2002年・日
監督/山川 元
出演/役所 広司

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天馬都知事は局長クラス緊急会議を開く。
その会議で天馬は、
東京に原子力発電所を誘致すると爆弾発言をし・・・
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財政難にあえぐ東京都。
天馬都知事は、その解決策として原発を東京に誘致すると
大胆発言をする。
その会議の過程で、原発の長短が語られる。

いや〜、これは面白い!

堅いテーマの中にポツポツとはいる絶妙な笑い。
ホテル税うんぬんや、NOと言おうなど
石原都知事を意識した役所広司扮する天馬都知事。

会議で繰り広げられる原発の功罪に、
どれが本当のことかしらん?
みんな間違ってはいないけど、正しくもないのでは?と
いろいろと考えさせれた。

都民としては、原発が実際に誘致されたら
テロの攻撃目標になって危ないのでは?などど思う反面、
資源の乏しい日本では、
やはりなんとかしなければならない問題ではないかと思う。

収録時間110分の中で、
堅苦しい問題から絶妙な笑い、
そしてシニカルなエンディング。
アハハと笑いながらも、真剣に原発について、
またエネルギー問題について考えている自分がいた。

大きな問題をユーモアを絶妙に効かせて描いた
社会派シリアスドラマ

笑いながら真剣に考えさせられた作品に脱帽です。
「喜びマーク」作品ですな。
2004年・日
監督/崔 洋一
出演/小林 薫

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お腹に鳥が飛んでいるような
ブチ模様があることから
クイールと名付けられたレトリーバーの仔犬。
おっとりとした性格のこのクイールが
盲導犬となるのだった・・・
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クイールの生涯を通して盲導犬を説明した作品、かな?

パピーウォーカー役の香川照之
訓練士役の椎名桔平
盲人・渡辺役の小林薫

とにかく芸達者ぞろいのキャスト

クイールの生涯を通じて、
彼(クイール)に関わった人々を描いているが
脚本のせいか、上手過ぎる役者達のせいか
え?もう次の展開に進むの?と物足りなさを感じてしまう。

なんだかすべてが淡々としていて
どこかダイジェスト的感覚。

クイールがメインならば、
もっと盲導犬としての訓練や辛さ・嬉しさを深く描いて欲しかったし
渡辺の生活と心の変化を描くのであれば、
クイールの仔犬時代は不用であっただろう。

結論。
ドラマというより、盲導犬の役割を紹介した作品


気になった点が1つ。
せっかく盲導犬の作品なのだから、
盲導犬が「仕事中」は話しかけたり、触ったりして
気を散らしてはいけないということを
広く一般に認知してもらうよう盛りこんで欲しかったな。
2003年・日
監督/佐々部 清
出演/寺尾 聰

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現職の警部・梶 総一郎がアルツハイマーの妻を
殺害したと自首してきた。
しかし、犯行から自首するまでの空白の2日間のことは
決して話そうとはしない「半落ち」の状態だった・・・
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ベストセラーの映画化。

謎の2日間、裁判シーンのジャケットということで
裁判の過程で次々と事実が明らかになる法廷劇かと思ったのだが、
ミステリーというよりヒューマンドラマといった印象。

はじめは、組織犯罪を描いているのかと思いきや
なんかそれはどうでもいいみたいで・・・。

手に汗を握る展開というわけでもなく
淡々と事実が明かされていく。

ん〜・・でも空白の2日間の出来事は
隠さなければならなかった事なのかしらん?

アルツハイマーに侵された妻が
自分を殺してと懇願するまでの
家族の壮絶な絆を描いてもよかったような・・・。

スピード感に欠けもっさりとした印象。
悪くはないが、個人的のはあまり好みではなかった作品。
2003年・日
監督/本広 克行
出演/織田 裕二

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いまや観光名所となったお台場。
湾岸署の刑事達もなにかと大忙し。
そんな中、縄で縛られた死体が発見される。
湾岸署に捜査本部が設置され、
本庁から女性管理官・沖田がやってくる・・・
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2003年の興行収益?1大ヒット作。
それほど大勢の人が観た作品ならば
レンタル開始直後は、そんなには回転しないとタカをくくっていたが
いやはや、スゴイ人気ぶりで高回転。
「赤」の劇場公開版と「白」のインターナショナル版の2つがあるが
断然「赤」のほうが人気。
「白」をレンタルされる方は、
「赤」がないので・・という理由がほとんどだ。
それでも「赤」「白」ともにフルレンタル状態が続いているのは
ありがたい作品である。
中には「赤」「白」2つ同時にレンタルされるツワモノもいる。
新作値段にも関わらず両方を見比べるってことね。
そんなに違いがあるのかしらん・・・?

