2004年・独/伊/オーストリア
監督/オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演/ブルーノ・ガンツ

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敗色が濃厚となり地下要塞に避難したヒトラー達。
ヒトラーはもはや現実を受け入れず
無理な作戦を実行させるのだった・・・。
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ヒトラーを描いたものはいくつかあるが
自国ドイツが作ったということで
なにかと話題になった作品。

ヒトラーを演じるのはブルーノ・ガンツ
初めは違和感を覚えた。
ヒトラーといえば個人的には
2004年11月8日の『ヒットラー 全2巻』の
ロバート・カーライルの線の細いエキセントリックな印象が強い。
英語で話すヒトラーだったけど(笑)

しかし実際のヒトラーは写真で見ると
ブルーノ・ガンツのようにがっしりとした顔のヒトだから
人の持つイメージってのは不思議なもんだ。

敗色が決定的となった戦争末期。
地下要塞に立て篭もったヒトラー達幹部。
ヒムラーでさえ、ベルリンからの逃亡を進言するが
ヒトラーには現実を把握することは出来ず
出来もしない大逆転のシナリオを描き
作戦実行を命令するのだった。

ドイツにはもはやヒトラーが描く大逆転の作戦を実行するだけの
兵力がないことは誰の目にも明らかだったが
ゲーリング達軍人は、命令を受けたからには
無理だとわかっていても実行するのだった。
そしてそのしわ寄せはベルリンの街とその市民と兵士だった・・・。

今回、この作品で「あっ・・」って思ったことは
ゲッペルスの妻のように、
幹部の家族・妻のことが描かれていた点

幹部の家族が描かれたのを観るには、初めてのような気がする。

ゲッペルス妻が、
子供達を非ナチス圏で育てるなんて考えられないと言う。
当時、ナチスを支えていたのは、SSや幹部だけでなく
女性の妄信的献身的な崇拝があったからなのだろう。

地下という閉塞空間で凝縮された落胆・絶望・狂気
史実のおさらいという部分もあるが
追い詰められた人間の性を見るという点でも
なかなか興味深かった作品。

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