2002年・日
監督/真島 理一郎

=====================
2007年トリノ大会で
スキージャンプ・ペアが正式種目となり、
その競技の中継、各国の選手の活躍を描く・・・?
=================================

架空競技「スキージャンプ・ラージヒル・ペア」。
CGといかにもなナレーション(笑)で綴られる本作品。

実際の中継のように淡々と進むが
やってることは爆笑の渦。

ありえないー!と叫びながら大笑いの連続。
CGだからこそ可能な世界。
その卓越したユーモアセンス!

通常なら「収録時間30分」は、
お金を払ってレンタルするにはちょっと損した気分になるらしい。

しかし、こういう作品はこのぐらいの時間が丁度良い。
長すぎてもダラけてしまう危険性があるからだ。

淡々と進みながらも、ツボをおさえた笑い。
お見事デス。
2002年・日
監督/河水 昇悟
声優/加藤 奈々絵

======================
あひるはいつも悲しげな顔をしている
みゅうとが気になっていました。
みゅうとの笑顔がみたい、
そのためならどんなことだってする!
そんなあひるの願いを聞いた
謎の人物ドロッセルマイヤーさんによって
あひるは女の子に変身し、
さらにプリンセス・チュチュとなって
王子・みゅうとの失われた心のカケラを
集める手伝いをするのです・・・
=================================

総監督は『新白雪姫伝説 プリーティア』の佐藤順一。

バレエをモチーフにしているだけあって、
登場人物が「闘い」のシーンでは
それはそれは優雅にバレエ歩きをみせてくれる(笑)

ふわ〜んとジャンプし、クルクルまわり
「私と踊りましょう」と
踊り(バレエ)で戦うプリンセス・チュチュ
そしてチュチュにはスポットライトが!


いやぁ〜、こういうの初めて観たよ・・・
しかもナレーションが岸田今日子だし・・・(笑)。
ヒロインアニメもここまできたか?!
それともネタ切れか?

あまりのことに呆気にとられてしまうのだが、
回が進むにつれ、その独創的な世界にどっぷりとハマってしまう。


ストーリーもくるみ割り人形や白鳥の湖などの
バレエ戯曲(?)が盛りこまれている。
残念ながらバレエにあまり詳しくない蛍風だが
バレエに知識のある人なら、もっともっと楽しめるのだろう。

チュチュの踊るバレエは、
バレエの決まり事をちゃんとふまえているんだそうな。
「私と踊りましょう」の手の動きは
セリフのないバレエでは、ちゃんとそういう意味の動きなんだとか。
初めからバレエの動きの持つ意味をちゃんと知っていれば
もっともっと理解できたんだろうけど・・・。

華やかなバレエ音楽をバックに軽やかに踊る登場人物たち。
そのお上品な世界に、
もしも子供だったら絶対バレエを習いたいって思うだろうな。

加えてストーリーも良し。
1羽のアヒルが魔法によって人間の女の子・あひると変身し、
さらに王子の心のかけらを取り戻すときには
プリンセス・チュチへと変身する2段階変身。
しかし、それはちっとも複雑ではなく
すんなりと受け入れられるのは良く出来た脚本なのであろう。

そして何よりもラスト、
心のカケラをとりもどした
「みゅうと」と「あひる」の関係がGOOD。
王子は王子、あひるはあひる、プリンセスはプリンセス、
すべてが各々の役割にハマるラスト。
これは好感が持てた。

初めはあまりの独創的な世界にビビってしまうが、
観始めたら、やめられない、止まらない。


バレエっていいわ〜、おとぎばなしっていいわ〜
素敵だわ〜、華麗だわ〜猫先生素敵だわ〜

夢中になりました。面白かったデス。
今度バレエでも観に行こうかな・・・。
2003年・日
監督/高松 信司
声優/ラサール石井

======================
亀有にUFO目撃騒動が起こり、
それに目をつけた両さんは、
金儲けのチャンスとばかりに
荒川の土手にミステリーサークルを作り上げ、
土産物を売りさばく。
そんな時、派出所の慰安旅行で
ハワイに行くことになったが
両さんは日頃の行ないが悪いので留守番に。
しかしあきらめきれない両さんは・・・
=================================

亀有にUFOが出現し、竜巻が接近する!(笑)
いや〜、なんでもアリの面白さ。
ミステリーサークルの見物客が
「伊勢屋」のノボリを持っていたのに爆笑。

伊勢屋さんは、両さんの顔が焼印された
「どらやき」や「サブレー」を売っている亀有のお店。
地元の人々は土産もの的な両さんどら焼きよりも、
昔からあるお団子のほうをよく食べるようだ。
(ちなみに、お団子には両さんの焼印はありません)

「こち亀」はホント連載長いなぁ〜。
蛍風が子供の頃から連載しているもの。
アニメになった当初は、
ラサール石井の声は「ん?」って感じだったが
今じゃ立派に両さんの声だ!