劇中にも語られているが、お台場はここ数年で大きく変貌した。
昔は、な〜んにもなくて夜、車で走ると
ホントに東京か?!って感じだったのに。
そんな増殖し続けるお台場を上手く使っている作品である。

キャストは皆、活き活きとして躍動感があり、自然体の演技。
特にいかりや長介氏は、他界されたのが信じられない・・・。
画面の中ではあんなにいぶし銀の存在感を発揮しているのに・・・。

もともとTVシリーズも面白かったし、劇場大ヒットの作品だから
ある程度は面白いのが当たり前だろうと
評価のハードルは高めに設定して観たのだが、
予想以上の面白さだった。

笑うところは笑い、シメるところはシメるストーリーで
2時間以上ある作品なのに、ちっとも飽きることなく観られた。
これなら大ヒットしたのも納得の作品。
2003年・日
監督/北野 武
出演/ビートたけし
   浅野 忠信

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とある宿場町にやってきた盲目のあんま、市。
ひょんなことから親の仇をさがす旅芸人おきぬとおせい、
博打にうつつをぬかす気のいい男・新吉と知り合う。
この町は銀蔵一家が幅をきかせており、
そのなかにおきぬ達の仇が・・・
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子供の頃『座頭市』は勝新版をTVで見た記憶が・・・。
勝新のずんぐりとした市に比べると
やや小さい印象を受けるたけし。

しかし、そのことでかえって、
他の登場人物が生き生きと鮮やかに輝いている。
その中にジグゾーパズルのピースのようにピタリとはまっている
そんな感じのたけし演じる市である。

その穏やかな市がひとたび殺気を放つと
強烈な存在感で他を圧倒する。

笑いと殺気
緊張とお祭り気分
たけしとその他のキャスト

すべてにおいて「バランス」のとれた作品といえよう。
加えて前代未聞の金髪の市に顕著なように美しい色彩
そして躍動感あふれる音楽。
これぞ大衆娯楽といった感じの作品。
最近の邦画でこれだけの娯楽作はあまりない。
小難しい事を考えずにスカッと楽しめる作品。
こういう作品の邦画がもっと出てくれると嬉しいのだが・・・。
2003年・日
監督/滝田 洋二郎
出演/野村 萬斎

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平安の都では鬼が出没し、宮中の人間が次々と襲われていた。
同じ頃、右大臣・藤原安麻呂は娘の日美子が
夜な夜な夢遊病のようにさまよい歩くの心配して清明に相談する。
一見関係ないかに思われた2つの事件だが・・・
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日本神話をベースにした今回の作品。
前作に比べて清明の術の活躍よりも、
神話ベースのストーリー展開に重きを置いた感じ。

ハラハラドキドキほほぉ〜というより
精神世界にいっちゃってるような・・・。

前作の悪役・真田広之がみせてくれたようなアクションはない。
まぁ、陰陽師がアクションってのものなんだけどね(笑)

今回の敵キャラは中井貴一演じる幻角。
これがハッキリとした悪役ではなく、哀しみを背負った設定。
それを意識しての中井貴一のキャスティングは納得できるが、
善VS悪とハッキリさせたほうが映画としては面白いのでは?

