1991年・日
監督/北久保 弘之
声優/横山 智佐

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ボランティアで独居老人の
世話をしている看護学生の晴子。
彼女が担当している高沢が、
厚生省の新プロジェクト
全自動介護ベットのモニターに選ばれた。
このベットは画期的と思われたが、突如暴走し・・・
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原案が大友克洋
キャラクターデザインが江口寿史

10年以上も前に老人介護問題を扱ったことに
今更ながら、その先見性に驚かされる。

人間の手だけですべて介護するには限界がある。
特に核家族化が進み、介護する人間が1人ということも珍しくない。
昔と比べ、介護する側も年齢が高く
精神的にも肉体的にも厳しい現実。

「それなら機械にやってもらおうじゃないの」
その発想良く分かります・・・。

ストーリーは介護に必要なのは
人間の真心、優しさだということらしいが、
現実問題、たったひとりで寝たきり老人の世話をするのは
かなりツライものがある・・・。
愛があっても真心があっても
厳しい現実につい腹をたてたり泣きたくなったりする。
「もしも・・」のことがあったらどうしよう、
人1人の命が自分にかかっているんだと思うと
その責任の重さに潰れてしまいそうになる。

家族全員で真心をもって世話をする
それが一番良いとは分かるのだが、
たった1人で全ての責任を持って
介護にあたるには、忍耐と体力が必要となる。
それで感謝の言葉の1つでもあれば、まだ救われるのだが
何をやっても、不満や不平をぶつけられるとかなりヘコむ。
自分が本当に何1つ満足に出来ずに
人間のクズなのかと落ちこんでしまう。

それでボケが始まって、お金を取られたとか
ご飯を食べさせてくれない、とか言われると・・はぁ〜・・。

まぁ、そんな涙涙の日々がございました(笑)

それはさておき、
高沢老人を心から心配する晴子とその仲間、
そして人口知能をもった全自動介護ベットZ−001号が
厚生省を思惑とは裏腹に、高沢老人の気持ちを思いやって
暴走する過程はかなり笑える。
江口寿史がキャラクターデザインを手がけただけあって
女の子の体のラインがとてもキレイ。

デリケートな問題を毒を含んだ笑いで
深刻にならず小気味良く描かれた作品

特にラストがブラボー!ですな。

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