実はこの劇場版、
「映画だから特殊刑事はもちろん出てるだろう」と期待したのだが
彼等の出番は最後の屋形船のシーンのみ。

う〜ん、月光刑事、ビーナス刑事、ドルフィン刑事の活躍が
見たかった〜!!!

まあ、お目当ての特殊デカの活躍は無かったものの、
予想通りの面白さ。
頭カラッポにしておおいに笑わせていただきました(笑)
2003年・米
監督/アンドリュー・スタントン
声優/木梨 憲武
   室井 滋

======================
カクレクマノミのニモは右のヒレが小さい。
そのため上手く泳げないと心配する父マリーン。
そんな心配性の父に反抗したニモは
ダイバーに捕まってしまう。
そしてニモを探す旅にでたマーリンだった・・・
================================

評判通りの美しい映像。
夕陽がきらめく水面や、ゆらゆら動くイソギンチャク。
あまりの美しさに水中にいる気分になるほどのリアルさ。。

しかしそこまでしてアニメにこだわらなくても
実写でもいいのではとも思ってしまう(笑)


キャラクター達はとても個性あふれ、輝いている。
特ににぎやかで忘れんぼさんのドリー!
室井滋が声をアテているのだが、これがもう素晴らしい!!!

ストーリーも単に子供向けで終わらせることなく
子育てに悩む(あるいは悩むであろう)大人達にも
子供を信じるんだ、といメッセージが盛りこまれており
父親マーリンも息子のニモも共に成長するストーリーはGOOD。

まさしく大人も子供も楽しめる作品
2003年・日
監督/今 敏
声優/江守 徹
   梅垣 義明

======================
クリスマスの夜3人のホームレスがゴミの中から
赤ん坊を見つけた。
オカマのハナに押しきられる形で元競輪選手らしいギンちゃんと
家出娘のミユキはしぶしぶ赤ん坊の親を探すことにする・・・
================================

リアルでありながら幻想的に美しい街並み。
そこでひっそりと、そしてたくましく生きるホームレスの3人。

その気になればいつでも帰れるという家出娘ミユキ。
優しいオカマのハナ。
頑固だけど頼りになるギンちゃん。

擬似家族のような3人の前に突如現われた赤ん坊。
ハナは天使のようなこの赤ん坊に
「清子(きよこ)」と(勝手に)名付け3人で親を探すことにする。

その過程でちょっとした偶然や過去との再会が
奇跡の幸運へと紡がれていく。
「清子」は人生の大きな転機の道案内となる。

はじめはドタバタと笑いが、3人の過去があらわになるにつれ
次第にしんみりとドラマチックなラストへと展開する。
この辺の笑いとシリアスのバランスがとてもGOOD。

キャラも『コルトマルテーズ』とは違い、
表情が豊かで感情移入がしやすい。
リアルだが美しい街並み同様に、
実写だったら、ある程度限界があるであろうホームレスを
表情豊かに生き生きと描けたのはアニメならではでなかろうか?

いつもは声優ではない芸能人が声をアテて
違和感を覚えることが多いのだが、
本作品のギンちゃん役・江守徹、
ハナ役・梅垣義明、
ミユキ役・岡本綾は最高!
この3人以外には考えられないようなハマリ役である。

やっぱりアニメは日本製が1番だなぁ〜・・・。
2002年・仏/伊/ルクセンブルク
監督/パスカル・モレリ
声優/リチャール・ベリ

======================
1919年、世界の列強が次々とアジアに
触手をのばしてきた頃。
冒険家コルト・マルテーズはある組織と手を組み
ロシア皇帝の財宝を積んだ列車を襲うことに・・・
================================

フランスで大ヒットしたアニメ。

う、う〜ん・・・。
動きが固い。
表情が乏しい。
加えて中国人の顔が『ムーラン』のような
いかにも白人が描いたアジア人の顔。

それが近代史をモチーフに哲学的言いまわしで語られるから
観ていてシンドイ・・・。

例えば警察で尋問されているシーン
「彼にあったのは偶然かね?」
「おそらく必然でしょう」

?????