前作に比べ、もたつき感があり、作品に広がりが感じられない。

それでも灯りがポッとつくシーンにかぶる音響など
いかにも東宝特撮らしさがあふれる。
加えて野村萬斎の美しき立ち振舞いは健在。

続編の難しさを感じた作品。
2002年・日
監督/山口 雄大
出演/坂口 拓

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今年こそ甲子園出場が期待できそうな星道学園。
しかし予選一回戦の相手はルール無用の
極悪非道な外道高校だった。
校長は絶望するが、そこに野球十兵衛が転校してきた。
十兵衛のケンカ野球なら
外道高校に対抗できるかもしれないと思った校長は・・・
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漫☆画太郎のコミックを映画化した作品。

原作は読んでいないけど、なるほど漫画チックなストーリーですな。

外道高校は野球とは名ばかりで
グラウンドの中で合法的殺人を犯すチーム。
審判も怖くて外道高校の言いなり。

対戦相手は
体中にバットを突き刺されたり、
爆弾で吹っ飛ばされたり、
生首串刺しにされたり。

対戦相手がそんな外道高校と知った星道学園校長は絶望するが、
1人の転校生が現われ番長グループを全員やっつけてしまう。
彼の名は野球十兵衛!
十兵衛に野球の素質を見出した校長は
外道高校を倒すため野球部に勧誘する・・・

実は十兵衛にはスゴイ球を投げて
父親を殺してしまったという過去があったのだ。

で、この殺された父親役に蛭子能収。
これが良くハマッたキャスティング!
登場シーンはあまり多くはないのが残念。
しかし、それくらいでちょうどいいのかもしれないが・・・(笑)

こういった一風変ったテイストの作品は
『少林サッカー』『火山高』が比較対象として取上げられるが、
残念ながら本作品は作品の出来からいえば
『少林サッカー』には及ばない。
馬鹿げていてマンガちっく(たしかに原作が漫画だが)だが、
混沌として話があらぬ方向へと向かっていく。
マンガだったら、その辺のシュールさが面白いのかもしれないが。

正直言って、漫画は面白そうだなと感じた。
マンガの方が、荒唐無稽な世界に違和感を覚えず
どっぷりハマれそうな感じ。

『火山高』もそうだったけど、やりすぎはかえって興ざめしてしまう。
そう考えると『少林サッカー』は
良く出来たエンターテイメントである。
『少林・・』以降様々な作品が作られたが、
『少林・・』は別格なんだなぁ・・・。
荒唐無稽さが目につくが、実はしっかりと構成された作品だったと
改めて認識した。

『地獄甲子園』、原作と比べてどうこうとは
原作を読んでいない蛍風には分からないが、
本作品を観て、原作の方が面白そうと感じた作品。
2003年・日

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自衛隊の協力のもと、海上自衛隊の装備・訓練を紹介する・・・
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シリーズものなので航空自衛隊も観ることに。

しかし本作品はシリーズの3巻目にあたるのだが
陸・海に比べてシリーズの中では1番の回転率。
ん〜、シリーズだからといってすべてを順番に観るのではなく
飛行機ファンが多いってことかしらん?

戦闘機だけでなく地対空ミサイルなども紹介。
ペトリオットミサイル、日本にも配備されているらしいが
国内に練習場がなく、わざわざアメリカまで行って演習。
・・・そんなんで、いざって時に大丈夫なのかしらん?

パイロット達の地上でのイメージトレーニングも紹介。
夕方、裏庭みたいなところで、
操縦席の窓枠みたいなのを持って、列をなしてイメージトレーニング。
こういうシーンは初めて観た。

パイロット達は毎日訓練飛行して技術を磨く。
毎日飛行しなければ、上達しないとか。
それなのに、どこかの国では燃料不足でエリートパイロットといえど
めったに飛行訓練できないってのは
攻められて来た時に、別の意味で危険なような・・・。


ブルーインパルスは、ショーのための専属の独立した隊らしい。
てっきり、各隊のすご腕パイロットをショーのたびに
集めていたと思ってた・・・。
ものすごいスピードで美しく列をなして飛ぶのは
やはり常に訓練しないとダメなんだろうな・・・。

戦闘機の飛ぶ姿、コックピット内の映像を見ると
アニメの『エリア88』みたいだ。
まぁ、確か『エリア・・』も自衛隊が協力してたようだから
当然といえば当然なのだが。

