2005年・仏/英/チェコ
監督/ロマン・ポランスキー
出演/バーニー・クラーク

======================
孤児のオリバーは救貧院育ち。
葬儀屋の主人に引き取られるが、イジメにあい家を飛び出す。
向かった先は大都会ロンドン。
そこでスリのドジャーと出会う・・・
=================================

原作はチャールズ・ディケンズ。

オリバー・ツイストといえば
マーク・レスターの『オリバー!』の印象が強い蛍風。
オリバー役のマーク・レスターがメロメロに可愛くて
ドジャー役のジャック・ワイルドのたのもしさにワクワクしました。

・・・で、今回の『オリバー・ツイスト』はマーク版とはまったく違うテイスト。
マーク版がミュージカル舞台劇の映画化ということで
華やかに楽しく描かれているのに対し
本作品はまさに文芸作品といった感じ。

人の心も生活も、暗く厳しく切ない。
色調を抑えた画面が
巨費を投じて再現された19世紀のロンドンの町並みを重厚に映す。

マーク・レスターのオリバーは、
ちっちゃくて愛くるしい可愛さで満ち溢れていたのに対し
本作品のオリバー役バーニー・クラークは賢くて芯の強さを感じるオリバー。

原作はちゃんと読んだことはないが、
多分オリバーはバーニーのような子なんだろうな・・・。
バーニーのオリバーは実際に存在していたかのような現実味あるオリバーだった。

大都会ロンドンで子供たちにスリをさせる窃盗団のボス・フェイギン。
今でいうストリートチルドレンのような子供たち。
みな生きるのに必死だ。

フェイギン役のベン・キングズレー
途中まで彼だと気づかなかった。
ほら、だってキングズレーさんていえば、
サーの称号を持って背筋がピン!ってイメージで
腰が曲がっている姿なんて想像したこともなかったから・・・。

リアル感のあるバーニー・クラークのオリバー
まさに名優の名にふさわしいベン・キングスレーの化けっぷり
重厚な色調にまとめられた画面


まさに文芸作品を観たーーっという気分になった作品。

コメント