偶然かどうか聞いているのに
それじゃ答えになってないんじゃないか?
しかもそれで納得する警察側(笑)

そんな感じが延々と続く。
90分ちょっとの作品なのに
3時間くらい観たかと思うほど、頭が疲れた。

ルパン3世とジェームズ・ボンドを足したような
キャラクターらしいが、どこがルパン3世?どこがボンド?
『007』は苦手なのでボンドのほうは分からないが
ルパン3世にはカスリもしないような・・・。
個人的には「夢見るニヒルなボンド(もどき)」って印象。

本当にフランスでヒットしたの?
フランス人はアニメでもこういう哲学的説明が好きなの?
大人が観るアニメは他にないの?

かなり疲れました・・・。
1998年・仏
監督/ミッシェル・オスロ
声の出演/浅野 温子

======================
母親のお腹から自分の力で生まれてきたキリク。
キリクの村は悪い魔女カラバが支配し、
男達はカラバの食べられていた。
利発なキリクは思った、
「どうして魔女は意地悪なの?」・・・
================================

おふらんすのアニメ。

アフリカが舞台のせいか、お国柄なのか、
20年ぐらい前のアニメを観ているような絵柄。

利発なキリクが、知恵と勇気で魔女カラバから村人を守り
なぜ魔女は意地悪なのか真相を探りに、
果敢にも魔女の住みかに忍びこむ。

・・・どうなんだろ?
今のポケモンとかクレしんを観ている日本の子供達に、
この絵柄が受け入れられるのだろうか?

とはいえ、利発なキリクが大人でも怯える魔女に
勇気を持って、機転をきかせて挑むおハナシは
子供は夢中になれるかもしれない。

しかし哲学的でおゲージツといった作りは
娯楽要素に慣れた日本の子供には、ややツライかもしれない。

とするならば、これは大人向きのアニメなのだろうか?
ん〜・・でも蛍風個人的には、あまり好きじゃないなぁ。

魔女カラバの浅野温子がGOOD!
声優以外の吹き替えは好きではないが、
カラバの声は浅野温子しか考えられないようなハマリ具合。

舞台がアフリカだが、フランスから見たアフリカの世界。
観念的で哲学的。
ワクワクドキドキというより、「むむぅ〜」と考えこんでしまう作品。
2002年・米
監督/ジョン・マスカー
   ロン・クレメンツ
声優/加藤晴彦

================================================
幼い頃に父が家を出ていったことが、
心の傷となっている少年ジム。
そんな彼が、何者かに襲われて不時着した宇宙船から
助け出した男から伝説の星、トレジャー・プラネットの地図を
託された・・・
================================================

「宝島」をディズニーがSFに脚色した作品。

「宝島」といえば、子供の頃アニメで観た時の印象が強烈だ。
歌も覚えている。

♪さ〜あ い〜こう、みんなまだ知らない〜

ジムは極太の毛糸のような髪で、
シルバー船長は太い眉とこれまた太いもみ上げで
むっちりした太ももをしていた。
子供心に、その男くさいシルバーの風貌に、
危険な魅力を感じたものだ(笑)

ところが本作品のシルバーは、
危険な魅力とは無縁のルックスでガッカリ。
おまけにサイボーグになっていて、手がナイフをはじめ、
様々なものに変化する。
おもちゃ箱のような手。マジックハンド(笑)
これが、おこちゃまにはたまらないのだろうなぁ〜。

蛍風にはガッカリなシルバーかと思いきや、
ストーリーが進むにつれ、「いとおしいオヤジ」に思えてくる。
若山弦蔵の声が素晴らしい。

原作を大胆にSFにアレンジしたことで、
「空飛ぶスケボー」やブラック・ホール等、
見せ場がふんだんに盛りこまれ、
原作を知っていても、
ビミョーに先がよめない展開に仕上がっている。

ディズニーお得意の歌と踊りがないものの、
子供を決して飽きさせない展開。
大人も子供も一緒に楽しめそうな作品。
1945年・日
監督/瀬星 光世

============================================
司令官桃太郎は、南方の島「鬼が島」を落下傘部隊を率いて
見事に制圧する・・・
============================================

戦争末期、陸軍省の依頼で作られたアニメーション。

のどかな田園風景の田舎に、猿、犬、雉達海軍兵が
里帰りするシーンから始まる。
サル太君とかワン吉君とか、かわいらしいお名前で、
子供達は日の丸の腹掛けをしている。
小川はさらさらと流れ、水車が回り、花が咲き乱れている風景。
それは見事に美しくのどかな風景である。

