で、
中の荷物も含め丸ごと買い取った。
歴史ある古い邸宅に触発されたクーパーは
前の住人が残した写真やフィルムを使い、
この屋敷の映画を作ろうとする。
そんな時、突然前の住人だったデイルが現われて・・・
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都会のNYより自然あふれる田舎で子供達を育てたい。
そんなワケで抵当流れのコールド・クリーク邸を買い取ったクーパー。
中の家財を含め丸ごと買い取る。
映像作家のクーパーは、
屋敷で映された膨大な写真とフィルムに触発され、
屋敷の歴史を映画にしようと考える。

この時点ではクーパー達にとって前の住人は存在感のない
歴史の一部に過ぎない。
だから、「丸ごと買い取った」家のあったものは
オレのもんだろという意識で
勝手に前の家財を売り払い、
写真やフィルムを使って「お仕事」しようとする。

この辺の感覚に蛍風ちょっとビックリ。
「権利」を主張するお国柄なのかしらん。

そして突然、前の住人デイルが屋敷に現われる。
刑務所がえりのデイルはこの屋敷で働かせてくれと言う。
そして・・・

予想通りの展開を見せるストーリー。
この屋敷には・・・デイルは・・・
始めの10分みて、展開が読めるほどの素直さ。
衝撃の・・とか驚きの・・などはまったくなし。

ほほぉ〜と思ったシーンは、
田舎に来てもケータイを離そうとしない娘。
親に反抗する気持ちがよく表れていた。

蛇を見つけて大パニックを起こすクーパー一家。
一家そろってものスゴイパニックぶり。
そこへデイルが簡単に捕まえ、
田舎じゃ蛇は珍しくないとサラリと言う。

先祖代々コールド・クリーク邸に暮してきたデイルが
「俺の家から出てけ!」
「お前こそ俺の家から出てけ!」とクーパー。

これらのシーンは良かった。でもそれだけ。

クーパー役デニス・クエイド
その妻リーア役シャロン・ストーン
デイル役スティーヴン・ドーフ
彼に思いを寄せるルビー役ジュリエット・ルイス
監督が『リービング・ラスベガス』のマイク・フィッギス

豪華な人材集めて、これだけの作品?
もっとなんとかならなかったのか?

物足りなさを感じた作品。
2003年・米
監督/エドワード・ズウィック
出演/トム・クルーズ

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南北戦争の英雄オールグレンは、酒に溺れる日々を送っていた。
そんな彼が近代化を進める日本の軍隊の教官として雇われる。
オールグレンは新政府に対立する勝元軍と戦い
捕虜になってしまう。
そこで彼が目にしたのは、「サムライ」の心だった・・・
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勝元役の渡辺謙がアカデミー賞にノミネートされたことでも
注目された作品。

確かに謙さん、上手い。さすがだ。
トムトムより目立つという意見に納得。

しかしこれはトムトム演じるオールグレンの目を通して
「サムライ」を描いたストーリーなワケで、
語り部たるトムトムよりも謙さんが目立つのは当然のこと。
大柄な謙さんを前面に出して、
自分は語り部として、そしてまたプロデューサーとして
役目をまっとうしたトムトムに拍手したい。

同様にデューク真田こと真田広之もGOOD。
その昔、アクションアイドルスターで真ん中でピカピカ光ってた彼。
最近は『陰陽師』のような迫力ある悪役でいくのかと思いきや、
本作品の彼は、気骨あふれる良き家臣ぶりはお見事。
脇で堅実に支えている。

トムトムといい真田広之といい、
昔アイドルスターだった彼等の素晴らしき成長ぶりに
感慨深いものがある。

それにしてもトムトムはこの作品にピッタリ。
トムトムは日本サイズである

真田広之<トムトム<渡辺謙

体格的にも役柄的にもピッタリの見事なキャスティング。
ムキムキにした二の腕を露わにし、ハデなアクションしなくても
ゴツイ体のガイジンさんではない小柄な日本人の中では
トムトムは充分目立つ。
崖にぶら下がって力技見せなくても、
鎧着て刀振り回してるだけでカッコイイ。
筋肉をみせない分だけ逆に強さが感じられる。

