2005年・米
監督/ジョン・ラセター
声の出演/土田 大
     山口 智充

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新人レーシングカーのライトニング・マックィーンは
ピストンカップの最終戦に向かう途中で
忘れ去れた小さな田舎町ラジエーター・スプリングスに
足止めされてしまう・・・
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さすがはピクサー!素晴らしい映像!

新人のレーシングカー、ライトニング・マックィーンは
才能はあるがわがままで協調性なし。

大事なレースに向かう途中、ラジエーター・スプリングスという
小さなさびれた田舎町に迷い込む。

そこで人々(車達)との交流の中で友情を育み、成長する。

多くの場合、車を擬人化するときは
ヘッドライトが目になるのだが、
本作品では、フロントガラスが目になっている。

なんでだろ・・?って思ってたら
相方いわく、「レーシングカーにはライトがないからだよ」
あ・・・そうなんですか?そんなことは知りませんでした(笑)

そのほかにも劇中でもふれられていたが
レーシングカーにはクラクションがないそうですね。
そうなんだ、必要ないんだ・・・聞いたことないもんね(笑)

ピクサーの映像は素晴らしい!
マックィーンの赤いボディに反射する照明や、土ぼこりなど
その美しさ、精密さに息を呑む。

蛍風は車のことは、まったく分からないが
この車の車種は○○だ!とか、車好きにはたまらないんだそうな。

最初は日本語吹き替え版で観たが、メーター役の山口智充が素晴らしい。
ディズニーは、声優ではない芸能人の起用が多く、それらが成功しているが
今回も見事なアテぶりの山口氏。
歌も日本語で吹き替えてくれたらもっとよかったんだけどなぁ〜。

オリジナル音声版ではやはりドグ役のポール・ニューマンに尽きる!
いいね〜ポール・ニューマン。往年の名レーサーって設定にぐっとくるね!

映像も良し、オリジナル・日本語ともに声優良し。
ただ一つ気になったのがストーリーがアメリカっぽくないな〜と感じた。

アメリカとえば、強力なリーダーシップ。
能力がある人間は、ヘッドハンティングされて
どんどん上へ行くってのが従来のイメージなのだが、
本作品は、義理人情を重んじた浪花節的でどうも日本っぽいんだよね・・・。
アメリカの子供教育は、「自己」から「協調性」に重きを置くようになったのかしらん?

美しく完成された映像
個性豊なキャラクター達
車好きにウケる遊び心


決して子供向けだけではない。
子供も楽しめるし、大人も楽しめる
大人の鑑賞にたえうる優れた作品


さすがピクサー!の一言に尽きる優れた作品。
1995年・日
監督/庵野 秀明
声の出演/緒方 恵美
     三石 琴乃

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人類を使徒から守るために、
エヴァンゲリオンのパイロットに選ばれた碇シンジ。
しかしその心はいつも揺れているのだった。
闘いの果てに待ち受けるものとは・・・?!
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劇場版を加えて全10巻とカウント。
途中の回からTV版とOV版が収録され、
一つの回に二つのバージョンがある・・・って見るまで知らなかったよ(笑)

TV版よりOV版のほうが分かりやすかったな、個人的には。
同様にラスト2話もTV版より劇場版のほうが観やすかった。
特に『Air』のバトルシーンは迫力満点!

途中の回に総集編らしき回があるのだが、
普通、総集編っていうと、「おさらい」って感じで
新鮮味がなくイマイチ盛り上がらないものだが、
本作にいたっては、その定義はあてはまらない。
初めてみるシーンかのように画面に釘付けになってしまった。
これは監督の演出の力量が素晴らしいのだろう。
この才能には鳥肌モンですな。素晴らしい!


この作品はいろいろな意味でアニメを代表する作品であろう。
既存のアニメという概念から飛び出し、哲学的な、観念的なストーリー。
そして実験的ともいえる描写。

深夜にぴったりの作品だと思った。
シンジ君はじめレイ、アスカなエヴァのパイロットは
みんなココロが健康的ではない。ちょっと病んでる。
心に空白や影が潜んでいる。
それがパイロットの3人だけじゃなく、出てくるキャラ、みんなそう。

いや〜、夜中に観ていたらどんよりと暗い気持ちになってしまったよ(笑)
逆に真昼間にみていたら、あまり物語に入っていけなかったとも思う。

で、結局のところ、これは何を言いたかったのでしょうかね?
心の壁ATフィールドを取り払えってことですか?
そんな3分説明できそうなことを20話以上かけて描いた・・なワケないよね?
死海文書ってなんでっしゃろ?
ゼーレの人々はどっから集まった集団なのかしら〜?

