1999年・仏
監督/ドニ・バルディオ
出演/ミシェル・セロー
   ジョナサン・ドゥマルジェ

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脳の血管がつまり、動くことも話すこともできない老人ベラン。
彼は悪戯ばかりするマーティ少年に何故か気に入られ、
2人は同じ病室で過ごすことになり・・・
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自力で動くことも話すこともできない老人アントワーヌ・ベラン。
医師達は彼を痴呆症と断定しているが、
彼は心の中で「ヤブ医者め」と思っている。
話したくても話せないのだ。
しかし、常に昔の事を考えていないと忘れてしまう。
頑なな老人ベラン。

そんなベランを少年マーティは、なぜか気に入る。
マーティは小児ガンに侵されている。
入院のうっぷんをはらすかのように、悪戯ばかりの毎日。

同室になった2人。
マーティはベランが動けないのをいいことにやりたい放題。
初めは苦々しく思っていたベランだが・・・

話せないベランの心のナレーションと
マーティ少年の悪戯という行動でストーリーが進行していく。
言葉を交わすことはない2人が、次第に心を通わせていく。
ミシェル・セローの演技が素晴らしい。

タイトルになっている「約束」。
それはベランの心からの重く真摯な願いである。

派手な展開はなく、「死」という重いテーマを扱っていながら
重苦しい雰囲気はなく、清々しささえ感じられる。
そして、ベランの「約束」=まごころにホロリと涙してしまう。

感動しました。泣きました。
2001年・米
監督/ロン・ハワード
出演/ラッセル・クロウ

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ジョン・ナッシュは感性が鈍るといって
大学院の授業にも出席せずに、
ひたすら成功の足がかりになる研究を模索していた。
ある日、友人達と酒場でナンパの話をしている時に
独創的な理論を思いつき、それが認められる。
成功者としての道を歩み続けていると思われた彼だが
彼の精神はすでにおかされていて・・・
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ラッセル・クロウがアカデミー主演男優賞にノミネートされたと知った時、
なんであの人が?と思った。
『グラディエーター』の印象しかなかったからだ。
だいたいなんで『グラディエーター』が選ばれたのか
いまだに納得できない蛍風。
よっぽどめぼしい作品がなかったのか、
それとも審査員たちが「サンダル」モノが好きなのか?(笑)

しかし本作品でもクロウの演技を観て、その印象は変わった。
彼の演技は素晴らしい!
なまじ『グラディエーター』で賞を獲っているから
今回受賞できなかったのでは?
まだ『トレーニング・デイ』を観ていないから
比較することはできないが、とにかくクロウの演技は素晴らしい。

野心的で傲慢とも思える態度を見せつつも
内面に隠された不安や苛立ちを見事に表現。

ジョン・ナッシュは優れた数学者であると同時に
繊細な心のヒダを持った人間ではないだろうか?
なんというか、左脳と右脳どちらも豊かというか・・・。

自分の才能に絶対の自信をもっているつもりでも、
どこかに不安がひそんでいる。
他人にどう思われようと構わないと思いつつも
心のどこかで愛されたい、理解されたいと願っている。

それが自分の才能を認めてくれた情報部員であり、
ルームメイトのチャールズとその姪ではないだろうか?

アカデミー賞作品賞に選ばれたのも納得のいく優れた作品。
感動しました。
2000年・米
監督/ユレク・ボガエヴィッチ
出演/ハーレイ・ジョエル・オスメント

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1942年ナチス占領下のポーランド。
ロメックの父はユダヤ人狩りから息子を守るために
ポーランド人グニチオにロメックを託す。
グニチオには2人の息子ヴラデックとトロがいた。
ユダヤ人であることを必死で隠しながら
ロメックはヴラデック・トロと次第に友情を深めて行く・・・
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ハーレイ君はもちろんのこと、子役達がみんな上手い!!!
役柄的にトロ役のリアム・ヘスが目立つのは当然だが
ロトの兄・ヴラデック役のリチャード・バーネルも微妙な心情を見事に表現。

子役だけじゃないグニチオ役のオラフ・ルバスゼンゴもスゴイ。
この人はポーランドの役者さんだとか。
初めてみたけど、この人の出演作をもっと見たくなった。
神父役のウィレム・デフォーも、
でしゃばり過ぎず子供達のひき立て役に徹している。

ユダヤ人であることを隠すために、
ロメックの父は息子にカトリックの教義を教える。
生き延びるために両親と離れ、必死で素性を隠して生活するロメック。
それを暖かく見守るグニチオや神父。

洗礼式に向けて神父は子供達にキリストと12使徒の役柄を与え
キリスト教を理解させようとする。
キリスト役になったトロの奇行はここから始まる。
死を目の当たりにした事で純粋なトロは、
平和のために殉教したキリストに深く傾倒する。
キリストのように、イバラの冠を被り木に張りつけて欲しいと懇願する。
そこには失った人々を取り戻したいという無垢で
まっすぐな情熱が存在する。

トロはあまりにも純粋でまっすぐなのだ。
ラスト、トロがとった行動はどう解釈したらいいのだろうか?