これを機に日本を扱った作品にドンドン出て欲しいトムトムである。

殺陣、合戦シーン迫力あり。
渡辺謙さんの演技が素晴らしい。
しかし蛍風個人的には、
トムトムの功績と真田広之の演技に拍手した作品。
見応えがあって面白かったデス。
2000年・米
監督/エド・ハリス
出演/エド・ハリス
   マーシャ・ゲイ・ハーデン

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アメリカ美術史に大きな足跡をのこした
ジャクソン・ポロック。
彼が世に認められる頃から死期までを描く・・・
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ポロックはニューヨーク派に分類されるんですかね?
筆を従来の使い方ではなく「棒」のようにして
絵の具をキャンバスに滴りおとすドリッピングといわれる手法。
そのアクションペインティングの祖とも言われる
ジャクソン・ポロックを描いた作品。
出来あがった絵ではなく、「描く」という行為こそが表現。
彼の作品はポロックに起こった出来事の記録とも表現される。

ポロックの作品の教科書か何かで見たときは
絵の具をぶちまけただけのヘンな絵としか思わなかった。
しかし、実際に彼の作品を見たときは、
作品に吸いこまれるようなスゴイ衝撃をうけた。
作品名は、たしか「エコー」だったような気がする。
なにせ、昔の記憶なので定かではないが・・・(笑)

大きな作品の前に立ったとき、
作品にのみこまれるような感覚、
人間の心の闇がどぉーっと押し寄せてくる反面、
自分の心の中まで見透かされたような感覚に陥った。

なぜ彼の作品を見たとき、あらゆる感情が押し寄せ、
その反面自分の中のあらゆる感情が噴き出したのか?
本作品『ポロックふたりだけのアトリエ』を観て
それが少しだけ分かったような気がする。

世に認められたくて、様々のスタイルを思考錯誤するポロック。
酒に溺れ、アル中から立ち直ろうとギリギリの神経。緊張。
ポロックの描いた作品が彼に起こった出来事の記録と
表現されるならば、
あの時、私が感じた闇にのみこまれるような衝撃は納得できる。

本作品はポロックの苦悩をメインに描いているため
周囲の話があまり語られておらず、少々分かりにくい部分がある。
妻のリー・クラズナーが「画家ポロック」を支え続けながらも
愛人ルースにはしったポロック。
なぜそういうことになったのかも描いて欲しかった。

ちなみにルース役はジェニファー・コネリーが演じているのだが
彼女の体は肉感的というよりえっちな体だ。
ボウイ様と共演した『ラビリンス 魔王の迷宮』の美少女が
『ロケッティア』で久々に見たときも
「えっちに成長したなー」と思ったもんだ。
2001年製作の『ビューティフル・マインド』では
「えっち」とは感じなかったので
この1年に何かあったのだろうか?(笑)

デ・クーニング役をヴァル・キルマーが演じているというので
楽しみにしていたが、出番少なし。
エド・ハリスの奥様エイミー・マディガンも堅実な演技。

悪くはないが、もっと周囲との出来事等
細かく描いて欲しかったとも思う作品。
2003年・米
監督/アンドリュー・ヴァン・スリー
出演/クリスタ・アレン

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なかなか理想の男にめぐり合えないメグ。
壁にデートした男達の写真を貼り、
何がいけなかったコメントを書き、頭に叩き込むようにしている。
心機一転ブルネットをブロンドに染めると
次から次へとナンパされるが、理想の男どころか問題外ばかり。
そんなメグにクラブのオーナー兼歌手のヴァンが声をかけるが・・・
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サエない女の子がブロンドに染めた途端モテモテに!
・・・らしいが、はっきり言ってメグ役のクリスタ・アレンは
髪の色が何色であろうと、美人だしナイスバディである。
さすがハリウッド女優。