観終わっても・・劇場版を観終わっても謎は謎のまま。
蛍風には分からないことが多すぎる。

でもそれでも良いと思う。

だからこそ「これはどういう意味?」と周囲と語り合えることができる。
他人の意見をきいて、「あっそういう意味か」と補完できる(笑)

ミサトさんや女性のファッションに時代を感じて
懐かしさと恥ずかしさがこみ上げてくる。
スカートの丈といい、ジャケットの形といい、髪型といい・・・
みんなあんな格好してましたね、ハイ(笑)

既存の枠を超え、実験的、観念的、革新的な作品。
まさにアニメという枠を飛び越え、エヴァという一つの枠を形成したのだろう。

いろんな意味で「ス、スゴイなぁ・・・」と思った作品。
2003年・日
監督/滝沢 敏文
声の出演/寺杣 昌紀
     三木 眞一郎

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農民はノブセリの過酷なとりたてに苦しんでいた。
そこで侍を雇い、ノブセリを追い払おうと考え・・・
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黒澤明の『七人の侍』をベースとしたアニメ。
とはいえ、黒澤版の『七人〜』とまったく同じではない。
やはり別物として捉えた方がいいだろう。

このキャラは三船の演じた役かしら・・?と
『七人〜』を思い出しながら観るのも楽しい。

GONZOが製作だけあって、ロボ(?)の動きは秀悦。

『七人の侍』は個々の侍のエピソードが丁寧に描かれていて楽しめたが
それは本作品も同じ。
蛍風、個人的にキュウゾウに惚れました〜(笑)

サムライとは言いながらも中国風だったりSFだったり
ちゃんぽんな要素が無理なく同居。
・・とはいえ初めはノブセリの姿には違和感を持ったケド。

サムライ達の敵ウキョウが良いね。
声をアテているのが子安武人さん。
この人が声をアテている場合、
そのキャラは単純じゃなくて深みを感じることが多い。
やはりこの人は上手い声優さんなんだなぁ〜。

初めは黒澤版『七人の侍』と比べて違和感を感じたが
回が進むにつれ、これだけ設定が違えば別物として楽しむことができた。
個人的には『荒野の七人』よりは素直に楽しめたと思う。

なかなか面白かったデス。
2006年・日
監督/近藤 信宏
声の出演/渡辺 久美子

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ケロロはふとしたことから祠に祭られてた壷を割ってしまう。
その壷には古代ケロン人によって封印されていた
最終兵器キルルが・・・
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総監督は佐藤順一
でも監督の他に総監督ってなんだ・・・?

今日も大好きなガンプラに囲まれながらも
女中のごとく日向家の家事手伝いをするケロロ軍曹。

ある日、道端の祠に祭られていた壷を壊してしまう。
その日から人々の額にバツ印がつき、不思議なパワーが・・・。

ケロちゃんことケロロ軍曹。
毎週楽しみにしているアニメの一つ。
あの決して子供を対象としているとは思えない
懐かしいパロに脱力と興奮の笑い!

本作品はその劇場版。
やはり劇場版だけあって、
いつものゆる〜い感じではなく正統派の熱血ストーリー
個人的にはいつものパロ三昧を期待してたんだケド・・・。

ウルトラマンのように巨大化したケロロ
ギロロ、ドロロ、タママ、クルルそれぞれの見せ場あり
キルルを封印するため、みんなが力を合わせる


ま、お金払って劇場で観るなら、
このぐらい正統派ストーリーじゃないと、親はお金を出さないのか?(笑)

また劇場版を作るらしいが、
次回作はTVのノリを期待したい。・・・無理かな?(笑)

TV版の面白さを期待するなら物足りなさを感じるが、
お金をかけた劇場版で、お金を払って観に行くなら
これくらい正統派でスケールアップした作品じゃないと駄目なのかもね。

個人的にはクルルの活躍(悪ふざけ)がもっと観たいんだけどね〜(笑)
2005年・日
監督/川崎 逸郎
声の出演/入野 自由

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小狼たちが次に辿りついたのは「鳥かごの国」。
そこでは突如、不思議な力を持った国王が
国を永遠の闇に閉ざそうとしていた・・・
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劇場版といえばスケールが大きくなるのが普通だが
本作品は30分のまま。
しかし30分の中で物語を完結させるため、
「鳥かごの国」の背景がつかめないまま終わってしまう。

どうして国王は国を闇で閉ざしたいの?
どうやって知世姫の声を封印したの?