シリーズ3作を観終わると、同じ日本の自衛隊なのに
作品としては、随分違う印象を受ける。

陸上自衛隊は、なんていうか地味。
入隊動機も、衣食住生活が保障されているからと答えているし・・・。
気軽に皆さんも入隊してネ、訴えているようだ。
考えてみれば敵が攻めて来たとき、
1番最後に出て行くのが歩兵だよね。
あたま数って感じがする・・・。
それにしても、作品を観る限り、
陸上自衛隊にもうちょっと予算つぎこんでやれよと同情したくなる。

海上自衛隊は、集団競技、チームワークの印象。
陸を離れれば、頼れるのは仲間だもんね。
船内の限られた空間の中で、
いかに己を捨て集団のために働けるかということだろう。

それと対称的なのが航空自衛隊。
己の腕一つでアクシデントに対処できる冷静さ。
戦闘機乗りはエリートって感じがする。
しかも陸・海・空の隊員の装備紹介で
航空自衛隊のモデルが1番カッコイイ。
航空自衛隊にカッコイイ人が多いのか、
航空自衛隊が気合いをいれて、
ルックスの良い人間をモデルにしたのか、
真相は分からないケド。

個人的には海上自衛隊が1番面白かったかな。
カレーもおいしそうだったし・・・(笑)
2003年・日

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自衛隊の協力のもと、海上自衛隊の装備・訓練を紹介する・・・
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陸上自衛隊はピンとこなかったけど
シリーズものなので、とりあえず海上自衛隊も観ることに・・・。

いや、これが陸上自衛隊と同じシリーズかと驚くほど
本作品は面白い。

護衛艦や潜水艦を紹介。
以前何かの本で読んだが、
輸送艦や護衛艦はそれぞれ決まったテーマで名付けられるとか。
○○艦は波の名前、××艦は山の名前など。
だから、ちょっと聞いただけでは似たような名前ばかり。
逆にいえば、名前を聞いただけで何艦か分かるのだろうケド。

陸を離れれば隊員は運命共同体なのか、
1人1人が自分の仕事をし、
それが艦全体の統制のとれた働きとなる。
自立心、自制心、そんな言葉を思い浮かべる。

潜水艦の全貌、最新艇の詳しいことは紹介されていない。
ちょっと残念だが、軍事機密なら仕方ない。

海軍当時からの伝統で毎週あるカレーの日。
このカレーが大盛りでやたらと美味しそうに見える。

なんかムショーにカレーが食べたくなっちゃった・・・。
2003年・日

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自衛隊の協力のもと、陸上自衛隊の武器、装備、訓練を紹介。
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気軽に観るものはないかなぁ〜と探していて
収録時間50分ということで選んだ作品。

いや〜・・・
でも〜・・・
50分がとてつもなく長く感じてしまった。

陸上自衛隊は内閣総理大臣を頭に防衛庁長官、
その下になんたらかんたらの組織に分かれ〜・・・
北海道に北部方面隊があり〜・・・

そんな説明が地味に続く・・・。

第なんとか師団は北から1,2、ではなく
「ここには第7師団と11師団が〜」と順番通りではない。
ハテ?どうしてそうなったのかしらん・・・?

自衛隊の装備を、ジープみたいな車から戦車まで紹介。

戦車の紹介で「74式戦車」とあってビックリ。
1974年型の戦車ってことでしょ?
ベトナム戦争頃の戦車を配備してるんだ・・・。
もちろんすべて74式戦車なわけではなく
新しい型の戦車も紹介されている。

戦車のボディはゆるやかな局面をしているそうな。
それは敵の弾をはじくためだとか・・・。ナルホド。

そんな感じで装備を説明してくれるのだが、
「コンバットタイヤ」とか「榴弾砲」とか
聞いたことのない言葉が多く、なんのことやらチンプンカンプン。
そういうことは知ってて当たり前のような作り。

シンプルで地味な作り。
ミリタリー関係に興味のある人がみれば
また違った感想になるであろうが・・・。
2003年・日
監督/OZAWA
出演/塩谷 智司

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冥府魔道で耳なし芳一が闇武者となり
魔物を倒し成仏させる・・・
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この作品は画像がないのね・・・。ちょっと残念。