サエない女の子が理想の男性とめぐり合うために
悪戦苦闘する話なのに、
もともと美人でナイスバディなクリスタが
ブロンドにした途端モテモテよ〜なのは
どうも親近感がわかない・・・。
っていうか納得できないっ(笑)

美人がブロンドにしただけでモテモテなら、
一般庶民はどうしたらいいんだ?!
ウチらにも少しは残しておいてくれよぉ!(笑)

それに理想の男を追い求めるあまり、目の前の幸せを見落とす。
観客に「あ〜ん、じれったいっ」と思わせるストーリーのようだが、
「じれったい」というより、
「何やってんのよ〜」とサメた気分になり
ちっともメグを応援できない。

しかし、ところどころに現われる下ネタは、
健康的で女性にも充分受け入れられる笑い。
この点はGOODである。

ヴァン役のブーブレさんの甘い歌声も素敵です。

個人的にはメグよりも友達の方を応援したかった。
ヴァンと彼女の恋愛ストーリーのほうが良かったような・・・。

親近感が持てないし「あれ?」と思うことが多々ある作品ではあるが、
さじ加減の効いた下ネタとブーブレさんの歌声は合格点。
気軽に楽しめるごくごく軽めのラブコメ作品
2002年・米
監督/ベリー・アンデリン・ブレイク
出演/ダナ・カーヴィ

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ある日突然、父親が何者かに誘拐されたピスタチオ。
彼は祖父の指導のもと、代々一族に伝わる「変装」で
誘拐犯を突き止める・・・
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ダナ・カーヴィ。
『ウェインズ・ワールド』の片割れですな。

そのダナ・カーヴィが
得意のものまねを披露するためだけの作品


ブッシュ大統領や『ジョーズ』のロバート・ショウ
『グラディエーター』のラッセル・クロウに
『フォレスト・ガンプ』のトム・ハンクス
シブイところでは「ボブの絵画教室」の
アフロがトレードマークのボブ・ロス

ボブはネタになるほど、人気があったんだ〜・・・。

2002年製作の作品だがネタが新しいんだか古いんだかビミョー。
映画のパロもあるのだが、「え?それで終わり?」という感じで
パロなんだかどうだか分からない部分もある。
イギリス人やドイツ人のものマネもあるのだが、
日本人の蛍風には分からない笑いも多い。

そんな中で「カメ男」は笑えた。
カメ男は衣装もメイクも動きも分かりやすくて
安心して笑える。

製作総指揮がアダム・サンドラー。
アダムも出ているかも・・と期待したが発見できず。

大抵の場合、日本語吹き替えが好きな蛍風だが、
本作品は、オリジナル音声で観たほうがいい。
決して日本の声優が悪いわけではない。
内海さんだったかな?一流の声優がアテているのだが、
ダナ・カーヴィのものまね作品である以上、
オリジナル音声で観たほうがいい。
何のものまねか分からなくても、ダナの7色の声に感心する。

ジャケットを観て感じた印象が、そのまま作品の印象になるタイプ。
ジャケットを観て「くだらなさそう〜」と思えば、
本編を観ても「ああ、やっぱりくだらない」と思うだろうし、
「バカバカしくて面白そう」と思えば、
本編を観ても「あ〜予想通りの作品だった〜♪」と感じるだろう。

個人的には、すごく面白いわけではないがそんなにヒドクもない
まぁそこそこに楽しめた作品。
ヨン様が「危険な関係」の『スキャンダル』に出演・・・。

ラクロの「危険な関係」は何度か映画化されてる。
『危険な関係』『華麗な関係』『恋の掟』
『クルーエル・インテンションズ』もそうかな?