郷里に帰ってきた兵隊さん達は、子供達のヒーローだ。

子供の1人が海軍の帽子をこっそりかぶり、
小川に姿を映して得意顔。
すると突然、風が吹いて帽子が川に・・・。
帽子をひろわなくちゃ、と川に飛びこむも帽子共々流されてしまう。
それを知った兵隊さんたちは、日頃の訓練成果を見せるがごとく
勇敢に、そして機知で子供を助ける。

わぁ〜兵隊さんはカッコイイな〜

子供達は改めて憧れるのである。

そして舞台は南の島へ移る。

兵隊の兎や犬をはじめ、労働は楽しいな〜と歌い踊りながら
みんなで木を切り倒し基地を作っていく。

その後、現地の島民かと思われる象やワニなど
異国の動物に日本語を教えていく。
さすが当時作られたアニメ、公民化政策も描いている。
ちなみに歌で「あいうえお〜 かきくけこ〜」と教えるのだが、
作詞はサトウハチローらしい。

そしてここでやっと司令官桃太郎の登場である。
桃太郎司令官は、ちょんまげに陣羽織を着た
「そのまんま桃太郎」である。
特に軍隊らしい服装ではない。

そしていよいよ出撃。
落下傘部隊員は丁寧にパラシュートをたたみ、
お弁当は日の丸弁当!

あっという間に敵を倒した司令官桃太郎は
「降伏するのか?しないのか?」と詰め寄る。

これってマイク水野(笑)いや山下泰文の話じゃないか・・・

可愛らしい動物の兵隊さんだが、
戦闘機、船、兵器等がかなりリアルに描かれている。
大砲(?)を組みたてるシーンまできっちりとある。
それうさぎさんや、お猿さんがあやつるのだから・・・。
さすがお国の映画といったところか。

この作品、長いこと紛失されたと思われていた幻の作品。
確かにGHQに見つかったら焼却されそうな内容だ。
当時の国策映画なので、戦後生まれの蛍風は
これって・・やばいかも・・・と思ったりもするのだが、
当時はこれが当たり前であり、
子供にとって兵隊さんはヒーローだったのであろう。

この作品で驚いたのはストーリーやリアルな兵器描写だけではない。
歌と踊りが満載で流れるような滑らかな動きである。
モノクロで画質も音声も決して良好とはいえないが、
当時、物のない時代に、ディズニーに匹敵するほどの作品が
この日本で作られていたことに驚きを隠せない。

いろいろな事を考えさせられた作品。
2002年・米
監督/クリス・サンダース
声優/山下 夏生
   山寺 宏一

============================================
ハワイのカウアイ島に姉と2人で暮すリロは
友達がいなく、いつも淋しい思いをしていた。
ある日流れ星をみつけ、リロは友達が欲しいと願う。
実はその流れ星は宇宙を追放中に逃亡した
凶悪モンスター・626号だった・・・
============================================

5歳の少女リロ。
はっきりいって、あまりかわいいキャラではないのだが、
さすがディズニー、動くとカワイイ。
とくにフラダンスをするリロは、とてもなめらかで
かわいらしい動きをする。

淋しさからか、他の子に乱暴するリロ。
唯一の肉親の姉には悪態をつく始末。

そんなリロが出会ったのは、凶悪モンスターとして
宇宙を追放になった626号だった。
626号は、本能的に物を破壊するよう作られたのだった。

リロは626号をスティッチと名付け、可愛がる。
そしてスティッチも、リロと接するうちに変化を見せ・・・

子供と動物(モンスター)のお話から察するように、
子供向けの作品。
複雑なことはなく、時間も短めである。
要所要所に、子供を飽きさせないようなシーンが盛りこまれている。
ん〜、ただ、大人が観るには、ストーリー的にもう少し深みが欲しい。

例えば、リロがスティッチだけでなく、
同年代の少女達とも仲良く遊ぶシーンがあっても良かったと思う。
肉親と宇宙人(?)だけでハッピーハッピーというより
社交性、社会性を盛りこんで欲しかったような・・・。

とはいえ、さすがディズニー。
毒のない、子供に安心して観せられる作品にしあがっている。
「安全パイ」といったところか・・・。
1974年・仏/伊
監督/チェザーレ・ペルフェット

============================================
バレンチノとバレンチナは恋人同士。
「本当の愛」を探して、2人は時空を超えた世界旅行へと出発する・・・
============================================