監督はOZAWAこと俳優の小沢仁志。

ストーリーは闇武者となった耳なし芳一が
冥府魔道でさまよえる魔物を戦い倒して成仏させるというもの。

芳一が戦う相手は、
宮本武蔵、佐々木小次郎、弁慶、牛若丸、
沖田総司、ビリー・ザ・キッド、
子連れ狼の拝一刀、子供の大五郎ならぬ小五郎(笑)

この時点でなんだかもぅ・・である(笑)

思いを成就できず他界した者たちが
冥府魔道の世界でも、その思いを遂げようとさまよっている。

武蔵に破れた小次郎は数百年たっても巌流島で待機し、
沖田総司は、冥府魔道の世界で
「夜明け」をもたらそうとしている。
それを芳一が剣で倒していくんですね・・・。

大五郎いや小五郎は、奇怪な金太郎のようである。
そしてお馴染みの木製の乳母車にのって登場。
この乳母車には機関銃が仕込んであり、バリバリと発砲。

ビリー・ザ・キッドは、まんま日光ウェスタン村のウェスタンショー。
しかも、あの舞台(広場?)での撮影。
高い搭から人が撃ち落されるところまでソックリだ。
江戸村でロケしたら、まんま忍者ショーだったんじゃないか?(笑)

監督はOZAWAだが、麿赤兒が出演しているせいか
麿赤兒色が強い。
白塗りに、赤のアクセント・・・。
大駱駝艦の舞台を観ているようだ。

魔物のほとんどが、誰が誰やら素顔が分からぬ特殊メイク。

アクションの連続で、
のびのびと自由気ままにやりたいことをやった、
そんな印象をうけた作品。
1980年・日
監督/舛田 利雄
出演/あおい 輝彦
   仲代 達矢

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近代化を目指す日本は、南下政策をとるロシアと対立することに。
そして二百三高地を巡る激しい攻防がきっておとされた・・・
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乃木希典に仲代達矢。
伊藤博文に森繁久弥。
明治天皇に三船敏郎。
児玉源太郎に丹波哲郎。
あおい輝彦は、トルストイを愛する青年将校小賀武志役。

その他オールスターってな感じで有名どころが多数出演。
・・・多数出演しているが、みなチラッとしか出番がないため、
登場人物の多さに頭がストーリーについていけない(笑)

本作品を観ても、物資の少ない日本が
世界最強といわれたロシア軍に勝てたのか分からない。
物資が不足し、銃弾がなくなった日本兵は石を投げて戦う!
銃相手に石だよ!

今だったらすぐに降伏して捕虜になるんじゃないか?

物資が乏しい分だけ、昔の日本人は精神力が強かったんだなぁ・・・。
武器ではなく、兵隊が、日本人が強かったんだ・・・。

激戦のシーンを描いてはいるが、肝心なところは
地図とナレーションで語られるため、
あっさりと過ぎてしまう感じがする。

膠着する戦局を打開するため、乃木をサポートする形で
途中から児玉源太郎が指揮をとる。
児玉という人は天才と言われた人物で、早過ぎる死に、
彼がもっと生きていたら
日本の歴史は違ったものになっていただろうと言われる人だが、
彼を演じているのが、丹波哲郎のせいか
横からしゃしゃりでてきたイメージが・・・(笑)

明治天皇演じるは世界のミフネ。
品があってGOODな演技。

第1部と第2部に分かれているような構成なのだが、
第1部の終わり、いきなり画面がさだまさしが歌う主題歌の
「防人の歌」の詩がずらずらと画面に。

休憩しろってことか?

なんだかビックリしてしまった(笑)

『桃太郎 海の神兵』に比べると、おセンチな部分が目につく。
本作品は公開当時戦争を美化していると否定的な意見があったが、
『桃太郎・・』を観た後では、美化しているとは感じない。
まあ『桃太郎・・』が特殊な作品なのだが・・・。
2000年・日
監督/藤田 芳康
出演/ぜんじろう
   剣太郎セガール