この中では『危険な関係』と『恋の掟』を観ているが、
まっさきに思い出すことは『危険な関係』の公開時のTVCM。

グレン・クローズが低い声で「うぉーっ(WAR)」

もともと怖い印象のあったグレン・クローズだけに
当時まだ乙女だった蛍風は、心底恐怖を感じたもんです(笑)
恋のかけひきや女の情念・執念など理解できず
ただただグレン・クローズの強烈な印象だけが残った作品。
『恋の掟』は『危険な・・』でストーリーを知っていたために
ドキドキワクワクといった新鮮味がなく、
『危険な・・』よりも上品でアッパーな感じだわん・・と
思ったもんです。

三十路を過ぎた今、再び観れば、当時理解できなかった部分や
共感できる部分が発見できるかもしれませんが・・・。
しかし、気力、体力が充実している時に腹をくくって見なければ
作品に負けてしまいそうな感じがして、つい避けてしまう・・・。
う〜む・・・。

そんな作品にヨン様がね・・・。
別にヨン様、キライではない。
ソフトな感じで、昔の少女マンガにでてくるような王子様みたいで、
最近の小汚い・・いや、ラフな服装にくだけた口調の若者よりは好み。
でもね〜・・・
毎日のように何人ものオバサマが
「冬ソナの○巻ある?」「いつ来てもないじゃない!」と
口から泡を噴き出さんばかりにカウンターにいらっしゃると
いい加減うんざりします。
リリース直後から比べればかなりの本数を追加してるんですよ。
『ダークエンジェル』並みの本数ですよ。
別にヨン様が悪い訳じゃないけど、
今から『スキャンダル』がリリースされた時のことを
考えるとウンザリします。
そんなに本数仕入れたくないな・・とちょっと思ったりも(笑)。

ところで秋林瑞佳サマ。
「危険な関係」系は同じ原作でも作品によって
ジャンル区分が違うからややこしいですね。
サスペンス、ヨーロッパ系、ラブストーリー、エロティック
もしかしたら「文芸」に区分されているかもしれませんね。

『キル・ビルvol.1』の白い振袖の件。
まわりに「なんでそんなこと考えるの?」と変な顔されていただけに
同じことを感じた方がいらっしゃって、とっても嬉しかったです。
やっぱり、ふと気になりますよね〜(笑)

今月私が観た作品では、
「喜び」マークがいつもよりは多かったと思う。
その中でも、
『くたばれ!ハリウッド』は手法的にも新鮮な面白さがあった。
『炎の戦線・・』は題材的に珍しかった。
6月は閑散期なので、好きな作品を中心に観ようかな・・・。
2003年・英
監督/ダニー・ボイル
出演/キリアン・マーフィ

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動物愛護家が研究所から動物を解放したが
その動物は殺人衝動を引き起こすウィルスに
感染した動物だった・・・
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何人かの動物愛護家が研究所に勝手に忍びこみ
研究のために動物を虐待するな〜おサルさんを助けるんだ〜と
人の話も聞かずにチンパンジーを檻から出したら
チンパンジーはお礼をいうどころか
うぎゃぎゃーと彼等を襲い、
彼等もまたうぉうぉーっと人を襲って
人類滅亡の危機になりました。
事故で28日間眠っていて何も知らない主人公は
目覚めて人気のない町にアラ、ビックリ。
何か行動を起こすなら、
人の話もキチンと聞かないと恐ろしいことになりますよ〜って
おハナシ


もうちょっと真面目に言うなら、
ウィルスによって28日間で人類滅亡の危機を迎えるという
一見荒唐無稽に思える事柄が
もしかしたら、自分が知らないだけで充分起こりうる事では・・?と
心理的に不安にさせる作品。

そこに映画ではおなじみのゾンビがユラユラ現われ、
必死に逃げる人々。

生き残るためには、他人に関わっている暇はない
生き残るためには、他人と協力しなくてはいけない

どちらももっとものようで、実際、我が身にふりかかった場合
どちらを決断するのだろうか?
生死が分かれる決断をできるだろうか?