兄ブラデックとロメックに対する失望からなのか?
そうなら、まがったことを許せない純粋な
子供らしい行動なのかもしれない。

それともヴラデックとロメックの罪を、キリストが人々の罪を背負ったように
自分が背負おうと思ったのか?
キリストになって平和を取り戻したいと願ったトロらしい行動かもしれない。

占領下の暗く緊張した中での生活。
しかし子供らしい、のびのびとした部分も描かれている。

両親の部屋から夜な夜な聞こえてくる母の喘ぎ声を
トロは悪夢にうなされていると考えている。
「あぁ〜やめて〜いや〜もっとぉぉ〜ん」
今日のママはいつもより怖い夢を見てるんだと得意げに説明するトロ。
いや〜、喘ぎ声=怖い夢は新しい説ですな。これは使える(笑)
・・・って使う機会があるのか?!(笑)

戦争がもたらす狂気の中で必死に生きる子供達。
やるせない状況下で行動を決定するのは年齢ではない。
パニックになる大人達、信念を貫く子供達。
深く深く考えさせられる作品。
1998年・米
監督/ランダ・ヘインズ
出演/ヴァネッサ・ウィリアムス

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母を亡くしたラファエルは、
父に会いたいと思いキューバからアメリカへと渡り
素性を隠して父親のダンススタジオで雑用係として働く。
そのスタジオで世界選手権に向けて、
練習に励むルビーと出会い・・・
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キューバ人・ラファエルを演じるのはチャヤン。
・・・ってこの人誰ですかね。初めて聞きました。
ちょっとブレンダン・フレイザー系のお顔だち。
ルビー役はヴァネッサ・ウィリアムス。
・・・あ、聞いたことある名前だ(笑)

ストーリーは、世界選手権で優勝しようと
ヴァネッサ扮するルビーが、毎日むおぉぉ〜っと必死の形相で練習。
そこにキューバ生まれのキューバ育ちラファエルが
君のダンスは何かヘン〜。ラテンな僕の国じゃこう踊るんだぜ〜と
ルビーのプライドを逆なでする。
なにさ、ただの雑用係のくせにとご機嫌ナナメのルビーだが
2人はなぜか(いや、やっぱりというべきか?)惹かれ合う。

しかしルビーは優勝するためにスタジオを抜け、
以前のパートナーである元夫とペアを組む。
その頃スタジオではラファエルの父親が、
腰か痛いから釣りに行くとのらりくらりな態度にパートナーの女の子は
そんなら若いラファエルと組むわということに。
ただの雑用係のラファエル君はいつの間にか、スタジオの人気者に昇格。

選手権当日、ラファエル君は見事なリフトを
うりゃうりゃっと連発し大喝采。
プロ部門で勝ち進んでいるルビーは、くたくたでもうだめ〜というときに
ラファエルと目があい、彼と踊っている妄想をみて、見事優勝。

120分以上あるのに、ただこれだけのストーリー。
同じ社交ダンスモノの『ダンシング・ヒーロー』に比べると
ダンスへの思い、悩みが希薄。
ラファエル君の父に対するほのかな思慕も不足。

その代わり、ダンスと歌はとってもGOOD!
ヴァネッサの長い手足がキュッキュキュッキュ動いて
そりゃもうカッコイイの一言。
音楽もノリがよくて良い感じ。

ストーリーは添え物程度の内容で、
華麗なダンスと音楽を楽しむ作品。ただそれだけ。
2000年・米
監督/サリー・フィールド
出演/ミニー・ドライバー

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モナは、恵まれたとはいえない家庭環境の中で
ミス・アメリカになるのが幼い頃からの夢だった。
必死でお金を稼ぎ、審査に有利な習い事をしたり。
しかし、妊娠してしまう。
ミス・アメリカは既婚者・母親は出場資格がないのだ・・・
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コンテストに優勝するために、ライバルを蹴落としたり
審査ウケをする行動をとったりと
とにかくパワーあふれる主人公モナ。

4/22『わたしが美しくなった100の秘密』同様に
華やかなミスコンの裏側を皮肉たっぷりに描いた作品。
『わたしが美しく・・』よりハートフルな作品。

しかしミニー・ドライバーがミスコン向けのルックスではないため
コンテストに勝ちあがっていく展開は、なんだか納得できないものがある。
どうみても周りのコのほうが美人なのだ。

ビバヒルのクレア役・キャスリン・ロバートソンが出てた!
可愛かった、キレイだった。
なのに、ミニー・ドライバーに負ける。
やっぱり納得いかないなぁ〜・・・。

コンテストで勝ち残るために、手段を選ばずライバルを蹴落とすモナは
ミス・アメリカというよりは「おばちゃんパワー」といったほうが
しっくりくるものがある。
それだけに「おばちゃん根性まるだしパワー」のモナが
初めて素直になるラストには、思わずホロリと涙がでてしまう。