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実家の葬儀屋のバイトをしながら
人気漫才師を目指す兄弟タツオとイクオ。
今日もストリップ劇場で舞台に立ち、ネタも客層に合わせて下ネタ。
しかしやっぱり野次ばかり。
そんな時、有沢と名乗る男が声をかけてきた。
「TVに出ないか?」
そしてタツオとイクオの生活は変化しはじめていくのだった・・・
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せっかくのTV出演でも放送禁止用語連発でピーピー音だらけ。
それからタツオとイクオは「ピーピー兄弟」と呼ばれ人気者になる。

弟タツオを演じるはスティーブン・セガールのせがれ
剣太郎セガール!
長身の二枚目で、32cmの「お宝」を股にぶら下げている設定。
そのルックスと「お宝」を武器に次々と女をひっかけ、
兄のイクオはそれを「実録漫才」としてネタを書き、
放送禁止用語連発で2人は人気コンビとなる。

人気が上がるにつれ、すれ違うタツオとイクオの心。

自分達がやりたいことはこれだったのか?
視聴率アップのためにはもっと過激に!

2人の亀裂はイクオの婚約者文江のことで決定的になる。

作品のタイトルと冒頭の葬儀屋の仕事で、
これはお笑い系ね!と思ったのだが、
自分を見失った2人の心の葛藤と亀裂、そして再生を描いた
「ホロ苦く、切ない青春ストーリー」であった。

脇を固めるキャストが味わ深い。
寡黙な父親に岸辺一徳。
ひょうひょうとしながらもしたたかな母親・田中裕子。
文江役のみれいゆも、女心の哀しみと献身的な愛をみせてくれる。

そんな中で蛍風が驚いたのはキダ・タローが出演していたこと。
特徴ある風貌なのですぐにキダ・タローだと分かるのだが、
キダ・タローが映画に出演なんてピンとこなくて、
「本物?本物かしら・・・?」なんて疑ってしまった(笑)

下ネタを扱い放送禁止用語大放出のため、R−15指定。
キャッチーなタイトルとビデオ界のスター・セガールのせがれ出演だが
中身は切なくほろ苦い青春モノ。
なかなかにGOODな作品。
2003年・日
監督/篠田 正浩
出演/イアン・グレン
   本木 雅弘

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新聞記者の尾崎秀実は、赴任先の上海で共産主義者の男と出会う。
彼の名はゾルゲ。
ゾルゲは日本がソ連に侵攻するか探るため
日本にやってくる・・・
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豪華キャストによる182分の超大作。
意気込みは分かるのだが・・・。

昭和の大事件だから、史実を踏まえて描きたい気持ちは分かる。
しかし、こまぎれの映像が延々と続く。
映画というより、教科書の字面を追っているような感覚すらおぼえる。

尾崎秀実の話かしらと思えば、ゾルゲの話題になり、
ゾルゲの話かと思えば、軍部と内閣の対立、近衛内閣の困惑と
めまぐるしく物語が行ったり来たりする。

小雪扮する山崎淑子の結婚シーンなど、
別に会話で済ませてもいいものを、「しっかり」と映像でみせる。
まぁ、小雪ちゃんカワイイから良いけどね・・・。

「豪華キャスト」「超大作」、これが曲者だな。
役者の顔見せるために、シーンを作ったような印象をうける。
「えっ?この人の出番はこれだけ?」なんてことがザラである。

そんな中で、近衛夫人役の岩下志麻の存在感は、アッパレである。
彼女が画面に登場するやいなや緊張感がみなぎる。
志麻姐さん、メインで作ったほうが良かったんじゃない?
ワンシーンだけの出演なんてもったいないよ・・・。

ラストの音楽がイマイチ。
なぜ「あの曲」を、この作品のラストで使わねばならないのだろう?
確かに良い曲ではあるが、シックリこない。

作り手の暴走した熱意を、無理やり見せられた気分になる。

「ドラマ」色が薄い。そして長い。
ドキュメンタリーのほうが面白いかも・・・。
2003年・日
監督/平山 秀幸
出演/窪塚 洋介
   佐藤 浩市

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島原の乱をおこし、無念の死をとげた天草四郎。
時が経ち、世は徳川家光の時代。
徳川頼宣の前に、死んだはずの天草四郎が現われ、
天下を取る手助けをすると言い・・・
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ジュリーが天草四郎を演じたオリジナルは
子供の頃TVで観た。
TVなのでカットされた部分があったかもしれないので
「完全」に観た、とは言いきれない。

