1973年・伊
監督/リリアーナ・カヴァーニ
出演/シャーロット・ランブリング
   ダーク・ボガード

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かつてナチス親衛隊員だったマックスは
ホテルのフロント係としてひっそりと暮らしていた。
ある日、有名な指揮者の妻ルチアに会う。
彼女はかつてマックスがゲットーで弄んだユダヤ人だった・・・。
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1957年の冬のウィーン。
ナチス親衛隊だったマックスは、身を隠すようにひっそりと暮らしていた。
そこへ、かつてゲットーで性の奴隷として弄んだルチアと再会する。

ルチアは夫とともにウィーンを去ろうとするが、
夫は仕事でルチアを残し1人ウィーンを離れてしまう。

マックスを避けようとするルチアだが、
ひとたびマックスに触れられると、官能の渦に流されていくのだった。

しかしマックスの仲間は、自分達がナチス親衛隊だったと知っているルチアを
邪魔に思うのだった・・・。

う〜む・・・。
ナチ親衛隊のマックス、その美貌ゆえ性の奴隷として弄ばれたルチア。
忘れたい過去、消し去りたい過去のはずなのに、
体はマックスのことを覚えていて、離れられなくなる。

支配する側と支配される側
倒錯した歪んだ愛は、本物だったのか?


2人が最後に選んだ道は、異常な状況下で結ばれた絆が
本質的なものだったということなのか?

それとも現実に即応できず、身を偽ることに疲れた過去への逃避なのか?

マックスとルチアは
嵐の中で抗うこともできないように、
歪んだ倒錯的な関係に身を委ねていく・・・。

息を潜め影のように暮らすマックスに、
ルチアはかつての自分を重ね合わせたのかもしれない。

愛と欲望と憎悪と哀れみ
ルチアの心は、さまざまな感情がぶつかりあう愛の嵐なのだろう。

世の中には安らぎや優しさだけの愛ではなく
憎悪と絶望と狂気の中にも愛が存在するのかもしれない


愛のカタチは深い・・・な。

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