2006年・蘭/独/英/ベルギー
監督/ポール・バーホベン
出演/カリス・ファン・ハウンテン
セバスチャン・コッホ
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1944年ナチス占領下のオランダ。
家族を失ったユダヤ人のラヘルは、レジスタンスに参加し
スパイとしてドイツ人将校ムンツェに近づくが
彼の優しさにいつしか惹かれ・・・
=================================
「ナチス」モノで敵将校との愛、そしてバーホベン
そんなワケで二の足を踏んでいた作品。
結論から言うと、なかなか面白かったし
バーホーベンも我慢してマトモに仕上げたなぁ〜というのが感想(笑)
彼なら、どっかヘンなことやらかしてくれるかな?と
ちょっと期待してたケド。
敵であるナチス将校との愛は、わりと淡白。
このテの話しなら『鉄十字の愛人(サロン・キティ)』とか
『愛の嵐』のほうが好みだ。
セバスチャン・コッホも頑張ってはいるけれど
ヘルムート・バーガー様やダーク・ボガードに比べると・・・ね。
これは好みだから仕方がない。
コッホ演じる独将校ムンツェは、誠実でイイ人なんだよね〜。
その一方で民衆の味方であるレジスタンスには裏切り者がいて・・・。
よくある作品のようにナチス=悪という単純な図式でないところが面白い。
加えて「愛」ばかりを描いていない点にも好感。
ムンツェとの愛は、あくまでもきっかけ・動機程度で
レジスタンス活動と裏切り者は誰か?を描くハラハラドキドキの展開。
髪をブロンドに染め(シモの毛まで!)、
エリス・デ・フリースと名を偽り
スパイとなったラヘル・シュタイン。
そこで出会い、まさに命を賭けた愛の相手ムンツェ。
しかし、穏やかな戦後の日々では、それは過ぎ去ったこと。
エリスとしての出来事はなかったかのようなラヘルの生活。
エリスとラヘルは別人なのだ。
エリスの深い悲しみと絶望は、ラヘルの心の奥底で静かに封印される。
それが戦争の傷かもしれない
それが戦争から立ち直ることかもしれない
それが現実かもしれない
ラストは1956年10月のイスラエルにラヘルが暮らす様子が描かれている。
う〜ん、これは意味深だな。
1956年のイスラエルで静かに暮らすラヘルは、この後どうするのだろう?
ラヘルの同僚が夫が信仰に目覚めて、聖地めぐりに来たと語る点。
そして家族とともに静かに歩くラヘル。
1956年10月のイスラエルをあえて詳しく触れずに、
字幕のみで語らせたヴァーホーヴェン。
これから起こることを予感させる深く重苦しい終わり方だなぁ・・・。
これがアメリカ資本で撮らなかった理由なのか?
それとも単にアメリカで仕事がなくなったアンチアメリカのアピールなのか?(笑)
戦争は時と場所を変え、存在し続ける。
争いに終わりはないのだろうか・・・?
期待していなかったが、深い意図があるようでなかなか面白かった作品。
監督/ポール・バーホベン
出演/カリス・ファン・ハウンテン
セバスチャン・コッホ
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1944年ナチス占領下のオランダ。
家族を失ったユダヤ人のラヘルは、レジスタンスに参加し
スパイとしてドイツ人将校ムンツェに近づくが
彼の優しさにいつしか惹かれ・・・
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「ナチス」モノで敵将校との愛、そしてバーホベン
そんなワケで二の足を踏んでいた作品。
結論から言うと、なかなか面白かったし
バーホーベンも我慢してマトモに仕上げたなぁ〜というのが感想(笑)
彼なら、どっかヘンなことやらかしてくれるかな?と
ちょっと期待してたケド。
敵であるナチス将校との愛は、わりと淡白。
このテの話しなら『鉄十字の愛人(サロン・キティ)』とか
『愛の嵐』のほうが好みだ。
セバスチャン・コッホも頑張ってはいるけれど
ヘルムート・バーガー様やダーク・ボガードに比べると・・・ね。
これは好みだから仕方がない。
コッホ演じる独将校ムンツェは、誠実でイイ人なんだよね〜。
その一方で民衆の味方であるレジスタンスには裏切り者がいて・・・。
よくある作品のようにナチス=悪という単純な図式でないところが面白い。
加えて「愛」ばかりを描いていない点にも好感。
ムンツェとの愛は、あくまでもきっかけ・動機程度で
レジスタンス活動と裏切り者は誰か?を描くハラハラドキドキの展開。
髪をブロンドに染め(シモの毛まで!)、
エリス・デ・フリースと名を偽り
スパイとなったラヘル・シュタイン。
そこで出会い、まさに命を賭けた愛の相手ムンツェ。
しかし、穏やかな戦後の日々では、それは過ぎ去ったこと。
エリスとしての出来事はなかったかのようなラヘルの生活。
エリスとラヘルは別人なのだ。
エリスの深い悲しみと絶望は、ラヘルの心の奥底で静かに封印される。
それが戦争の傷かもしれない
それが戦争から立ち直ることかもしれない
それが現実かもしれない
ラストは1956年10月のイスラエルにラヘルが暮らす様子が描かれている。
う〜ん、これは意味深だな。
1956年のイスラエルで静かに暮らすラヘルは、この後どうするのだろう?
ラヘルの同僚が夫が信仰に目覚めて、聖地めぐりに来たと語る点。
そして家族とともに静かに歩くラヘル。
1956年10月のイスラエルをあえて詳しく触れずに、
字幕のみで語らせたヴァーホーヴェン。
これから起こることを予感させる深く重苦しい終わり方だなぁ・・・。
これがアメリカ資本で撮らなかった理由なのか?
それとも単にアメリカで仕事がなくなったアンチアメリカのアピールなのか?(笑)
戦争は時と場所を変え、存在し続ける。
争いに終わりはないのだろうか・・・?
期待していなかったが、深い意図があるようでなかなか面白かった作品。
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