身勝手でコンテストのためなら平気で人を利用するたくましさ、
子供の頃からの夢をかなえようとする真剣さ、
感動的なラストなど良く出来たストーリーだが、
ミニー・ドライバーのルックスがどうもひっかかる作品。
2000年・英/仏
監督/サリー・ポッター
出演/クリスティーナ・リッチ
   ジョニー・デップ

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父がアメリカに出稼ぎに行っている間に暴動に巻きこまれ、
名を変え、イギリスに渡ったユダヤ人少女フィゲレ。
いつかアメリカに渡り、父と再会を夢みる彼女だが
戦争の暗い足音が響いてくるのだった・・・
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美しい美しい作品。
主役のクリスティーナ・リッチとその恋のお相手ジョニー・デップは
ほとんど喋らない。
その代わり、美しい映像と音楽がすべてを語ってくれる。

いやぁ〜、この作品のデップはカッチョイィ〜〜。
寡黙で物憂い気でありながら、強さを感じる表情。
デップにときめいたのはこの作品が初めてかもしれない。
蛍風、思わず「きゃふ〜ん」とため息をついてしまった(笑)
フィゲレの子供時代の少女(幼女か?)も、とても可愛らしくて健気な演技。

主役の2人が喋らない分、ケイト・ブランシェットとジョン・タトゥーロが
プライドの高い野心的なカップルとしてテンポを出している。
そして華やかな2人にも戦争の影が忍び寄る。

うわぁ〜、良い作品じゃないの〜と思っていたら
あっけなく終わってしまった。え・・?はぁ?な、な、何?
美しい世界に浸っていたのに、
いきなり起こされて何が何だか分からない朝の感じに似ている。

この作品は「母を訪ねて三千里」系か?
生き別れになった父を思いながらも、流れにまかせて生き延びて
男と恋に落ちたら、父よりも男のほうが良くなっちゃたけど
ドイツ軍が勢力を増してきたから、やっぱり父を探す旅に出ましたって。
結局デップも人生の通過点に過ぎませんでしたってワケ。
うわぁ〜、なんだかなぁ・・・。
デップが良かっただけに、「え?これで終わりなの?」と騙された感じ。

もっとテーマをしぼって描いたほうが良かったんじゃない?
戦争に翻弄される娘の人生ならば、必死で迫害から逃れるシーンを。
愛を描くのなら、2人の恋の過程を。
父との再会がメインなら、父のアメリカでの生活を。
もっともっと丁寧に描いて欲しかった。

美しい映像と音楽、魅力あるキャストなだけに
「これで終わりなの?じゃ、今までのは何だったの?」と
なんだか騙された気分になる作品。
2001年・米
監督/ブライアン・ロビンス
出演/キアヌ・リーブス

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スポーツギャンブルで1万1000ドルの借金を作ってしまったコナー。
友人のジミーに借金を申し込んだところ、
週給500ドルで少年野球チームのコーチをすることに・・・
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スポーツの賭けにのめり込んでいるコナー・オニール。
負けを帳消しにすべく、大金を賭け、そしてまた負けるの繰り返し。
普段はチケットのダフ屋をしている。
そんな彼が少年野球チームのコーチをすることに。
治安の悪いところに暮しながらも、
野球への情熱を失わない少年たちと接し、
コナーに少しずつ変化があらわれる。

「子供とスポーツで感動させようってのがミエミエね」と
斜に構えて観ていたのだが、実に素直な作品で感動してしまった。

この作品のキアヌ、いいじゃないの〜。
『ギフト』の暴力夫も良かったけど、
今回のギャンブルにハマって借金まみれのダメ男も好演。
初めは野球コーチを単なる仕事としか思っていなかったのが
子供達とふれあい、前向きに生きる感情の変化が
大袈裟でなはなく素直に表現している。
これからはヒーローじゃなく、ダメ男専門になったらどう?キアヌ。

ダイアン・レイン様との恋模様も描かれてはいるが、
コナーの人柄を紹介するエッセンス程度。
あくまでも本筋の子供に触発されて人生を見つめ直すという
テーマを守っている。

子供達は全員演技経験のない子達ばかりだとか。
のびのびと、そして心をうつ演技。
監督が良いのか、脚本が良いのか。
いや、やはり子供達が良いんだろうな。うん。
特にベイビーG役の子、良かったなぁ!