とにかくおしゃれなアニメ。

音楽は、あのエンニオ・モリコーネ。

70年代を象徴するかのような「イカす」スカート丈(笑)
「戦争反対、恋愛賛成」とら〜ぶあんどぴ〜すなメッセージ。

2人は「本当の愛」を探して諸国漫遊、いや世界旅行をする(笑)
その場面展開がとっても「オッシャレ〜」である。

時空を超えた二人の旅には、
イエス・キリストからエリザベス女王まで登場。
中にはこの人誰?と考え込むことがあり、勉強不足の自分に反省。

興味深いのが日本の描写。

それまでメルヘンチックな小鳥さんが、一転すずめになる。
ほぉ〜、さすがですな。
しかし、2人が日本で着る服装は中国っぽいんだな・・・。
日本に着物の裾は、スカートみたいに広がっていないんだけど。
それから日本人、みな同じスーツを着て顔がテレビのモニター。
しかも画面はNHK(笑)。

当時、高度経済成長でがむしゃらだった日本。
働き蜂と呼ばれるほど、個性がなく一丸となって頑張っていた日本。
苦笑するものの、当たらずも遠からずといった表現には脱帽である。

世界一周旅行どころか海外旅行もままならなかった当時の日本。
そんな時代に作られたこの作品は、擬似世界&時間旅行を体感。

音楽、進行、キャラ、どれもが「おっしゃれ〜」な作品。
2002年・日
監督/加瀬 充子
声優/石母田 史朗

============================================
北海道の小さな町に住むシュウジとちせ。
2人はまだ付き合い始めたばかりだった。
ある日、シュウジは札幌に出かけ、敵の空襲に遭う。
そこへ謎の物体が現われ、次々と敵を倒していった。
その謎の物体こそ、「最終兵器」となったちせだった・・・。
============================================

『最終兵器彼女』というタイトルと、ドジっこ「ちせ」ちゃんが、
なんと兵器に改造されて、最終兵器になるというお話にひかれて
見ることにした作品。
製作にGONZOが関わっていたことも大きな要因。

結論からいうと、想像していたような作品ではなかった。
人間兵器となった「ちせ」の闘いがメインで、
メカたっぷりかと思ってたんだけど・・・。

兵器となってしまったちせが、
普通の女子高生のように、シュウジと恋愛したい、でも私は兵器なの
ちせが好きなシュウジだが、
自分の力ではちせを救ってやれない、どうしたらいいんだべさ

そんな2人の恋愛のお話でした。

自分のことで精一杯で、大好きなシュウジにクラスメイトに戻ろうと
告げるちせ。
現実から逃げるように、人妻ふゆみと関係を持つシュウジ。

悩める若き恋人達ですな。

兵器となったちせの身体はどうなってるのかしら?
ちせの戦い方はどんなのかしら?
どこの国と戦ってるのかしら?

いろいろと疑問を感じるが、本作品では具体的には明かされていない。

もどかしい恋人達の行方、純愛のお話。
それでいてシュールなラストには驚かされる。

切なくなるほどの、若い二人の純愛ストーリー。
蛍風としては、もう少しメカが見たかった気もするが・・・。
2001年・日
監督/今 敏
声優/荘司 美代子
   小山 芙美

============================================
立花は映画会社・銀映の70周年記念として
当時一世を風靡した大女優・藤原千代子を取材する。
千代子は当時を振りかえり、誰にも話すことのなかった
当時の心情を告白する・・・
============================================

いろいろな映画祭で賞を受賞した作品らしい。

とにかく絵がきれい。
キャラも良い。

一世を風靡した大女優・藤原千代子の恋心を
彼女が出演した作品とリンクさせて語られる。
その展開は、アニメというより舞台を観ているようである。
一筋縄ではなく、「おゲージツ作品」といったテイストである。

千代子の一途な「思い」が、いじらしくもあり
また一方で哀れな感じもする。
そして最後には清々しい気持ちにすらなる。

子供向けの作品ではない。
愛とは?運命とは?生き様とは?
観終わったあと、フト自分の生き方について考えてしまう。

「千年女・・」といったら『千年女王』を思い浮かべる世代の蛍風(笑)でも、
千代子に比べれば、人生まだまだヒヨッコだと感じた作品。
2002年・米
監督/クリス・ウェッジ
声優/山寺 宏一
   竹中 直人

============================================
時は2万年前の氷河期。
ひょんなことから人間の赤ん坊を拾ったマンモスのマニーと
ナマケモノのシド。
彼等は赤ん坊を家族のもとに届けることに。
途中サーベルタイガーのディエゴも加わり
3匹の奇妙な組み合わせの旅が始まる・・・
============================================