詳しい説明もないままに終わってしまう。

小狼や黒鋼など、TV版でお馴染みのキャラの見せ場はあるものの
なんかダイジェスト版のような、あっさりとした感じ。

『xxx HOLiC 劇場版』と話がリンクするコラボレイト・ムービーてのがウリな作品だが
『xxx HOLiC 劇場版』を観ていなくても問題ない。
ただ、『xxx HOLic』のほうを先に観ていたほうが分かりやすいだろう。

TV版のように、
何話かにわたって詳細なストーリー展開だったらもっとよかったのに・・・。
大好きな作品なだけに、う〜ん残念!
2005年・日
監督/水島 努
声の出演/大原 さやか

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普通の人には見えないアヤカシが見えてしまう
四月一日君尋(ワタヌキ キミヒロ)。
彼がバイトする市原侑子はどんな願いでも叶える。
・・・ただし同等の対価を支払えば。
ある日、侑子のもとに一通の招待状が届く。
そこには熱狂的なコレクター達ばかりが招待されていた。
しかし館の主はまったく姿を見せず・・・
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CLAMP原作。
製作はプロダクションI.G.

これはクオリティが高くて面白いのは当然でしょう!

四月一日と書いてワタヌキ。
ワタヌキはアヤカシが見えてしまう体質。
同じ学校の生徒・百目鬼(ドウメキ)は寺の息子で
ワタヌキとは逆に魔物を寄せ付けない体質。

この2人の掛け合いが面白いんですな〜。

侑子、ワタヌキ、百目鬼は、謎めいた大きな館へとやってくる。
そこには熱狂的なコレクター達が招待されていたが、
いっこうに館の主は顔を見せない。
時間ばかりが過ぎていくなか、一人、また一人と招待客が消えていく・・・。

人を馬鹿にしたようなからくり屋敷で迷うワタヌキ。
しかしその館の招待は、一途な思いが暴走した結果だったのだ。

人が持つ心の闇をえぐりだし、怪奇な雰囲気を漂わせながらも
ワタヌキと百目鬼の掛け合いにミョーにほのぼのとしてしまう。

迷路のような館の描写も、さすがプロダクションI.G.といったところ。

原作あるいはTV版を見てからじゃないと
人物関係が分かりにくく、面白みが半減してしまうだろう。

ミステリアスな雰囲気の中、人間の心の闇をさらけだし
さらにそのもっとコアな部分、ピュアな部分に気づかせてくれる。


映像GOOD。世界観GOOD。楽しめました。
2005年・日
監督/真下 耕一
声の出演/入野 自由

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クロウ国に住む小狼とサクラは幼馴染。
小狼はに飛び散ったサクラの記憶の羽を取り戻すため
次元の魔女の力をかりてサクラ、ファイ、黒鋼らとともに
異世界を旅するのだった・・・
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CLAMPの世界観は〜・・・と語れるほど作品は観ていないのだが、
個人的にCLAMP原作の作品は今までハズレがない。

この作品を選んだ理由も『xxx HOLiC』のキャラが登場しているからだ。

CLAMPの描く女の子はとにかく可愛いね。
男の子たちの体もきれいな線をしている。

サクラの記憶の羽・・・
それは小狼にとって大切な人の大切なモノ
それを取り戻すと決めた彼は、時間を超え、時空を超え
様々な出会いと危険を通して、一つずつ取り戻していくのだった・・・。

強さとは何か?
それは単に腕っ節の強さではない。
心の強さでもある。

心の強さとは何か?
それはサクラを守ろうとする小狼が教えてくれる・・・。

第1シリーズ全26話では、まだまだ旅の途中。
しかし少しずつファイの背景が描かれはじめ、とても気になるっ!
黒鋼もいいヤツだし〜。
サクラ姫が羨ましくなっちゃうよ(笑)

そろそろ第2シリーズのリリースも始まる。
でもやっぱり全部リリースされてから一気に観たほうがいいだろうなぁ・・・。
ハッ!第2シリーズで完結するのかしら?まだまだ続く?
TV放映を撮りだめしておいたほうがいいのかしらん・・・
でもみんながそれをやっちゃったら、店は商売にならんな(笑)
2005年・日
監督/杉山 慶一
声の出演/勝地 涼