そうそう、子供達がこの映画に出演して嬉しかったことの1つに
マトリックスに出ているひとに
マトリックスのスローモーションをやってもらった事だとか(笑)
いや〜、それだけでも貴重な思い出だと思うよ。
羨ましいなぁ〜!(笑)

本作品は実話を元に映画化。
銃犯罪が日常的な過酷な毎日の中で、
逆境にめげずに、力強くたくましく生きる子供達の姿に感動。
地味ではあるが、良質な作品。
2001年・米
監督/スティーヴン・ヘレク
出演/マーク・ウォールバーグ

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クリスはロックバンドのスティールドラゴンの
ボーカリスト・ボビーを崇拝していて、
自らもトリビュートバンドで歌っている。
ある日ボビーのもとに1本の電話が。
それはボビーの後釜としてスティール・ドラゴンで
歌わないかというものだった・・・
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トリビュート・バンドという言葉は初めて知った。
「コピーバンドじゃない」と劇中言ってたけど
どこが違うのかしらん・・・。

ボビー役はマーク・ウォールバーグ・・・。
蛍風の中では、初めてマークを見たのが『ブギーナイツ』だったので
マークの名前よりデカ○ラ男とインプットされていた。
(いや〜、下品な言葉でスンマセン・・笑)
その後『 PLANET OF THE APES 』を見てからは
デカ○ラ男改め「猿男」と呼ぶようになってしまった。
で、この人はいつも骨っぽい顔が印象的なのだが
本作品ではほのかな色気がにじみ出ていた。
彼女役のジェニファー・アニストンも色気を感じた。

この2人、今までキレイとか色っぽいとか感じたことないのに
この作品ではとにかく仄かな色気があるのだ!
栄光とドラックとセックスが渦巻く
80年代ロックバンドを描いているせいなのかな?

80年代ロックバンドということで蛍風には
涙ものの懐かしい曲やシーンがもりだくさん。
お約束のホテルの窓からTV投げるシーンもちゃんとある。
曲もさ、なんか蛍風にはしっくりくるんだよね〜。
最近のラップものはピンとこないんだけど
80年代ロック聞くと、胸がワクワクするんだよなぁ〜。

ドッケンのメンバーが出演してるらしいが
ドッケン聴いてないから誰だか分からなかった。
それ以外にもいろいろなバンドのメンバーが出演しているらしいんだけど。
スティール・ドラゴンのメンバーの妻役の人達も
実際にどっかのバンドの元妻とか元恋人らしい。
楽屋ネタ満載ってところか?

マークは元ラッパーで、ロックの高音や、
ロン毛ピチピチパンツファッションに抵抗があったとか。
元ラッパーってなんざんしょ?
マークを初めて見た時、ニューキッズ・オン・ザ・ブロックの
一人に似てるな〜と思ったんだけど・・・。

80年代ロックシーンも映画になるということは
80年代はもう昔ということか?!
長い髪を振り乱して、アイメイクばっちり
ピチピチパンツでしぼりだすような高音の音楽が
また聴きたくなった。
今夜はラットでも聴こうかな・・・。

80年代を知らなくても、栄光の中で自分を見失う青年が
本来の自分を取り戻す青春モノとしてなら楽しめる。
80年代や音楽に詳しい人なら、ホテルや
パフォーマンスをみればピンとくるはず。
音楽に興味がなければ「こんなもんかな」程度の
評価かもしれない。
ビデオ店にとっては、クセのある部類にはいるが、
主役の2人の知名度があり、ビミョーな位置の作品。
2001年・米
監督/ラッセ・ハルストレム
出演/ケビン・スペイシー

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クオイルは子供の頃、父親から泳ぎを覚えさせるために
水に落とされたことがトラウマとなり、自分に自信が持てずにいた。
あるとき奔放な女性ペタルと出会い、結婚するが、
彼女は母の役割を放棄して家を飛び出し、事故死する。
そして娘のバニーと叔母とともに祖先の地、
ニューファンドランド島へ移り住むことになり・・・
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自分に自信の持てないクオイル。
そのことから、他人に対して強く言えないクオイル。
おどおどして弱気な夫に、自由奔放なペタルはやりたい放題。
そんな時両親の死の知らせが届き、父方の叔母がやってくる。
同時に愛想を尽かしたペタルは家を出て、男のところに行く途中
交通事故死してしまう。娘のバニーを助手席に乗せたまま・・・。
そしてクオイルは環境を変えようと、祖先の地ニューファンドランド島へ行く。
そこは5月でも雪のある、寒く厳しい土地だった。

厳しい自然の中で、人は独りでは生きていけない。
ケビン・スぺイシー演じるクオイルは、
初め弱々しく情けない男なのだが、
島の厳しい自然に揉まれ、磨かれ、
島の人間達と関わることにより、
彼が本来持っていた強さ、誇りが現れてくる。

楽で快適な生活が本当に人間のためになっているのだろうか?
ネオンで明るい夜空を見上げて、
こんな夜中でも店が開いてて便利だなと普段なら思うところなのだが、
明る過ぎて星がよく見えない事に気づく。
星が見えないほどの明るい夜空。
快適な文明というネオンの灯りで
人は本来のあるべき姿という星を見失ってはいないだろうか?
人間は自然の一部だということを忘れてはいないだろうか?