しかし、子供心にジュリーの熱演に強い印象をうけた作品。

本作品では、ジュリーの演じた天草四郎を窪塚クンが演じているのだが、
どうもジュリーの印象が強いせいかピンとこない。

ジュリー天草は、妖艶な、妖しげな魅力で
「魔界の人間」という言葉がピッタリであった。
そして徳川への憎しみが、復讐が、あふれていた。
立っているだけでスターのオーラが感じられた。

それに対し窪塚天草は、妖しげなところなど微塵もなく、
少年のままのような天草。
加えて窪塚クンの個性(?)である、どの作品も同じ窪塚のままである。
『IWGP』にしろ『凶気の桜』にしろ本作品にしろ、
台詞の言いまわしがすべて同じ。
それが「偉大なる個性」でもあるのだが・・・。

『魔界転生』って、こんなにつまんないお話だったけ?

ジュリー版はほとんど覚えていないが、
ワクワクドキドキした記憶がある。

ラストはこんな感じだったっけ?

ジュリー版は、スポ〜ンと斬られたジュリーの首が
くるくる回って、にたぁ〜と笑いながら飛んで行ったと思うんだケド。
・・・これは本当かどうか覚えていないけど。
子供心に怖かった(笑)

女体を突き破っての転生シーンは、技術の進歩で前作よりスゴイ。
しかし、作品全体としては魅力不足である。

ジュリー版をもう一度観てみようかな・・・。
1973年・日
監督/吉田 喜重
出演/三國 連太郎

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昭和11年、北一輝の思想に同調した青年将校達が
革命をおこすべく、立ちあがる。
その時、北一輝は・・・
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北一輝役に三國連太郎。
顔はメイクで北一輝に似ているとみえるシーンもあるのだが、
教科書で見た北一輝に比べると、大柄な印象が・・・。

この頃の三國連太郎は、北一輝よりも佐藤浩市に似ている。
・・・って逆じゃないか?!(笑)

現在の息子の佐藤浩市が、三國連太郎の若い頃にソックリなんだけど、
三國連太郎の若い頃は、記憶が薄れて、
今じゃ佐藤浩市に似ているって思っちゃうんだよなぁ〜・・・

北一輝を巡る2.26事件のお話だが、
蛍風のふる〜い記憶では(笑)、
北一輝は事件のとばっちりで処刑された印象が。

いや・・・なにせふる〜い記憶なので、あやふや。

本作品では、北は「とばっちり」ではなく、
2・26事件そのものが、
北を処刑するために初めから仕組まれていたとするもの。

う〜ん、こういうことはホントかどうか蛍風にゃ分かりません。

本作品の北一輝は、革命そのものよりも
持論の国家改造論(だっけ?勉強したのが昔なので忘れたちゃった)が、
現実になることで、正当性をおびることのほうに
重きを置いているような感じ。

面白いか、面白くないかというより
「ふ〜ん」という感想の作品。
2002年・日
監督/長澤 雅彦
出演/反町 隆史
   山崎 努

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障害致死罪で服役していた三上純一は、
仮出所して実家にいた。
そこへ服役していた刑務所の刑務官・南郷から
ある死刑囚の冤罪を晴らす調査の助手をして欲しいと頼まれ・・・
============================================

三上純一役に反町隆史。
内向的で心に傷を抱えている純一を静かに演じる。
彼を見守る南郷役に山崎努。
いやはやさすが山崎努、といった渋い演技である。

ストーリーは冤罪を晴らすため事件を調査していくと
意外な事実が待ちうけていた・・・というもの。

それなりに緊張感があり、サスペンスミステリーとして
合格点ではあるが、
どこか「キレイごと」的な印象を受けた。
被害者より加害者の人権にたった描き方というか・・・。