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遺伝子操作の失敗により森が人間を脅かす存在となった世界で
アギトは、過去から目覚めた少女トゥーラと出会う・・・
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GONZOが手がけた作品で、
クオリティは間違いないだろうと選んだ作品。

やはりメカ系の描写はスゴイね〜。
キレイだし迫力がある。

「森」が意思を持ち、人を襲う世界。
B級映画っぽい設定を、脱線することなくきっちり仕上げている。

実写で脱線しまくりでツッコミいれて観たい気もするが・・・。
ほら、意味のないお色気シーンとか、
しつこいほどのスプラッターとか(笑)

良くも悪くも真面目な作りの作品。

世界は人間だけで生きていけるものではない。
自然と共存してこその地球。そして未来。

そんな感じかな・・・?
2005年・日
監督/杉井ギザブロー
声の出演/中村 獅童
     成宮 寛貴

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ある嵐の夜、
ヤギのメイは真っ暗な山小屋で雨宿りをしていた。
そこへ同じく雨宿りに現れたのは狼のガブ。
ふたりは互いの姿を知らぬまま、語り合い心を通わせる・・・
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いや〜美しい!
美しい映像!美しいストーリー!

原作が絵本というだけあって、温かみのある絵。
森の色がどこか日本の山的でふっくらと豊かな色合いで和む。

食うものと食われるもの。
自然の世界では決して友達のなれない2人が
嵐のよる姿を知らぬままに語り合い、友達になる。

ガブ役の中村獅童
このヒト上手いね!
役者としてもその演技に唸ったことがあるが、
声だけの演技でもやはり上手い!

絵本だから、アニメだからといって決して子供向けではない。
大人がみても充分に心響くものがあるし、子供に観せたいと思う作品だ。
いつまでも何十年たっても、大切にしたいと思える作品。

良かったデス。

ところで狼の遠吠えは、何の声を使ったのだろう?
声優?本物の狼?
ウチのワンコがかなりビビって、
だっこして〜とよってきて、聞き耳をたて警戒しながらも
目がウツロになっていた(笑)
2005年・日
監督/水島 精二
声優/朴 王路美

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2つの世界に生き別れとなってしまったエドとアル。
第1次世界大戦後のドイツに飛ばされたエドは
アルと良く似た
アルフォンス・ハイデリヒのもとにいた・・・。
アルはエドと旅した記憶を失いながらも
エドを捜し求めていたのだった・・・
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声優の朴さんの名前の漢字、王へんに路だがでてこない!

本作品はTVシリーズの続きの設定。
うふふ〜ん、毎回ちゃんと観てたから大丈夫だもんね!
と思っていたが結構忘れていた・・・。

マスタングはどうやって片目を失ったんだっけ・・・?
エド達の父親はどうなったんだっけ・・・?

頭の中がぐるぐるになるほど、
必死で思い出そうとしたが無理だった(笑)
結局、開き直って、「忘れたものは分からない」と
画面に集中することに。

劇場版というだけあって、
TVシリーズよりも重厚かつ細やかな映像。
迫力ありますな。


史実をもとにした設定もしっかりしている。
『ヒトラー最期の12日間』では描かれていなかった
ヒトラーがなぜユダヤ人を排斥するに至ったかの原因も描いている。
日本オタクのドイツ人学者の話もチラッとあって、
あ〜、これはあのことだな〜と思わずニヤリとしてしまう。

スケールの大きくなった劇場版だが、
錬金術のシーンが少なくて残念。
最後のほうでマスタングが、大盤振る舞いしていたが
他のキャラの錬金術シーンも、もっと観たかったーーーっ!

単純に「子供向け」とくくることのできない
史実をふまえた重厚でスケール感のあるストーリー

おばさんのワタクシも充分に楽しめました(笑)
2004年・日
監督/柳沢 テツヤ
声の出演/下屋 則子

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乙橘学園の生徒・来栖川姫子は
引っ込み思案な女の子。
姫子とは対称的な学園生徒の憧れの的・姫宮千歌音。
彼女達が親友なのは2人だけの秘密だった。
姫子の16歳の誕生日をきっかけに
2人は陽の巫女・月の巫女として大きな運命の波にもまれる・・・
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うむ〜・・・。
巫女と邪神ヤマタノオロチ復活を謀るオロチ7人衆の戦い、
となれば巫女パワー(?)とか祈りや呪いの類で
戦いが進むのかと思いきや
ロボットがでてきてビックリ・・・。
しかも敵が弱すぎ・・・(笑)

青少年を意識した作りなのか
姫子の下着姿や、女同士の恋愛模様が描かれており
その上ロボットが出て・・・
って、今気づいたけどジャケットにちゃんと描いてあるじゃないか
ロボット!(笑)

いや〜、戦うヒロインものといえば
いろいろなタイプのステキな男の子たちに助けられながら
目的を果たす!