20世紀フォックスが初めてCGアニメに挑戦した作品。

気合入れまくりで作った映像はとても美しい。
とくにね、動物の毛並みがよろしくてよ(笑)
マンモスの鼻の毛とか、リス(?)の尻尾とか!
リスの尻尾のピクピクっとした微妙な動きに
蛍風大満足。
とはいえ、冒頭とラストのシーンは別に無くても良かったような・・・。

風景も動物も素晴らしいが、人間のキャラがちょっと・・・。
なんでアメリカが描く人間の顔は、あんなに濃い〜んだろ?
50年前から変わっていないんじゃない?
日本だと、作品やアニメーターによって、いろいろな顔があるけど、
アメリカはディズニーの頃からずっと同じ濃さ。
うむむ〜、不思議だ。

ストーリーは笑いあり、冒険あり、涙ありで
大人が観ても感動できるし、子供が観てもしっかり理解できる。
構成のしっかりした作品。

劇場で観た人がまたレンタルするのも納得できる
良く出来たファミリー作品。
2001年・日
監督/佐藤 順一
声優/吉田 小百合
   鳥海 浩輔

============================================
小説家くずれの父と貧乏暮らしを送る女子高生・淡雪 姫乃。
ところが父の熱狂的ファンの大富豪未亡人と
父が再婚し、お嬢サマ生活か?と思いきや、
義理の姉妹とはしっくりいかず。
そんな彼女の前に7人の美少年が現れ、姫乃こそが
探していたプリーティアだと告げ・・・
============================================

7人の美少年といっても上は16歳から下は7歳の男の子達。
彼等は地球のエネルギー・リーフェが危うくなった時に
人間界に現れる妖精リーフェナイツ。
ナイツはプリーティアと融合(プリート)することにより
その力が増し、災妃フェンリルに対抗する力を出すそうな。

毎回現れる敵に姫乃は、今日は風のナイト颯(ハヤテ)と
またある日は音のナイト細(ササメ)といった具合に
プリートしては地球の為に戦う毎日。
誰とプリートするかは、敵の性質に関わらず、
その時の気分でプリート。よりどりみどりで羨ましいかぎり。
丁度良い年頃のナイトとプリートする場面は
羨ましいのだが、
7歳のナイツとプリートする時は、ちょいとばかし抵抗のある蛍風。
なんだか犯罪みたいだ(笑)

本作品は世界を守る戦いというより、愛と友情と
変身時のコスプレがメインである。
個人的には音のプリーティアと水のプリーティアの
衣装がお気に入り。
しかしね〜、もし自分がどのキャラとプリートするかとなれば、
やっぱ音のナイト・細(ササメ)が良いのぉ〜。
理論派の光のナイト・蛍(ケイ)も良いのぉ〜。
声でいったら、森久保祥太郎氏の熱気のナイト・豪の捨てがたい。

1話目はたいしたことないのだが、観つづけるとハマってしまうアニメ。
恋あり、友情あり、変身あり、イイ男あり、
乙女心をくすぐるアニメ。
ハマりました。
それにしても全5巻13話一気に観るのは疲れた・・・。
2001年・米
監督/ピート・ドクター
声優/石塚 英彦
   田中 祐二

============================================
子供達の悲鳴をエネルギー源とするモンスターシティ。
優秀な「怖がらせ屋」サリーは、
ひょんなことから子供をモンスターシティに連れてきてしまい・・・
============================================

芸能人を使った吹き替えはあまり好きじゃない蛍風。
しかしアニメは字幕より吹き替えの方が気楽なので
吹き替えで観ることに。
ま、『シュレック』のように、ダメだと思ったら
ボタンひとつで字幕に変えられるDVDの気楽さよ。

結論から言うと、吹き替えで全然問題なし。
特にマイク役の田中氏は素晴らしい。
この人声優としてもやっていけるのでは?

映像も美しい。
サリーの毛並みのふさふさとした質感!
手触りまで伝わってきそうな映像だ。
蛍風の想像ではね、アクリルの毛足が長いコートみたいな感じかな?
頬ずりすると、あったかいけどちょっとチクチクするみたいな・・・(笑)

ストーリーも、涙あり、笑いあり、冒険ありと
さすがディズニー、子供を飽きさせない展開。
もちろん大人がみても充分楽しめる。

気になったのが人間の女の子ブー。
なんか日本人っぽい。
おまけに子供とモンスターの話って
なんだか『千と千尋・・』みたいで・・・。
日本市場を意識したのか、ディズニーさん。

大人も子供も充分に楽しめるスピード感のあるほのぼのストーリー。
2001年・米
監督/アンドリュー・アダムソン
   ヴィッキー・ジェイソン
声優/マイク・マイヤーズ