本作品は、派手な展開がなく
見ている時は淡々とした感じ。
しかし、観終わった後にどっともろもろの感情が
不意に襲ってくる。

島の厳しい自然が郷愁を誘う。
昔の人間が暮していた本来の人のあり方を示しているようでもある。
音楽もGOOD。
キャストの演技も素晴らしい。

人生ってなんだろう。
自分は本当にこれでいいのだろうか?
これが本来自分が生まれ持った姿なのだろうか?

心に深く重く響く優れた作品。
2001年・伊
監督/ナンニ・モレッティ
出演/ナンニ・モレッティ

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精神分析医のジョバンニは、息子との予定をとりやめて
患者の家に急遽往診することになった。
しかしその帰り道、息子が海で事故死したことを知り・・・
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カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品。

精神分析医のジョバンニ。
人の苦しみ、悲しみを知り尽くし、
冷静な態度で受けとめカウンセリングしている彼が
最愛の息子を突然失ったことにより、
冷静にそして余裕をもって患者と接することが出来なくなる。
ジョバンニの頭にあるのはいつも
「あの時、往診しなければ・・・」。
その道のプロである精神分析医の彼は
患者を救うどころか、自らも後悔と悲しみの殻に閉じこもってしまう。

その悲しみは残された家族と深い溝を作ってしまうほど。

息子のアンドレアにガールフレンドがいたことを知った妻は
彼女に会いたいと切望する。
しかしジョバンニは、なぜか彼女に連絡をとろうとしない。
最愛の息子の、「自分の知らない息子」を知るのが怖かったのだろうか?

息子の死という重いテーマだが、
大袈裟にならずに淡々とストレートに描いている。
だからこそ、悲しみ、戸惑いが心をうつ。

イタリアでは棺に中ブタを溶接して、その上から蓋をするんだ・・・。
中ブタ溶接なんて初めてみたからビックリした。
そんなシーンまで淡々と描いている。

分析医ジョバンニの悲しみをカメラを通して
観客がまさに「精神分析医」のように淡々と見つめる。
そんな作品。
2001年・米
監督/J.B.ロジャース
出演/ジェイソン・ビッグス

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大学生になって初めての夏休み。
帰省して高校時代の仲間と再会するジム。
ケビンの提案でこの夏はビーチハウスで思い出作りをすることに・・・
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前作『アメリカンパイ』が面白かったので本作品も
楽しみにしていた蛍風。

前作でも異彩を放っていたジムの父役ユージーン・レヴィが
更にパワーアップしてすごい状態(笑)

今回はジムのSEXシーンに遭遇してしまい、
とまどいながらも、やっぱり理解ある態度をしめす。
バツの悪そうなジムなんかおかまいなしに、
とうとうと愛はすばらしいものだ、恥かしがるんじゃないと
語る父!(笑)
そのほか接着剤事件(事故?)でも
暴走するユージーン。

ユージーン演じるジム父のキャラが
前作と本作のヒットに多大なる貢献をしたと感じずにはいられない。

スティフラーと彼の母に恋するフィンチの関係も
パワーアップ。
東洋の神秘に心酔するフィンチはかなり笑える。

楽団少女ミシェルも本作ではかなり重要なキャラで
しかも前作とは違い共感できる部分が多い。

フィンチ、ミシェルとは逆に
今回はケビンの影が薄かったような・・・。
スティフラーのおバカシーンも足りなかったなぁ・・・。
スティフラー役のショーン・ウィリアム・スコット好きなのに残念。

「男は実際に寝た女の数に3を掛け、
女な実際に寝た男の数を3で割って話す」

なんかこれ、ビミョーに分かるよ(笑)
こういうことは世界共通なのかも。

青春モノらしい恋と友情と性のお悩みを
笑わせてくれながら、それでいてしんみりとさせてくれる。
おバカをするけど、どこか親近感のあるキャラ達。
前作を楽しめたなら、本作品も楽しめるであろう。
2001年・米
監督/テリー・ツワイゴフ
出演/ソーラ・バーチ

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イーニドとレベッカは大親友。
たいして面白くもない町で満たされぬままに暮していた。
高校を卒業した2人だが、レベッカは職をみつけ、
イーニドは卒業を取り消されないように補修を受ける毎日。
仲良しの2人だが、生活のズレが次第に心のズレとなり・・・
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ブシェミが青春モノに出てる!意外だな〜と思い
観てみることに。

これってホントに青春モノ?と疑ってしまうほど
ミョーな展開。
青春モノといえば、ブロンド、チアリーダーでモテモテ、
ボーイフレンドはアメフトのスター選手で
最後はプロムでクイーン。
もしくは目立たない真面目な子が、恋を成就させて
メデタシメデタシってのが基本。

この作品でのイーニドはまったく逆。
普通の青春モノでは、主役のひき立て役として登場する
ヘンな女の子あたりの位置であろう。
パツキンどころか髪を緑に染めたり、
しょぼいオヤジとつるんだり・・・。
なんとなくブシェミが出ているのが納得したような(笑)

大親友のイーニドとレベッカだが、
仕事に就き自立を目指し始めたレベッカ。
サエない中年のレコードマニアにちょっかいを出して
面白がるイーニド。
高校では2人とも社会に適応できずに
ファッションといたずらに夢中だった彼女たちが、
違う環境で生きはじめ、お互いに距離感を感じ始める。
大人になろうとするレベッカ、
大人になることを拒否するイーニド。
環境の違いが心の距離に繋がる場合があることを
誰もが1度は経験しているのではないだろうか?