こういうのを期待していただけに、ちょっとガッカリ。
『プリーティア』とか『ふしぎ遊戯』とかさ、
あ〜いうのが好きなんだよね(笑)

とはいえ、出崎監督にも似た迫力あるドラマチックな演出は
なかなか好みだった。
ヒロイン達の制服や巫女服はとってもカワイイ!
でも制服のブラウスの肩の膨らんだトコ、
アイロンかけるの大変そうだろうなぁ〜・・・(笑)

ロボットが出てくるズ〜レ〜ちっくな作品。
青少年にはたまらない要素なのかな?
2004年・米
監督/ロバート・ゼメキス
声の出演/唐沢 寿明

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サンタクロースの存在を疑いはじめた少年のもとに
サンタクロースが住むという北極行きの列車
ポーラー・エクスプレスが到着した。
疑いながらも列車に乗った少年は・・・
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クリスマスが近いので、選んだ作品。
・・というか、個人的にその季節の作品を見たいと思っている。
真夏にクリスマスのお話を観ても、ピンとこないからだ。

ロバート・ゼメキスが監督のフルCGアニメ。
確かに機関車の動きなど素晴らしい。

素晴らしいが、人物をここまでリアルにCGで描くことに
疑問を感じてしまう。
動きも少しカタイし・・・。
別に実写でもいいんじゃないかって・・・(笑)

オリジナルはトム・ハンクスが声をアテていて話題になったが
吹き替え版は唐沢寿明。
『ビッグ』つながりかしらん?(笑)
唐沢氏もトム・ハンクスと同じく、何役もアテているが
それは御見事ですな。

ストーリーはいたってシンプル。
サンタの存在を疑う少年が、真夜中に家の前に止まった
北極行きの列車ポーラー・エクスプレスに乗り、
友情を育み、再びサンタを信じるようになる。

途中、無賃乗車の男と車掌が出会いそうになった時
おぉ〜っ、これはもしかして『北国の帝王』かしらん?
バイオレンスたっぷりかしら〜ん?とミョーな期待をしたのだが
当然のことながら、『北国の〜』とは関係無かった。
無賃乗車男VS鬼車掌の対決があれば
個人的にはかなりツボにはまったのだが・・・(笑)

夢いっぱいで誰もが優しい気持ちになれるクリスマス。
そんなクリスマスだからこそ、許せる程度の作品かも。
季節はずれにみていたら、肩すかしをくらいそうな作品。
2005年・米
監督/エリック・ダーネル
   トム・マクグラス
声の出演/柳沢 慎吾

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NYのセントラルパーク動物園で暮す
動物のアレックス・マーティ、メルマン・グロリアは
仲良し4人組。
ある日、ひそかに大自然に憧れるマーティが
こっそりと動物園をぬけだして・・・
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動物園の人気スター・ライオンのアレックス
大自然に憧れるシマウマのマーティ
年中具合が悪いキリンのメルマン
知的でみんなのまとめ役カバのグロリア

仲良し4人(?)がふとしたことから
住み慣れたNYの動物園から無人島マダカスカルに漂着!

都会育ちの動物が大自然の中で困難に立ち向かいながらも
友情を確かめあうお話。

なんといっても画面がキレイ!
キラキラと青い海、青い空
みずみずしい木々の緑
思わずため息がでてしまう。

動物たちの描写もキレイでキュート!
特にライオンのアレックスのたてがみがキラキラサラサラ
キューティクル満点なたて髪(笑)
それがサバイバル生活で次第にゴワゴワボワボワになっていく。
ヒャ〜、芸が細かいね!

