1995年・米
監督/ショーン・ペン
出演/ジャック・ニコルソン

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交通事故で娘を亡くした父親フレディー。
その加害者ジョン。
6年間フレディーを殺すことだけを考えてきたフレディーと
同じく6年間罪悪感を感じ続けていたジョン。
そして2人が向き合う時・・・
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6年前、娘のエミリーを交通事故で失ったフレディーは
事故の加害者ジョン・ブースが刑務所から出所してくる日を
指折り数えていた。
目的はただ一つ、ジョンを殺して復讐すること!

その日がとうとうやってきて、フレディーはジョンの家へと忍び込み
彼に銃を向けるが、弾が入っていなかった。
フレディーが殺しにやってくることをまるで知っていたかのように
冷静なジョンは、
「自分は逃げないから、本当に殺したいのかもう一度考えてくれ」と告げる。

3日の猶予を決めた二人は・・・

幼い娘エミリーを亡くしたフレディー役がジャック・ニコルソン
その事故の加害者ジョン・ブース役がデビッド・モース

フレディーは娘を失ってからというもの復讐することだけを考え
妻とも離婚し、殺伐とした生活を送っていた。

元妻のメアリーは、残された息子たちの父親であることもやめ
メアリーの墓を一度も訪れず、
ひたすら復讐のことだけを考えるフレディーを責めるのだった。

6年間、罪悪感いっぱいで、
どうすれば罪を償えるか考え続けていたジョンがとった行動は・・・

切ないほどの悲しみという名の狂気と再生の物語

幼い子供の父親役というにはちょっと年上のように思えるジャック・ニコルソン。
デビッド・モースと逆でもいいのかと思ったが、
復讐に燃える狂気の男はやはりジャックで、
罪悪感を持ち続ける男はデビッドがぴったりの風貌だろう。

それにしてもジャック・ニコルソンに恨まれたら、もう終わりって感じがするよね(笑)
どうやっても逃げられないと思ってしまいそうだ(笑)

タイトルのクロッシング・ガードは交通指導員とか交通誘導とかの意味らしい。
このタイトルが意味するところはラストに判明する。

フレディーとジョンの72時間。
家族を失った大きな悲しみと、最善の罪の償いの方法とは・・・


地味であまりの暗さにヘコみそうになるが、
それこそがフレディーとジョンの過ごした6年間の重さなのである。
そしてラストのジョンとった行動に、深い罪の意識と思いやりを感じることとなる。

ストリップ・バーにいつも日本人客がいるのに時代を感じる(笑)
石橋凌もチラッと出演。

喪失と復讐、罪悪と誠実
派手な見せ場はなく、例えるなら
華やかな街の薄暗い路地裏でひっそりとたたずむ寡黙な男
そんな印象を受けた(笑)

辛気臭い話と切り捨てずに、
最後まで観てほしいと思うなかなかの佳作。

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