1988年・仏
監督/ブリュノ・ニュイッテン
出演/イザベル・アジャーニ

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彫刻家を目指すカミーユは、ロダンの弟子となる。
互いの才能を認め合い、いつしか愛に変わるが、
それはカミーユの破滅の始まりだった・・・
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富と名声を手にしたオーギュスト・ロダン。
次から次へとモデルの女性と関係を持つ。
それでいて内縁の妻には頭が上がらない。

まだ女性の社会的地位が確立していなかったこの頃。
カミーユはロダンの才能を認められ、
助手としてロダンの作品制作に携わる。
そしてロダンと愛し合うようになり妊娠するが、
ロダンは内縁の妻と別れようとはしなかった。

失意と怒りでロダンのもとを飛び出し製作に没頭するカミーユだが、
世間は彼女をロダンの愛人としか評価しなかった・・・。

人気彫刻家で勢いのあるロダン役がジェラール・ドパルデュー
愛も才能も捧げつくしたカミーユ役がイザベル・アジャーニ

互いの才能に触発され惹かれあう2人が
並んで進むことができなくなったきっかけは
カミーユには自分の存在すべてを賭けたこと
しかし一方には些細なことでしかなかった

愛が憎悪に
いとおしさが疎ましさに

その瞬間は不意にやってくる


愛が強ければ強いほど
才能に恵まれていればいるほど
全身全霊で人を愛したカミーユに残ったものは
ロダンの愛人というレッテルと精神の崩壊だった。

妄想にとりつかれ、心を病むカミーユを演じる
イザベル・アジャーニの鬼気迫る表情に圧倒される。
美人なだけに、うおぉぉーって髪を振り乱して土をこねる様は
恐ろしいものがある(笑)

もしロダンと出会わなければカミーユの人生はどうなっていたのだろう?

才能に恵まれること
全身全霊で人を愛すること
一見すれば、素晴らしいことに思えるが
その裏には、恐ろしさもあるということか?

蛍風のような凡人には、「並」の人生で充分満足です・・・(笑)

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