キツネザルの尻尾のふわふわ感
カバのグロリアのキュートすぎるヒップの動き

うわわ〜たまりませんわ!(笑)

『シュレック』もそうだったが、本作品も
大人も子供も楽しめる作品になっている


マーティがNYの街を1人闊歩するシーンでは
『サタデーナイト・フィーバー』のあの曲が流れる!
しかもマーティの足取りはトラボルタそっくり(笑)
いや〜、これはぜったい親世代向けのシーンでしょうな。
蛍風、かなり興奮してしまいました(笑)

オリジナル音声か吹き替えか
どちらにしようかかなり迷ったのだが
マーティ役の柳沢慎吾ちゃんの声が良かったので吹き替えで観た。
「あばよっ」ってお決まりのセリフを言ってたのが嬉しかった。
メルマン役の岡田義徳はじめ、他のキャストも違和感なく
すばらしい吹き替えぶりで大満足。

オリジナルでアレックスをベン・スティラーがアテてるせいか
アレックスの動きがスティラーそのもので、
結局スティラー聞きたさに、オリジナルでも観ちゃった(笑)

スティラーは当然良かったケド、吹き替え陣の方が良かったかな・・?

エンディングに流れるキング・ジュリアンの
♪踊るっの 好き好き〜
これはサイコー!
お気楽で酔っぱらいのおとうちゃん達みたいで
オリジナルより断然良い!!!

一番気に入ったキャラは
軍隊の特殊部隊のようなペンギン達!
ははは、ペンギンをこんな風に描いたのって初めてかも〜
かなり気に入りました(笑)
セルの限定版には「ペンギン大作戦」の短編が収録とか。
観たいな・・欲しいな・・買おうかな・・・

子供だけでなく大人だって充分に楽しめる
とても美しい映像と楽しい音楽が満載の作品!

もちろん「喜び」マーク作品ですがなぁ〜〜〜!
2004年・日
監督/真島 理一郎

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架空の競技スキージャンプ・ペアの第2弾!
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↑こうとしか書けない・・・(笑)

ありえないーっ、・・・けどなんでありえないんだ?
もしかしたら実現可能かも・・

そんな衝撃と爆笑に包まれた前作から1年。
かなり期待していた作品!

しかしながら30分ちょっとという収録時間の短さの定めか
すでに他のメディアで目にした「技」がいくつかあり
残念ながら面白さ半減。

初めてみた「技」なら、結構笑えたはず!

それから前作と違う点は「余計な」物事が多かった点。

スポーツニュース部分、萩原さんはとてもGOODなのだが
こちらとしては、早く競技が観たい。
わざわざスポーツニュース部分を設定し、
「本物」っぽく盛り上げてくれるのはわかるが
肝心の実況アナウンスが余計なこと喋りすぎの感じ。
淡々とアナウンスするから、いかにも本物っぽくて面白かったのに
その良さが今回は無くなってしまっている。

それでも「プラズマ」は「アメフト」など
突拍子もない技で愉快な気分にさせてくれる。

前作レベルの笑いとはいえないが
それでもやはり笑える作品。

2004年・日
監督/岸 誠二
声優/荻野 崇

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交渉のプロ・別府勇午のもとに
パキスタンで反政府ゲリラに誘拐された
岩瀬の娘が訪ねてきた。
果たして勇午はパキスタン政府の目をかいくぐり
交渉を成功させることができるのか・・?!
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真刈信二 、赤名修 の人気コミックのアニメ化。

プロの交渉人(ネゴシエーター)の別府勇午。
彼の交渉能力は優秀で、成功率97%という凄腕。

その彼の元に、パキスタンで反政府ゲリラに誘拐された
岩瀬の娘が、父を取り戻して欲しいとやってきた。

岩瀬の会社は、パキスタン政府の全面協力により解放を目指すが、
パキスタン政府は、解放と同時にゲリラの壊滅をもくろむため
いまだ解放にいたっていないのだ。

そして勇午は、パキスタン政府の目をかいくぐり
反政府ゲリラ・ダコイットとの交渉に「勇気」と「信頼」を武器に
挑むのだった・・・。

ほほぉ〜・・・
これは・・・面白い。

世界各国の言語を自在に操り、
熱い心と冷静な判断力でピンチをくぐりぬける勇午。
もちろん1人だけでなく、優秀な仲間のバックアップもある。

ホントにこんなスーパー日本人がいるのかな?
いたらいいなと思う勇午の活躍。

頭を下げるだけが交渉ではない。
威圧するだけが交渉ではない。
交渉に大切なのは「信頼」だ。
真の「交渉」とは、単なる言葉遊びではない
豊富な知識と冷静な判断、そして危険に飛びこむ度胸


原作コミックは何巻も出ている人気作らしいが、
なるほど納得の面白さ!
アニメは、このパキスタン編とロシア編しか作られていないようだが
もっと作ってくれないかしらん・・・?