大人をバカにするイーニド。
周りの大人より自分の方が上だと思うイーニド。
しかし、彼女が1番子供なのだ。
彼女の「とがった物の見方」はこの年頃には、よくある事。
大人になりたくない心の不安が、そこにはあるのかもしれない。

ラストのイーニドのとった行動は、
誰にでもそういう願望はあると思う。
だからこそ悲しくなる。

これはまぎれもない青春モノだ!!!

青春モノにしてはヘンテコリンな登場人物だなと思い、
彼女達のおフザケに大笑い。
ストーリーが進むにつれ、はるか昔の青春時代(笑)を思い出し、
共感を抱き、ラストはしんみりと、そして考えさせられてしまう作品。

余談だが、久々に観たブラッド・レンフロは
大きくなって、あのカミソリのような魅力がなくなり、
ただの坊ちゃんの風貌になっていた。残念。
エンドロールの後に、この作品蛍風のお気に入りの
ヌンチャク男(笑)とブシェミのシーンあり。
本編で採用されなかったシーンだが、
蛍風はこっちの方が好きだな(笑)
2000年・米
監督/ジョエル・コーエン
出演/ジョージ・クルーニー

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エヴェレットが宝物を隠した場所が、
あと数日でダムの底になってしまう。
エヴェレットと鎖の繋がれたピート、デルマーは
一緒に宝物を目指して脱獄する。
その道中は悪魔に魂を売ったギター奏者に出会ったり、
ひょんなことから「ズブ濡れボーイズ」として人気歌手になったり。
果たして彼等は無事、宝物を掘り出すことができるのか・・・?
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面白かった、面白かった〜。

ミュージカルではないが、歌が重要な要素となっている作品。
歌がミュージカルほど唐突ではなく、
ごく自然に、かつ当たり前のように展開される。

「オデュッセイア」がベースとなっている作品らしいが、
読んでないんだよね、「オデュッセイア」。
なんとなく「片目の巨人」や「歌で誘惑する魔女」は
頭の片隅にちらっとある程度の蛍風。
それでもこの作品は楽しめた。
ちゃんと読んでいたら、もっと面白かったかも。

ジョージ・クルーニーがかっこつけているけどドジな役を熱演。
どんな時にもヘアースタイル命(笑)
本当にカッコイイ設定の役よりも、
自分ではかっこいいと思っているけど
ドジな役ってのは、この人上手いかも。

クルーニー演じるエヴェレットだけでなく、
珍道中の仲間ピート、デルマーもドジ。
そのドジぶりが笑えて、しかしながらそのドジが
かえって目にみえない「何か」に彼等が守られているように
感じられるのは脚本の上手さであろう。

作品全体が、ほのぼのと懐かしい感じが漂う。
囚人のしましまの服をみたのは、本当に久しぶりだ。
昔はドリフでもマンガでも
しましまの服に鉄の玉を引きずったのが囚人の
典型的なスタイルだったなぁ〜・・・。
あ、でも本作品では鉄の玉は無かったなぁ。
玉の代わりに3人が一緒に繋がれて、自由を拘束されていたってこと?
ピートとデルマーは重い玉ってことだな(笑)

脚本よし、俳優よし、音楽よし。
楽しい作品。
あああ〜、「オデュッセイア」を読んでいたら
もっともっと楽しめただろうに、残念。
2001年・米
監督/ヴォンディ・カーティス・ホール
出演/マライア・キャリー

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ビリーは母親譲りの美声の持ち主。
夢はいつかデビューして母親と再会すること。
ある日、人気DJダイスの目にとまり、
ダイスがプロデュースしてデビューすることになる・・・
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この作品、なんでもマライアの自伝的作品なそうな。
マライアが10代の役やってるって聞いてビックリしたよ。
いや、アメリカじゃ20代後半でも高校生役やってたりするし
ま、いいんだけどね・・・。

で、マライア扮するビリーが人気DJダイスと知り合い、
2人は二人三脚でスターを目指しながらいつしか愛し合う。
しかし、セクシーさを強調したい会社の方針と
歌そのものだけで勝負させたいダイスの間で
疲れ果てたビリーは別れる決心をする。

とんとん拍子でスターになったビリーが
マジソンスクエアでライブする当日、ダイスから1輪の花と手紙が。
君を愛してる、今夜会おう。お母さんが見つかったよ。
ところがどっこいライブに向かう途中でダイスは刺殺され、
悲しみをこらえてビリーは観衆の前で歌を熱唱する。
ライブ後そのままビリーは母親と再会しめでたしめでたしというおハナシ。