安全だと思われる場所に、やっとたどり着いても
仲間全員が最後まで安全だとは限らない。
人の生き死には無情だ。
希望を失わず、耐えて耐えぬいても死は関係なく襲ってくる。
あの時、こうしておけばと後悔しても、元には戻らない。
生き残るためには、進むしかないのだ。

印象的なのは無人のスーパーで食料を調達するシーン。
必死でゾンビから逃げている彼等の休息ともいえるシーンに心が和む。
彼等のウキウキ気分が伝わる、食料だけでなく
「上等な」酒を選ぶシーンが特に好きだ。
もしもそういう事態になったら、
必ず酒を手にするヤツがいるだろうな〜と微笑んでしまった。

エンディングはまったく異なる2種類が収録されている。
ハッピーなものと悲壮感ただようものの2種類。
個人的には悲壮感ただようエンディングの方が
作品全体のトーンにあっているような気がする。
たとえどんなことがあっても、
生き残るためには進んでいかなければならない悲壮感。
そのほうが微妙なリアル感がラストには相応しいと思った。

昔風のゾンビ映画をイギリス風にシニカルに
そして微妙なリアル感で味付けした作品

とはいえ、冒頭の
「何人かの動物愛護家が・・うぎゃぎゃ〜・・うぉうぉー・・」
ってのが素直な感想なんだけどね(笑)
2003年・日
監督/北野 武
出演/ビートたけし
   浅野 忠信

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とある宿場町にやってきた盲目のあんま、市。
ひょんなことから親の仇をさがす旅芸人おきぬとおせい、
博打にうつつをぬかす気のいい男・新吉と知り合う。
この町は銀蔵一家が幅をきかせており、
そのなかにおきぬ達の仇が・・・
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子供の頃『座頭市』は勝新版をTVで見た記憶が・・・。
勝新のずんぐりとした市に比べると
やや小さい印象を受けるたけし。

しかし、そのことでかえって、
他の登場人物が生き生きと鮮やかに輝いている。
その中にジグゾーパズルのピースのようにピタリとはまっている
そんな感じのたけし演じる市である。

その穏やかな市がひとたび殺気を放つと
強烈な存在感で他を圧倒する。

笑いと殺気
緊張とお祭り気分
たけしとその他のキャスト

すべてにおいて「バランス」のとれた作品といえよう。
加えて前代未聞の金髪の市に顕著なように美しい色彩
そして躍動感あふれる音楽。
これぞ大衆娯楽といった感じの作品。
最近の邦画でこれだけの娯楽作はあまりない。
小難しい事を考えずにスカッと楽しめる作品。
こういう作品の邦画がもっと出てくれると嬉しいのだが・・・。
2002年・英
監督/ピーター・ヒューイット
出演/ブルース・クック
   ルパート・グリント

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生まれた時からオナラの止まらない少年パトリック。
家族からも疎まれ、学校でもイジメられてばかり。
そんな彼の夢は宇宙飛行士になること!
唯一の親友アランの発明で
パトリックはオナラパワーで宇宙をめざすことに・・・
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オナラをモチーフにした奇想天外な作品。
そういえば子供の頃、「屁っこき爺さま」ってお話を読んだなぁ〜。
子供心に面白かったっけ・・・。

監督は『ビルとテッドの地獄旅行』や
『ミラクル*ショー ハロルド・スミスに何が起こったか? 』の
ピーター・ヒューイット

なんかこれだけで個人的にはOKな作品だ(笑)

オナラが止まらない体質の少年パトリック。
そんなワケでず〜っと
ブゥ〜 
バボン 
ブヒュ〜ンとオナラの音が(笑)