大人の鑑賞に堪えうる重厚なアニメ作品。
面白かったデス。
2004年・米
監督/ブラッド・バード
声優/三浦 友和
   黒木 瞳

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Mr.インクレディブルと呼ばれ
スーパーヒーローだったボブは
スーパーヒロインのイラスティガールと結婚し
今では3人の子供達と普通の生活を送っていた。
しかし、かつてのスーパーヒーロー達の謎の失踪事件が相次ぎ
ボブのもとに元スーパーヒーローとしての仕事の依頼が・・・
=================================

吹き替え版で観た。
Mr.インクレディブル役が三浦友和
イラスティガール役が黒木瞳

この2人、とても素晴らしい。

三浦友和といえば、蛍風世代には
百恵ちゃんの旦那様のイメージが強いが
なかなかの声優っぷりである。

そして黒木瞳も強がったり迷ったり
イラスティガールの心の動きがダイレクトに伝わってくる。

日本のアニメのように
決して可愛らしいキャラクターデザインとは言えないが
ストーリーが進むにつれ、
それがかえってとても可愛らしく思えてしまう。
特にダッシュが走る姿やエドナがトコトコ歩く姿は
ホントにキュートだ。

そしてさすがピクサーだけあって
やはり美しく滑らかなCG
島の森だか密林のシーンは息を呑む素晴らしさ。

かつてのスーパーヒーローが
昔とは体型が違ってしまい、シェイプアップする姿は
親世代に通じるギャグ

内気で自分に自信が持てないヴァイオレットが
スーパーパワー使い敵を倒してく過程で
成長していく姿に勇気付けられる。

CGだけでなく親を含め家族の成長が描かれ
どの世代にも共感できるストーリー展開は
やはりディズニー/ピクサーの素晴らしいところ。

ハラハラドキドキ冒険あり
「昔の栄光よ、もう1度!」あり
成長あり
家族の絆あり


世代に関係無く楽しめる作品
1991年・日
監督/北久保 弘之
声優/横山 智佐

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ボランティアで独居老人の
世話をしている看護学生の晴子。
彼女が担当している高沢が、
厚生省の新プロジェクト
全自動介護ベットのモニターに選ばれた。
このベットは画期的と思われたが、突如暴走し・・・
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原案が大友克洋
キャラクターデザインが江口寿史

10年以上も前に老人介護問題を扱ったことに
今更ながら、その先見性に驚かされる。

人間の手だけですべて介護するには限界がある。
特に核家族化が進み、介護する人間が1人ということも珍しくない。
昔と比べ、介護する側も年齢が高く
精神的にも肉体的にも厳しい現実。

「それなら機械にやってもらおうじゃないの」
その発想良く分かります・・・。

ストーリーは介護に必要なのは
人間の真心、優しさだということらしいが、
現実問題、たったひとりで寝たきり老人の世話をするのは
かなりツライものがある・・・。
愛があっても真心があっても
厳しい現実につい腹をたてたり泣きたくなったりする。
「もしも・・」のことがあったらどうしよう、
人1人の命が自分にかかっているんだと思うと
その責任の重さに潰れてしまいそうになる。

家族全員で真心をもって世話をする
それが一番良いとは分かるのだが、
たった1人で全ての責任を持って
介護にあたるには、忍耐と体力が必要となる。
それで感謝の言葉の1つでもあれば、まだ救われるのだが
何をやっても、不満や不平をぶつけられるとかなりヘコむ。
自分が本当に何1つ満足に出来ずに
人間のクズなのかと落ちこんでしまう。

それでボケが始まって、お金を取られたとか
ご飯を食べさせてくれない、とか言われると・・はぁ〜・・。

まぁ、そんな涙涙の日々がございました(笑)

それはさておき、
高沢老人を心から心配する晴子とその仲間、
そして人口知能をもった全自動介護ベットZ−001号が
厚生省を思惑とは裏腹に、高沢老人の気持ちを思いやって
暴走する過程はかなり笑える。
江口寿史がキャラクターデザインを手がけただけあって
女の子の体のラインがとてもキレイ。

デリケートな問題を毒を含んだ笑いで
深刻にならず小気味良く描かれた作品

特にラストがブラボー!ですな。
2004年・日
監督/大友 克洋
声優/鈴木 杏

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19世紀のイギリス。
万国博覧会の開催が間近にせまっていた。
少年レイのもとにアメリカで研究をしている祖父から
謎の発明品が送られてくる。
そしてそのスチームボールと呼ばれる物体をめぐり
レイはトラブルへと巻きこまれていくのだった・・・
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少年を主人公にしているせいか
大友作品によくみられる「とんがった」部分がない。