書いてて恥かしくなるくらいの陳腐なストーリー展開。
世界の歌姫マライアさんですよ、その彼女の映画ですよ。
もっとなんとかならなかったのかしらん・・・。

ダイスが死ぬという設定、これはマライアの自伝的作品なわけでしょ?
マライアの旦那さん、ソニーのおえらいさんだよね?
たしか別居だか、離婚したんだよね?
・・・殺しちゃっていいの?(笑)

劇中ダイスがビリーに言うセリフ。
「ちょっと高音がでて、ケツふって人気でたからっていい気になんなよ!」
いや〜、蛍風びっくりしたわ。
きっとこう思っている人もいるんだろうけど、
マライア主演の作品でこのセリフがでてくるとは思わなかったよ。

それに対してビリーは、
「好きでやってんじゃないのよ、
言われたとおりにしないとスタッフに迷惑かけるでしょ!」

しかしDVDの特典として収録されているミュージッククリップを見ると
半ケツで胸元チラリでしっかり腰ふってたよ。
劇中とは比にならないほどフェロモンふりまくっていて
蛍風またまたビックリ。

あのビリーのセリフはどうとったらいいのだろう?
本当に会社の方針で仕方なくやってると説明しているのか?
それとも言い訳?う〜む謎だ・・・。

ラジー賞にノミネートされただけあって
作り手の意気込みが空回りしている作品。
しかし、歌はやはりスゴイ!聴き応えあり!
さすが世界の歌姫マライア!

つまりはサントラ聴けば充分な作品。
2001年・米
監督/トーマス・カーター
出演/ジュリア・スタイルズ

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バレリーナ志望のサラは
憧れのジュリアード音楽院のオーディションに
母親に絶対見にくるように懇願する。
しかし、母親はオーディション会場に向かう途中で
交通事故に巻き込まれて死亡してしまう。
自分のせいだと落ち込むサラだが
黒人デレクと出会い、ヒップホップを通じて
踊りへの情熱を取り戻していく・・・
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白人と黒人の恋、
バレエとヒップホップ、
男の友情と女の友情、
様々な相反するものが交じり合った青春ムービー。

人種を超えた恋愛を描くことで社会性を、
ヒップホップを取りいれることで流行性を、
男女の友情の違いを描くことで若き悩みを描いた作品。

サラ役のジュリアはとても姿勢がきれい。
初めは清楚な感じのファッションが
ヒップホップを始めるようになって
ダボダボのファッションに見をまとう。
でも、これがかわいい〜!

初めてクラブに出かけるとき、
何度も何度も「私の格好ヘンじゃない?」と
「これで平気?」と気にする場面は
とってもかわいい。
そそ、初めての場所にいく時は
自分のファッションがその場に合うかどうか
と〜っっても気になるもんだよね。

デレクがサラにヒップホップを教えるシーン。
ヒップホップらしい椅子の座り方があるそうな。
浅く腰掛けて、脚は投げ出し、背中は背もたれにべったりつくように。
そして肝心なのはリズムを感じることだそうだ。
蛍風やってみた。
・・・背中がつりそうになった。

椅子に座った状態で何かを見るときは
深く腰掛け脚はガバーッツと広げ、
ひじは膝ににつけるように前かがみになる。
そしてやはり肝心なのはリズムを感じること。
蛍風これもやってみた。
・・・股関節が痛くなった。

ダンスの時の腰はお尻をつきだして
情熱的にシェイクする。
蛍風、ひとりでこっそり鏡の前でやってみた。
・・・恥かしくなった(笑)

バレエにしろヒップホップにしろ
好きなことに情熱を注ぐ姿は美しい。
くぅぅ〜っ青春っていいのぉ〜。
私ももう1度青春したいよ!

出てくるダンサーがみんな上手い。
特にエンドロールでのダンスシーンは最高。
ヒップホップというのも
なかなかいいものだと思える作品。
2000年・米
監督/トッド・フィリップス
出演/ブレッキン・マイヤー

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NYの大学に通うジョッシュは遠距離恋愛中。
しかし浮気現場を撮影したビデオを
間違えて彼女に郵送してしまい・・・
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彼女へのビデオレターを、事もあろうか浮気を撮影したビデオと
間違えて郵送してしまったことから
ビデオを取り戻すために出発するロードムービー。

ネズミを口に入れたり、蛇に手を噛まれたり、
「無駄なヌードシーン」(笑)があったりと
かなり笑える。

馬鹿馬鹿しいシーンが盛り沢山で
ワイワイみんなで楽しめる作品。
こういうの好きです(笑)
1995年・中国/香港
監督/ウー・ティエンミン
出演/チョウ・シュイ

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920年代の中国。
変面王と呼ばれている年老いた大道芸人。
この「変面」と呼ばれる芸は
先祖代々息子に受け継がれてきたものだった。
身よりのない老人は 芸を受け継がせようと
男の子を買い取るが・・・
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主役の朱旭(チョウ・シュイ)は
「大地の子」で中国人養父を演じた人。
大地・・の陸役はウマイとしか言いようがない演技だった。

この作品でも素晴らしい演技。
先の見えるストーリー展開にもかかわらず、
思わず涙がこぼれてしまった。

朱旭は本当に上手い役者だ!

