1942年・日
監督/山本 嘉次郎
出演/中村 彰
   大河内 伝次郎

======================
大友少年は少年航空兵になり
飛行機に乗りたいと考えていた。
そして予科練に入隊し、猛訓練に耐えるのだった・・・
=================================

海軍省が開戦1周年を記念して作った作品。

冒頭には
1億で支えよ(だったかな?)、誉の人と家 
と出てくる。

誉の人とは戦死者のことかな?
そういえば昔の日本映画で
戦死者、特に特攻隊の家族は一目を置かれ
未亡人にちょっかいだすのはご法度みたいなこと
描かれていたのあったな・・・なんの映画だっけ・・・?

大友少年が憧れる海軍兵学校の通う青年が
帰省してくるシーンだが、
同じ海軍省が作った『桃太郎 海の神兵』に雰囲気がとても似ている。
やはり当時は、兵隊さんが帰ってくると
子供たちは憧れと尊敬の念でいっぱいだったのだろう。

大友少年と兵学校の青年は一緒に泳ぐ。
もちろん ふんどしだ

日本人はふんどしが良く似合う!!!
昔の日本人はふんどしが良く似合う!!!

戦中ということもあるが、むだな贅肉がついていない身体。
ジムで鍛えました、といういかにもな筋肉質ではなく
むだのない自然に鍛えられた体のライン。
お尻だって丸くキレイで、欧米人に比べて足が短いなんて感じない。

現代の日本人は豊かになった分だけ
ふんどしが似合うひきしまった体を失ってしまったのではないか?

このことを相方に言うと
「この映画観て、そんなこと考えるのはお前だけだよ」
と、言われてしまった(笑)

予科練に入隊した大友少年。
厳しい訓練にも弱音をはかず頑張る。
訓練の内容には相撲やラグビーもあった。
知らなかった・・・。
一日中、体育会系のクラブ活動しているみたいなんだな。

授業では海軍で大切なことは何かと質問される。
大友少年は努力と答える。
しかし、それだけでは不充分だという教官。

海軍では大切なのは
命令に絶対に服従する精神
どんな敵にもひるまぬ攻撃精神
そして努力


自分の国よりも何倍も大きな国力をもつ相手と
戦争してるわけだから
服従精神、攻撃精神が必要だったんだろうな。

今の日本人には無理だな・・・。

真珠湾攻撃シーンだが円谷英二が担当

これがスゴイ。
60年後に作られたマイケル・ベイの
『パール・ハーバー』に負けていない。
むしろ白黒の分だけ、こちらのほうが迫力がある。
ちなみに戦後、この作品を観た米軍は実写かと思ったそうだ。

マレー沖海戦のほうは、なんだか淡々と進んでいく。
真珠湾だけで終わらせても良かったと思うのだが、
マレー沖海戦は日本にとって英艦隊に大勝利した戦いだから
はずすわけにはいかなかったのかもしれない。

開戦1周年、国威昂揚のために作られた作品だが
前半は予科練の猛訓練を描き
後半、戦争になるとニュース映画みたいに淡々と進んでいく。

戦争を知らない世代の蛍風には
これでどうして国威昂揚なのかちょっと分からない。

最後には実写だろうか?
軍艦マーチが流れる中、戦艦が大砲をうつシーンが。
長門かな?陸奥かな?その辺の戦艦が黒鉛あげて砲撃する。
撃ったあとは反動で揺れる。

現在はミサイル撃つと白い煙だよね?プシュ〜ッって音で。
昔がドドゴォォォ〜ンと黒鉛あげての発射。
これは迫力があった。

それからまだ驚いた事がある。
それは普通なら出演者や監督の名前が冒頭かラストで出るものだが
この作品にはなかった。

そんなワケでどんな名前の俳優が出ているのか分からない。
原節子や大河内伝次郎、藤田進くらいしか分からなかった。
それとも本当はあったけど、カットされたのかしらん・・・?

ふんどしや円谷の特撮
戦中の日本人の意識
いろいろなことを考えさせられた作品

コメント