============================================
人里離れた沼に1人で静かに暮すシュレック。
ところがファークアード卿がその沼を
おとぎ話の登場人物の流刑地にした。
沼を取り戻すためシュレックはファークアード卿と取り引きをし、
ドラゴンに囚われているフィオナ姫を救い出す旅に・・・
============================================

アカデミー、アニメ部門の初代栄冠に輝いた作品。
正直言って、「アニメといったらジャパニメーションでしょ!」と
この作品はあまり期待していなかった。

ところがどっこい、面白い作品だった。
ちょっとおふさけが過ぎるというか
お下劣な部分があるが、楽しめる作品。

会話がお下劣な部分があるのに対し、
映像はとても美しい。
特に木々や草などジオラマかと思ってしまうほど。

ロバのドンキーがとってもかわいい!
短い足でぴょこぴょこ跳ねて、その度にお耳がぱふ〜んとして
見ていて気持ちがいい。
耳フェチの蛍風じゃなくても、あのドンキーの仕草には
みんなメロメロになるかも(笑)

初めは気楽に吹き替えで観ていたのだが、
ドンキーは問題ないが、シュレックの浜ちゃんはちょっとカタイ。
それでもまぁまぁ観ていたが、フィオナ姫の藤原嬢は堅すぎ・・・。
我慢できなくて後半は字幕に変えて観た。

いつも思うけど、話題作だからって吹き替えを有名人にするのは
ちょっとどうかと思う。
本職の声優を使ったほうが断然いいのに・・・。

ラストがちょっとひっかかる。
「見かけに騙されちゃイカン」という主題なんだろうけど、
女の子としては夢がないというか、現実的というか・・・。
ま、それだからこそアカデミー好みなんだろうけど。

個人的には同じアニメだったら『千と千尋・・・』の方を
子供に見せたいと思う。
そう考えると本作品は大人向けのファンタジーかもしれない。
2000年・日
監督/片山 良一
声優/保志 総一郎

============================================
近未来、地球に突如飛来した謎のエイリアンと人類は戦っていた。
死んだエイリアンのパーツを集めて作った
フランクと呼ばれるエイリアンに
恋人を殺されたタクト・カネシロは
リウ・ソーマと名を代えて、復讐に燃えるのだった・・・
============================================

レンタル版は全8巻に対してセル版は全13巻。

TVCMを見て、以前から見たいと思っていたのだが、
全13巻かと思って全部リリースされてから観ようと思ってた。
だって観るなら一気に観たいもの(笑)
レンタル版は全8巻と知ってあわてて観ることに。

感想は・・・
TVCMを観て想像していたものとは違った。
特にOPの主題歌、初めは格調高い感じなのだが、
いきなり山口百恵ちゃんが歌っていそうな昭和50年代の旋律。
ここで蛍風「?」な気持ちになった。
そしてエンディング。
これはもう、たのきんトリオがナイロン素材のツナギを着て
頭にゃバンダナ巻いて、踊ってる姿を想像してしまう曲。
・・・なんでこんな曲にしたのかしらん。
誰がOKだしたのかしらん(笑)

主人公のタクト/リウ・ソーマはちょっと蛍風には好きじゃないキャラ。
恋人が黙ると「黙ってちゃわからないだろ!」と怒る。
相手の心をくみ取ることも恋人同士のつきあいってもんじゃないですか?
理系だからなのか、若いからなのか
とにかく強気で物事をハッキリさせようとするタクト君。
恋人を怒鳴ってばかりのタクト君だが、
フランクに彼女を殺されると復讐を誓う。
えっ・・・そんなに仲よかったの?到底信じられない蛍風。
根底にあるのはやっぱ「若さ」ですかねぇ〜。
蛍風が失ったもんですわ(笑)

タクト君、間違ってるよ〜と思いながらも
巻が進むにつれ、話に引き込まれてしまう。
フランクとハティの心の交流にホッとし、
タクト/ソーマの復讐心にハラハラする展開。
すっかり「アルジェントソーマ」の虜になったのに
ラストにはビックリ、ガックリ、オドロキ。

・・・だってだって、
『ウルトラマン』のジャミラの話と一緒じゃないのさ〜!
そういえばジャミラとフランクの風貌は共通点がある。
違いはジャミラは「憎しみ」からフランクは「愛」から
地球にやってきたということ。
このへんはやっぱ、時代でしょうかねぇ〜。
時代といえば、モモエちゃん風主題歌といいジャミラといい、
スタッフは蛍風と同世代なんでしょうかね〜?

