1971年・西独/伊
監督/マッシモ・ダラマーノ
出演/レジス・パレ
   ラウラ・アントネッリ

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湖畔のホテルで執筆をしている作家セヴリン。
彼の隣の部屋に元モデルのワンダがやってきた。
セヴリンは壁の穴から隣室を覗くと・・・
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原作はザッヘル・マゾッホ
マゾヒズムを描いた作品


ホテルの隣の部屋にやってきた元モデルのワンダを
こっそり壁の穴から覗く作家・セヴリン。

セヴリンが見たものは、鏡に映るワンダのシャワーシーンだった。

ん〜・・このホテルの部屋の構造はどうなってるんだ?
部屋と浴室には壁とか隔てるものはないのか?
それに覗き見して正面に見えたのは
鏡に映ったシャワーシーンなら浴室はどこになるんだ???

まあ、そんな細かいことを考えているうちに
ワンダさんは、素肌に毛皮をまとい自慰行為にふけるのだった。

それを覗き見していたセヴリンはムンムンムラムラとなり
彼女こそが理想の女だと思うのだった。

痛みがもたらす官能を愛するセヴリンは
奔放なワンダこそが自分の女王だと思う。

一方、恋多き女性ワンダさんも
一風変わったセヴリンに強く惹かれるようになる。

2人は結婚し、新婚旅行先の別荘でセヴリンは
「僕は君のしもべだから、使用人の部屋を使うよ」
ワンダは
「私が欲しいのは運転手よ」

そして運転手の格好をしたセヴリンの運転する車の
後座席に座るワンダ
そのまま街に繰り出し往来で熱烈なキスを他人に見せ付ける。

何もしらない人々は、若奥様と運転手の火遊びだと思う。
人々がそう勘違いしていることに
モーレツに欲情をかきてたられる2人。

なんじゃ・・つまりコスプレ夫婦かい?(笑)

結局、女王様が欲しかったセヴリンだが
ワンダさんのほうは、彼の歪んだ愛に嫌気がさし、
本当にセヴリンに嫌悪感を持ってしまい破局になる。

傷心のセヴリンは勝気な娼婦を買うが
いきなりビシバシと彼女をぶつ。
するとなぜか娼婦のほうはウットリとして
あなたこそ理想のお方・・なんでも命じてください、となる。
そしてセヴリンが命じたことは、彼の女王様になることだった・・・。

う〜ん、マゾのセヴリンは女王様が欲しかったけど
その女王様はあくまでも自分に「愛」を持っていないとダメなのね。

「愛」があって、
絶対に自分を裏切らない上でのイジメじゃないとダメなのね


娼婦を陥落させて、その命令が自分をいたぶってくれというのは
なんだかサドもマゾも根源は一緒なんじゃないかと思ってしまう。

特にセヴリンの印象的なセリフ
毛皮は王と女性のもの
権力と女らしさの象徴だ
僕が女に着せたい唯一の衣装だよ


動物愛護団体が聞いたら卒倒しそうなセリフだが
こんなことを恥かしげもなく言う男が、
女王様を求めるというのは
やはりSとMは根源的なものは一緒なのかな・・と思ったり。

1971年に作られたこの作品。
当時としてはセンセーショナルなものだったのかもしれないが
今じゃ、ちとヌルイ描写

セヴリンとワンダが性行為をするシーンでは
ワンダの顔がアップになり、るるる〜♪と音楽が・・・(笑)

今、何が起きているか想像してくださいなってことだが
それにしても、るるる〜♪じゃあね・・(笑)

当時はありのままを見せるのではなく
イマジネーションをかきたてる描写でしたわね(笑)

変わった愛のカタチを描いたマゾヒズムの古典的作品。

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