1982年・米
監督/ケヴィン&ピアース・ラファティ
   ジェーン・ローダー

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1940〜50年代の原爆に関する
アメリカのニュースフィルムと
アメリカ政府製作した広報フィルムで構成された作品
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マイケル・ムーアが師と仰ぐ監督のラファティ兄弟は
ブッシュ大統領のいとこなんだそうな・・・。

いかにして原爆を保有する正当性を延々と語るフィルム。
攻撃されないためには、強くあらねばならない。

でも原爆って何?
それはスゴイ破壊力さ

放射能って何?
それはあまり気にすることないものさ

うむむ〜・・・

ごく普通の軍服に放射能測定バッチを胸に着け
原爆実験に向かう兵士達。

実験で気をつけることは
1 爆発
2 熱風
3 放射能


だけど放射能は見えないし臭わないから分からないだろうが
3つのうちでは一番大した問題じゃない

そう説明する上官

ビキニ環礁で行なわれた水爆実験。
風向きが変わって放射能の灰が飛び散った島民の映像にも
放射能による怪我は一時的なもので心配ないと語る

ムーアの『華氏911』だったか
『元祖!アホでマヌケ・・』だったかにも
収録されていたカメのアニメーションも収録されている。

ピカッとなったらすぐに隠れる!

いや・・原爆がピカッとなったらもう手遅れだと思うんだけど・・・。

ソビエトも核を保有し、核戦争の危険性が生じると
核シェルター付きの家が登場することになる。

シェルターには
先に入っている家族を守るために武器は必要だと語る。

え〜・・・
確かにそうかもしれないけど
そんなんで、もし日本が攻撃された場合
本当にアメリカは助けてくれるんだろうか・・?

政府によるプロパガンダフィルム。
確かにこれだけを観れば、
核は安全で強力な武器に思えるかも知れない。
放射能だって大したことないんだ、政府が言ってるもん・・・って。

現代の日本人の蛍風から見ればそら恐ろしいことだ。

それは原爆や放射能に対する間違った報道のことだけじゃない。
このフィルムを観て核に対する誤った意識を植え付けられる
恐ろしさでもある。

一番印象的だったのは広島長崎に原爆が投下され
作戦が成功したと国民に語る大統領の顔。
鼻がふくらんで、本当に嬉しそうな顔してた・・・。

戦争ってなんだろう?
それは「土地と命の交換」と『硫黄島の砂』では語られていたが
命と交換するべき土地を放射能で汚染してしまう核兵器。
後には何が残るというのだろうか・・・。

ノーテンキな音楽と可愛らしいカメのアニメ
それがかえってとてつもなく恐ろしく感じられた作品。

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