最終話は余計な感じもする。
その分、フランクの最後の闘いをもっと詳しく描いて欲しかった。
もしかしたらセル版では詳しく描かれているのかもしれない。
キャラに共感できない部分もあるが、
それでも次々観たくなるストーリー展開。
蛍風の場合、期待して観てたのにジャミラ的話でガックリきたが、
ジャミラを知らなければ問題なく楽しめる作品。

余談だが『ウルトラマン』の時代設定は1990年代なのを
知ってますか?
2002年の現在、怪獣は未だ襲ってきませんね(笑)
2001年・日
監督/宮崎 駿
声優/柊 留美

============================================
千尋は両親と引越し先に向かう道中、
不思議な町に入りこんでしまう。
そこで勝手に食べ物を食べた両親は豚になってしまい、
千尋は両親を救うため、
たったひとりでその世界で働くことに・・・
============================================

国民的ヒット作品。
ターゲット層が老若男女とレンタル業界にとって
ありがた〜い宮崎作品。
100本入れても毎日フルレンタル状態で
ホント宮崎サマサマですわ〜。

作品としても『もののけ姫』より、
もっとメッセージが分かりやすくなっている。

脱いだ靴をそのままにしておく子供
ありがとうを言えない子供
権利ばかり主張して義務を果たさない子供

「しつけ」モノとして子供に観せたくなっちゃうよ。
いや、店内でギャーギャー走りまわっている自分の子供を
注意もせずにシラ〜っとビデオ選んでる親も
真剣に観るべきだわさ!

菅原文太が声優として参加していたとは知らなくて
いきなり文ちゃんの声がしてビックリ。
いつも文ちゃんはどんな役でも文ちゃんなのだが、
本作品では文ちゃんの個性より、
蜘蛛じいのキャラが際立って良い感じ。
文ちゃんが上手いのか、キャラ設定が上手いのかは
分からないケド・・・。

作品を観ていてちょっと気になった点が1つ。
湯屋が蛍風には遊郭を連想させること。
うっふ〜んな場面はないが(笑)、何故か遊郭を連想してしまう。
何故だろう・・・?
赤ちょうちんのせいか?
湯屋のせいか?

「神隠し」の意味を説明する場面があれば
もっと子供に分かりやすいかもしれないが、
親が説明すれば問題ないだろう。

「働こうよ、働きたい人には仕事を与えようよ」
躾、現代社会、環境問題等々いろいろ考えさせられる優れた作品。
2000年・日
監督/沖浦 啓之
声優/武藤 寿美

============================================
昭和30年代、反政府鎮圧部隊・首都警の伏は
初めての出動で地下水路で反政府ゲリラを追い詰めるが
それは幼い少女だった。
伏は命令に反して射殺することが出来ず・・・
============================================

PRODUCTION I.G の作品。

今ではなかなかお目にかかれない風景が描かれている。
昔の公衆電話ボックス、そうそうドアを開ける部分が丸だったんだよね〜。
ローラーで洗濯物の水気を絞る洗濯機。
手でキコキコハンドルを回して水気を絞ったもんだ。
昔はさ、歯磨き粉もラミネートチューブじゃなくて鉛チューブでさ、
中身が少なくなると洗濯機のローラーにいれて絞りだしてたよ、蛍風。
いや・・昭和30年代じゃないけど、
蛍風の子供時代にはまだそういうものが残ってました(笑)

で、本作はさすがPURODUCTION I.G 
戦闘シーン、殺伐とした悲しいストーリーが見事。
アニメというより映画に限りなく近いテイスト。
でもね〜、台詞がボソボソと低く小さくて音量あげていると
いきなり戦闘シーンでバリバリと大きな音。
これにはチョットまいったなぁ〜。
ボリューム上げて真剣に聞き入っていると
いきなりドッカ〜ン、バリバリバリだもん。
深夜だったこともあって、ご近所から抗議がきたらどうしようと
ビクビクしてしまった。
ヘッドフォンつければ良かったかな?
いや、深夜ヘッドフォンつけてビデオ観るなんて
なんかアヤシすぎて嫌だなぁ〜・・・(笑)

コアなファンに絶大なる人気を誇るPURODUCTION I.G
本作は様々な賞を受賞しており優れた作品。
しかし、これは別にアニメじゃなくても実写でも良かったんじゃない?
いや、アニメでこのストーリーこの作風だから
I.G ってことなんでしょうかねぇ・・・。

硬派な大人向けのアニメ作品。

1 2 3 4