しかし、下品だとか、気分が悪くなることはなく
むしろ、おならが止まらない体質という欠点を逆に長所と生かし、
自分の夢を叶える少年の清々しい作品になっている。
いや・・オナラを扱っているので、
清々しいという表現もなんだけど(笑)

パトリックのオナラが巻き起こす騒動に笑い、
親友アランを探す姿に切なくなり、友情に熱くなる。
そして前向きなパトリックに感動すら覚える。

オナラが止まらない悩める少年のサクセスストーリー。
バカバカしい発想だが、素直に楽しめる、笑える
この辺がイギリスらしい。

童心に帰って楽しめた作品。
もっとも「オナラ?お下品ね、嫌だわ〜」と思う人もいるだろうが・・・。
2000年・韓
監督/ポン・ジュノ
出演/ペ・ドゥナ
   イ・ソンジェ

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大学教授になるために賄賂が必要なユンジュは
出産間近の妻の稼ぎで暮す身。
当然妻には頭が上がらず、
おまけに金の用意もできずと精神的に追い詰められる。
そんな彼をさらにイラつかせるのが、犬の鳴き声。
それらしき犬を見つけた彼は地下室に閉じ込めるのだが・・・
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マンションで起こる愛犬失踪事件。
マンションの管理員ヒョンナムは、
犯人を見つければテレビに出られると思い犯人探しをする・・・。

冒頭、「作品に出演している犬は安全に管理されています」と
注意書きがでるが・・・。

三味線の勇次みたいにリードで首吊りしたり
屋上からぶら下げたり
むりやりひっぱったり

いやぁぁぁぁ!!本当に安全なの???

犬の様子をみるとマジでビビッてますよ・・・。

ウチのワンコは画面から「きゃい〜ん」「きゅい〜ん」と
鳴き声が聞こえるたびに
ナニカ コワイコト アルミタイ・・・と
怯えて私に抱きついてくる。顔は画面にくぎづけのまま(笑)

『メリーに首ったけ』や『スクリュード ドジドジ大作戦』でも
「あんまりな」犬の扱い方に笑ったものだが、
本作品はあまりにも「あんまりな扱い方」で笑えない・・・。

この過激な描写は食習慣によるものだろうか・・・?

蛍風がワンコを飼っているせいかもしれないが、
過激すぎて、グロすぎてゲンナリ。

ちっとも笑えない、度が過ぎたブラックコメディー。
犬を飼っていない人にはどう感じるか分からないケド・・・。
2002年・米
監督/デヴィッド・マクナリー
出演/ジェリー・オーコネル

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チャーリーは義父のギャングのボスの
サル・マッジオに命じられて
20年来の親友ルイスとオーストラリアまで5万ドルを届けることに。
しかし、荒野でカンガルーをはねてしまう。
ルイスはカンガルーに5万ドルがポケットに入った
赤い「ラッキージャケット」を着せて記念撮影。
しかし死んだと思ったカンガルーがいきなり目覚めて
5万ドルごと逃げ出した・・・
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主人公チャーリー役はジェリー・オーコネル

彼の20年来の腐れ縁の親友ルイスがアンソニー・アンダーソン

チャーリーの義父でギャングのボス、
サル・マッジオにクリストファー・ウォーケン様!

チャーリー達をサポートするジェシー役にエステラ・ウォーレン

そんなキャストでカンガルーに翻弄されるおハナシとくれば
蛍風好み(笑)の作品の予感♪

・・・のはずだったんだケド。

なんともはや中途半端な作品。

初めのほうこそ盗品を積んだトラック(しかも盗難車)で
パトカー相手のカーチェイスでスピード感あり、笑いありの
GOODな感じなのだが・・・。

オーストラリアに渡ってからの展開は
そこそこ笑いはあるのだが「決め手」に欠ける展開。
ジェシー役エステラがせっかく川だか池だかで
水浴びするシーンがあるのに
シンクロを見せてくれず、イカツイ肩をさらけだすのみ。
せっかく元シンクロ選手の彼女なんだから〜、
こちとら期待してしまいましたよ〜(笑)。

