2003年・ギリシャ
監督/タソス・ブルメティス
出演/ジョージ・コラフィス

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アテネに暮す宇宙物理学者ファニス。
彼のもとにトルコに住む祖父が
倒れたとの知らせが。
ファニスは祖父とともに暮した少年時代を回想するのだった・・・
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1959年。
祖父を含めた家族でコンスタンチノーブルに暮すファニス一家。
祖父はスパイス店を営み、ファニスは
店の屋根裏部屋でスパイスの効能や宇宙について学ぶ。

しかしトルコとギリシャ紛争の煽りをうけ、
祖父を除くギリシャ国籍を持つファニス一家は
ギリシャへと強制退去させられることに。

それから35年の月日が流れ・・・。

ファニス少年は祖父からスパイスにからめて
様々なことを学ぶ。
それは宇宙のことだったり、人生のことだったり・・・。

人生と料理は同じだ。
意外な驚きのあるスパイスと塩加減


人生は意外性のある出来事と涙で決まる。
まっすぐ平穏で規則正しい出来事ばかりではない、
時には寄り道のような意外な出来事が人生を左右する。
そして涙・・・。
嬉しい涙、悲しい涙、辛い涙。
涙の分量が多過ぎても少なすぎても人生は物足りない。

料理の決め手のスパイスが目に見えないように
人生でも大切なものは目にみえないものだ


政治によって引き裂かれた家族の悲しみだけではない。
淡い初恋、料理の楽しみ、また食事の楽しみ、
家族、親戚のつながり。

楽しくて暖かいユーモアと人生のほろ苦さが
まるで料理のように、上手くブレンドされた作品。

大人になったファニス役のジョージ・コラフィス
渋くて哀愁漂うセクシーな魅力を振りまいている。
ス・テ・キ〜♪(笑)

おじいちゃん役のタソス・バンディス
暖かさと誠実さを秘めた演技で素晴らしい。

あったかくてほろ苦い人生ドラマ。

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