クーワーを演じていた子役も良かった。
ひたむきなまなざしが印象的。

誠実・忠孝・ひたむき、
そんな言葉が似合う作品。
1999年・米
監督/アラン・パーカー
出演/ロバート・カーライル

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ニューヨークで暮らすアイルランド人の一家。
待望の末娘が誕生したがすぐに病死。
一家はアイルランドのリムリックに戻り生活するが、
ここでもやはり貧困の毎日だった・・・。
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はぁ〜・・・切ないです。
貧乏って辛いです・・・。

ロバート・カーライル演じる父親はプライドばかり高くて
ろくに仕事をしない。
たまにお給料がはいると、全部酒代に消えてしまう・・・。

そんな父親でも息子にとっては「父親」。

ロンドンに出稼ぎに行ったっきり音信不通になってしまった父親。
生きる為に母親のイトコの家に曲がりする家族。
母親は夜な夜なイトコと関係を持ちながら必死で生活。
フランクはいつかNYに行く為に仕事に明け暮れる毎日。

フランク・マコートの自伝を描いた作品。
悲惨な境遇でも希望を失わず、目標に向かう姿。
ぬるま湯生活の自分が恥かしくなった・・・。

線の細いカーライルがプライドだけの、しかし愛すべき父親を演じ、
アイルランドの薄暗いグレーがかった画面が
家族の貧困生活を見事に演出。
そして貧困のなかでも心が洗われるような
子供達のいきいきとした表情。
秀作です。
2000年・米
監督/ロバート・ゼメキス
出演/トム・ハンクス
   ヘレン・ハント

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速さを誇る宅配業者「フェデックス」に勤めるチャック。
分刻みで世界を駆け回り、恋人とのデートもまた然り。
ある日、飛行機事故に遭い無人島に流れ着く。
なんとか脱出しようとするチャックだが・・・
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トム・ハンクスは上手い!上手いです!
無人島に流れ着いて、とまどいながらもヨタヨタする演技!
初めは失敗続きでイライラと投げやりな毎日が
次第にたくましくなっていく様はお見事。
アカデミー賞あげても良かったんじゃない?

ストーリー的には途中が面白いけど
最初と最後がなかったほうが個人的には好き。
無人島の部分だけだったら、単なる「サバイバル映画」になるから
最初と最後をつけたのかな?

このサバイバル部分はとても好きだ。
バレーボールに顔を描いて、友達として接するアイデアは
「新しいジャンル」の確立か?!と興奮した(笑)
トム・ハンクスが上手いだけに、おかしいやら、切ないやら
なんとも見ごたえがあった。
特にこのウィルソンと名付けられたバレーボールが
海上で流されていくシーンに流れる悲しげなメロディ!
ボール1個が波に揺られて遠ざかるシーンに
かつてこれほどまで叙情的な音楽が流れたことがあっただろうか?!(笑)

後半はなんか小野田少尉の話みたいで
とくに新鮮味を感じなかった。
蛍風としては海で離ればなれになったウィルソンとの
感動の再会とか、ウィルソン捜索の旅をするとかして欲しかった。
そのほうがゼメキスっぽいと思うんだけど・・・。
それじゃカルト映画になっちゃうか(笑)

単なるサバイバル映画ではなく、
最初と最後をつけたことによって、
アカデミーを狙ったヒューマン作品に仕上がっているが
これは製作会社の意図か?

作品全体としては「グラディエーター」に軍配があがるが、
主演男優としてはこちらのトム・ハンクスに受賞させたかった。

やっぱりすごいよ、トム・ハンクス!
1999年・米
監督/クリス・ウェイツ
   ポール・ウェイツ
出演/ジェイソン・ビッグス
   クリス・クレイン

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高校卒業を控えたジム達4人はいまだ「経験ナシ」。
卒業パーティのプロム・ナイトまでの3週間で
童貞を卒業しようと奮闘する・・・
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全編笑いっぱなし!
特に父親がポルノ雑誌を買ってきて、
息子に性教育する場面なんかサイコー。
「ハスラー」片手に淡々としかも真面目に説明する父親に
居心地悪そうに聞いている息子。
おかしすぎる〜!!

母と娘の場合、「自分を粗末にしないのよ」って
遠まわしに言われるだけで、具体的なことは言わないケド。

どこの家庭でも父親と息子は、
こういうことするのだろうか?(笑)

ヤりたい盛りの年頃の青春映画で
「ポーキーズ」(古すぎる?)より毒はないが、
時にバカバカしく、時にエッチ、
そしてラストには、清々しい気分になれる。
よく出来ている作品。

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