友情、恋、冒険、動物、ロケーション、キャスト。
面白そうな要素が盛りこまれてるわりには
どれも有効に使いこなせておらず、消化不良気味。

大好きな素材を用意してレシピ通りに料理したけど
食べたら全然違うものになっちゃってた〜って感じの作品


チャーリー役ジェリーの表記問題だが、今回はオーコネル。
オコンネル、オコネル、オーコネル・・・。
爆発的な知名度がないせいか、
本作品同様決め手に欠けるのだろうか?(笑)
好きな役者だけに早く表記統一して欲しいなぁ・・・。
2003年・日
監督/今 敏
声優/江守 徹
   梅垣 義明

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クリスマスの夜3人のホームレスがゴミの中から
赤ん坊を見つけた。
オカマのハナに押しきられる形で元競輪選手らしいギンちゃんと
家出娘のミユキはしぶしぶ赤ん坊の親を探すことにする・・・
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リアルでありながら幻想的に美しい街並み。
そこでひっそりと、そしてたくましく生きるホームレスの3人。

その気になればいつでも帰れるという家出娘ミユキ。
優しいオカマのハナ。
頑固だけど頼りになるギンちゃん。

擬似家族のような3人の前に突如現われた赤ん坊。
ハナは天使のようなこの赤ん坊に
「清子(きよこ)」と(勝手に)名付け3人で親を探すことにする。

その過程でちょっとした偶然や過去との再会が
奇跡の幸運へと紡がれていく。
「清子」は人生の大きな転機の道案内となる。

はじめはドタバタと笑いが、3人の過去があらわになるにつれ
次第にしんみりとドラマチックなラストへと展開する。
この辺の笑いとシリアスのバランスがとてもGOOD。

キャラも『コルトマルテーズ』とは違い、
表情が豊かで感情移入がしやすい。
リアルだが美しい街並み同様に、
実写だったら、ある程度限界があるであろうホームレスを
表情豊かに生き生きと描けたのはアニメならではでなかろうか?

いつもは声優ではない芸能人が声をアテて
違和感を覚えることが多いのだが、
本作品のギンちゃん役・江守徹、
ハナ役・梅垣義明、
ミユキ役・岡本綾は最高!
この3人以外には考えられないようなハマリ役である。

やっぱりアニメは日本製が1番だなぁ〜・・・。
2002年・仏/伊/ルクセンブルク
監督/パスカル・モレリ
声優/リチャール・ベリ

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1919年、世界の列強が次々とアジアに
触手をのばしてきた頃。
冒険家コルト・マルテーズはある組織と手を組み
ロシア皇帝の財宝を積んだ列車を襲うことに・・・
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フランスで大ヒットしたアニメ。

う、う〜ん・・・。
動きが固い。
表情が乏しい。
加えて中国人の顔が『ムーラン』のような
いかにも白人が描いたアジア人の顔。

それが近代史をモチーフに哲学的言いまわしで語られるから
観ていてシンドイ・・・。

例えば警察で尋問されているシーン
「彼にあったのは偶然かね?」
「おそらく必然でしょう」

?????

偶然かどうか聞いているのに
それじゃ答えになってないんじゃないか?
しかもそれで納得する警察側(笑)

そんな感じが延々と続く。
90分ちょっとの作品なのに
3時間くらい観たかと思うほど、頭が疲れた。

ルパン3世とジェームズ・ボンドを足したような
キャラクターらしいが、どこがルパン3世?どこがボンド?
『007』は苦手なのでボンドのほうは分からないが
ルパン3世にはカスリもしないような・・・。
個人的には「夢見るニヒルなボンド(もどき)」って印象。

本当にフランスでヒットしたの?
フランス人はアニメでもこういう哲学的説明が好きなの?
大人が観るアニメは他にないの?

かなり疲れました・・・。

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