1966年・米
監督/ロバート・ワイズ
出演/スティーブ・マックィーン

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1925年の上海。
ホルマンはオンボロ砲艦サンパブロに赴任してくる。
戦争らしい戦いもない状況下で、
艦内には中国人が下働きとして乗り込み
独自のルールで成り立っていた・・・
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国民党が勢いを増し、外国人排斥運動が盛んとなる中国。
オンボロ砲艦サンパブロは、米国人宣教師救出の任にあたる・・・。

なんだか知らんがとてつもなく長く感じた作品。
179分もある。


機関士としては超一流のホルマンがサンパブロに赴任してくる。
しかしその艦は、勝手に住み着いた中国人が下働きをし、
それぞれのリーダーがいるといった独自のルールで成り立っていた。
乗組員達は、中国人リーダーに仕事はまかせ、
自分達の仕事は、戦闘任務に集中することだと考えていた。
しかし、その戦闘もほとんどない、といった状況だった・・・。

自分の仕事に誇りをもち、すべて自分で確認しようとするホルマンに
中国人たちは面白くない様子。
そんな中で事故が起きる・・・。

ホルマン役がスティーブ・マックィーン
ホルマンが仕事を教える中国人ポーハン役がマコ

とてつもなく長さを感じる作品だが、この2人のシーンは秀悦!

機械のことはもちろんのこと、英語も良く通じないポーハンに
ホルマンは身振り手振りで懸命に説明する。
きょとんとしながらもポーハンも懸命に理解しようとする。

言葉や話が通じ合うだけでなく、心までも通じ合う2人。

マコはこの作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。
マコ・イワマツの本作品の演技は、本当に惹きつけられた。

しかしながら、作品全体としては、何を言いたいのかちょっと分からなかった蛍風。
外国人排斥運動の真っ只中で任務を果たす米国海軍か?
愛する人を守るヒーローか?
中国とアメリカの違いか?
国籍と人権の話か?

戦争モノだから、もっと派手なドンパチかと思ったら全然違った。

個人的には本編よりも、解説のほうが面白かった。

大作主義のこの時代、砲艦サンパブロは、CGではなく本物を建造して撮影。
台湾の川を航行できるように設計されたが、
干満のデータを知らせずに設計したため
座礁したり、朝になると泥に埋もれていたりしたそうな(笑)

艦は年月とともに色あせ汚れていく。
それを忠実に表現するために、シーンに合わせて色をそのたびに塗り替えたとか・・・。
まさに大金と手間隙かけたこだわりの大作主義らしい作品だ。

そのほかにも、ホルマンとポーハンの仕事場エンジンルームはセットだが
エンジン自体は本物なんだそうな。
うひゃ〜、こだわりだね!

ちなみに本作品の監督ロバート・ワイズ。
台湾での撮影許可に時間がかかるため、その間何もしないのは嫌だといったら
『サウンド・オブ・ミュージック』を監督することになったらしい。
それで『サウンド〜』でアカデミー賞受賞ですか!!

主役のホルマン役は当初ポール・ニューマンを考えていたらしい。
しかしポールは、脚本は素晴らしいが、役は嫌だと断ったらしい(笑)
そこでワイズはマックィーンを推すがFOXは、
スター性に欠けると難色をしめした。
しかし『サウンド〜』を撮っている間に、
マックィーンは『大脱走』が公開され
あれよというまに主役の第一候補となったらしい(笑)

蛍風個人的には本編よりもこれらの解説のほうが断然面白かった!

戦争モノというよりは、激動の時代を舞台にした葛藤の人間ドラマ。
スティーブ・マックィーンとマコ・イワマツの演技が素晴らしかった作品。

だけど蛍風には179分はちょっと長すぎたね・・・。

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