城が浮くというのは、ラピュタを連想させ
別に大友氏がやらなくてもいいのでは?と思ってしまう。

とはいえ、メカの素晴らしさ、迫力はさすがである。

ただね〜、ほのぼのとしたラストはなんだか拍子抜けしてしまった。
『AKIRA』公開当時、ものすごい衝撃を受けた蛍風。
同じものを期待しすぎたのかもしれない。

それでもエンドロールはおしゃれだと思う。
毒がない、少年の冒険活劇といったところか?
まあ、これはこれで悪くはないのだが・・・。
2002年・日
監督/小林 常夫
声優/久川 綾
   子安 武人

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高校生・中嶋陽子の前に不思議な男が現われ、
命が惜しくば、一緒に来るようにと言われ
異世界へと連れて行かれた。
陽子はその世界の慶国の王だと言われる・・・
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原作はまだ終わっていないようだが、
一応アニメ製作は45話で終わっているようだ・・・。

誰にとっても「良い子ちゃん」であろうとする
優等生・中嶋陽子の前に突然現われた謎の男。

「あなたを探していた」と告げられ、
陽子は異世界へと連れて行かれるのだった・・・。

「月の影 影の海」編では
良い子ちゃんであろうとする自分に嫌気がさしていた陽子が
見知らぬ世界で裏切りや迫害を受けながら
自分の運命を受け入れ、成長していく過程が描かれている

「風の海 迷宮の岸」編は戴国の麒麟・泰麒のお話

「風の万里 黎明の空」編は、王となるも
国のことを知らないために、決断できず苦しむ陽子
その頃芳国の公主を追われた祥瓊は、
同じ年頃で王になった陽子を妬み
日本から流され、奴隷のような暮らしの中
陽子に憧れる鈴
この3人の和州の反乱での出会いが描かれる

「東の海神 西の滄海」編は雁国の王・尚隆のお話。

個人的には「月の影 影の海」編で成長物語より
「風の万里 黎明の空」編の政治的なかけひきや
水戸黄門的ストーリーが1番面白かった。

それぞれの編ごとに完結のカタチをとっているので、
この続きはどうなるのかしらん〜〜という
モヤモヤした感じはないものの
やはり、続きが気になる!!!

泰麒はどうしたの?
陽子と楽俊はどうなるの?

景麒や尚隆もいいが、
楽俊が1番お気に入りになってしまった蛍風。

陽子と楽俊の間に通うものは単なる友情なの?
それとも愛なの?
あああ〜ん気になりますわ!!!

NHKさん、続きを製作してくださいな〜
原作(ちょっと ブ厚い)を読むしかないのかな・・・。

単なるファンタジーやヒロインアニメではない
1人1人のキャラクターが深みがあり魅力的
そして壮大なストーリー


ハマりました!!!
2004年・米
監督/アンドリュー・アダムスン
   ケリー・アズベリー
   コンラッド・バーノン
声優/マイク・マイヤーズ

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めでたく結婚したシュレックとフィオナのもとに
フィオナの両親の「遠い遠い」国からの使者が。
2人のお披露目と祝いの宴をひらくので出席するようとのこと。
しかしシュレックを見た国王や
「遠い遠い」国の人々はガッカリしてしまう・・・
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前作以上に美しい映像。
技術の進歩が伺われる。

フィオナ姫の結婚相手には美男子を期待していた人々。
父である国王はシュレックを密かに亡き者にしようと企む。
その裏には妖精のゴッドマザーの野望があった・・・。

これは・・ホントに子供向けだろうか?
結構シニカルな話題もあり、
『フラッシュ・ダンス』等の様々な映画のパロが含まれている。

子供が『フラッシュ・・』なんて知らないだろうし、
やはり親をもしっかりとターゲットにしている作品であろう。

それでいてお下品さも、シニカルさも
親が子供に見せても大丈夫、または子供にも理解できる
ギリギリの絶妙なところで仕上げているのには驚き。

これぞまさにファミリー向け作品。

大人だけが楽しめる作品じゃない。
子供だけが楽しめる作品でもない。
一部のマニアだけが楽しめるアニメでもない。

大人にも子供にも、それぞれ理解できる笑いと
ちょっぴりのシニカルさとワクワクの冒険と夢。
そして美しい映像。

たいしたもんです。「喜び」マーク作品です。

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