刑務所、山崎努とくれば
『刑務所の中』のほうが、蛍風好み。

本作品は40代以上を中心にレンタルされている。
確かに、その年代が好きそうな作品である。
2002年・日
監督/崔 洋一
出演/山崎 努

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ガンマニアの趣味が高じて3年の実刑判決を受けたハナワ。
雑居房で、他の囚人4人と刑務所暮しをするが、
想像とは違う世界だった・・・
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漫画を映画化した作品。

原作を読んだことがないので、比較はできないが
とにかく面白い、笑える。
その笑いの質も、鼻でフッと笑うものから爆笑まで、
幅の広い笑い。

一流ブランド大好きのお坊ちゃま受刑者や、看守にゴマスリ受刑者、
様々な囚人達と、滑稽なほど厳格に定められた規則の中で
獄中生活を送るハナワ。

ハナワ役の山崎努が絶妙の間で、笑いを誘う。

ハリウッドの獄中モノと違い、脱走や乱闘などない。
もちろん看守によるイジメや「カマ掘り」もない。

それどころか、何にも起きないのだ(笑)

それで、ほのぼのと笑えるのだから、
これはスゴイことだ、あらビックリだ。
ひとえに山崎努の演技のたまものであろう。

獄中モノでありながら、ほのぼのと癒される不思議な作品。
1975年・日
監督/鈴木 則文
出演/菅原 文太
   愛川 欣也

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長距離トラック運転手・星桃次郎。
トラック仲間からは「一番星」と呼ばれる名物男。
食堂で働く謎めいた美女・洋子に一目ぼれ。
一番星の恋はどうなるのか?!
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主役の一番星こと星桃次郎に天下の菅原文太!
相棒の「やもめのジョナサン」に愛川欣也!

長距離トラッカーにはそれぞれあだ名がついていて
「関門のドラゴン」とか「モナリザのお京」など
シビレちゃいそうなネーミングがずらり(笑)

当時、曲がヒットしていたダウンタウン・ブギウギバンドのメンバーが
ガソリンスタンドの店員で出演。
当然、衣装は「つなぎ」である(笑)
懐かしくて懐かしくて、思わず叫び声をあげてしまった蛍風(笑)

この作品の文ちゃんは、血の気は多いが人情に厚い。
直情型で純情な一番星・桃次郎をコミカルに熱演。

ものすごいスピードでトラックを走らせる文ちゃん。
一般道だろうがけもの道だろうが、ひるまず走る文ちゃん。

当然警察に「そこのトラック止まりなさい〜!」と言われるも
「こちとら急いでるんじゃ、御意見無用!」と言う文ちゃん。

・・・文ちゃん、それは「御意見」じゃなくて「命令」じゃないの?(笑)

コミカルで痛快、人情にホロリとさせる場面もある。
さすが文ちゃん!そんな作品。
2002年・日
監督/清水 崇
出演/奥菜 恵

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ボランティアで老人介護をしている女子大生の理佳。
老人の様子をみにいった一軒家は、薄気味悪い雰囲気だった。
その家に関わる者は不吉な出来事に襲われていたのだ・・・
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ジャパニーズ・ホラーは怖いから苦手な蛍風(笑)
しかし、話題になって高回転の作品だし、
なにより「劇場版」ということで、
オリジナルよりは描写がマイルドになっているであろうと思って
観ることに。

怖いかどうかは別として、なかなか凝った展開。
小さなエピソードを積み重ね、それぞれがリンクしている。

怖がらせかたも、
「こんな時に、こんなところで出てきたら怖いだろうな」と
誰もがフト思うことをやっている。
短い恐怖の積み重ねだが、しっかりとまとまっていて
洗練された印象をうける。

この監督、脚本も担当しているそうで、
犯罪サスペンスを撮らせたらスゴイものが出来るのでは?

洋画ホラーのような「善VS悪」「神VS悪魔」
あるいは「ヒロインVS邪悪なモノ」の対立公式ではなく
登場人物たちは、なす術もなく「ソレ」に襲われるという
救いのないストーリーである。

細かな設定が漠然としているのは、
オリジナルを観たことが前提なのであろうか?
オリジナルを観ていない蛍風には、ちょっと分からない部分があった。

ハリウッドで、この清水崇監督によるリメイクが決定しているとか。
ビデオ化されれば、高回転が望めそうな作品になるであろう。

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