1940年・日
監督/阿部 豊
出演/大日方 傳

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飛行機のりの山本大尉の新たな赴任先には、
かつての教え子たちがいた。
その行本、山村、佐藤、田中は勇敢に戦い戦果を挙げるが
無念にも散っていく者もいた・・・
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陸軍省後援
皇紀2600年記念


特撮・円谷英二
主題歌 作詞・佐藤惣之助 作曲・山田耕作


なんだか教科書で見るような漢字が並んで歴史を感じるね・・・。

製作が1940年とまだまだイケイケの頃で
陸軍省のバリバリ気合が入った作品。

とはいえ、旗色が悪くなってきた時代に作られた作品とは異なり
悲壮感がなく、人物の感情もわりとマトモに描かれている。

戦死した仲間を思い、悲しみの涙を流し酒を飲む。
この少し後の切羽詰った時代だと、こんなシーンはないだろう。
あっぱれ、万歳と褒め称えるだろう。
あ〜、わりとマトモな感情の描写が、まだあったんだなぁ。

この作品のスゴイところは
実機を使った訓練シーンだろう


飛行機ってあんなにクルクル回ったり急降下したりできるんだー!
スゴイ迫力と編隊飛行の美しさ!

よくよく考えれば当たり前のことだが、
編隊飛行の訓練で、お前の機は少し遅れ気味だとかチェックされたのに驚いた。
やっぱり訓練するんだ、編隊飛行。

敵地に攻撃を仕掛けるさい、ただ目的地まで飛んでいくだけかと思ったら
この地点までは低空飛行、ここは編隊飛行・・と
作戦をたてていたのにも新鮮な驚きを受けた。
ほら、たいていの作品だと、
バーッと飛んでいってバババーッと攻撃するだけのイメージがあって・・・
当たり前のことだけど、ほぅ〜っと感心してしまった(笑)

それから機銃を撃つシーン。
ダダダダーッと撃つ、すると視界は煙でいっぱい。その中を飛ぶ。
これも当たり前のことかもしれないが、きちんと映像で見せられると感心してしまう。

陸軍省後援というだけあって、その飛行シーンもさることながら、
少年航空兵の訓練所シーンで、あんぱんを食べ過ぎた行本たちに教官が
「お前の体はお前一人だけのものではない・・・」
そしてその後に続く台詞が
「日本国のものでもあるのだから、体には気を使わなければならない」と
言うシーンが!

今だったらそんなことを考える人はいないだろう。

不時着し、上官の最後を看取った隊員の忠義あふれる話にも胸が熱くなる。

こういう作品をみた当時の子たちは、兵隊さんに憧れたんだろうな・・・。

戦闘機のことはまったく分からず、特典の戦闘機解説を見ても
どこがどう違うのか分からない蛍風だが、
美しく迫力ある飛行シーンに度肝をぬかれました。
いや〜、すごかったデス。

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