2002年・加/仏/韓
監督/リュウ・ビンジェン
出演/リャオ・チン

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働かない夫の代わりに、
子守りのバイトをしながら
街頭で違法DVDを売るグイ。
ある日、夫が麻雀仲間に怪我を負わせ逮捕される。
そして被害者の妻から治療費を請求されるのだった。
とっさに嘘泣きをしたグイの才能に
葬具屋のヨーミンは葬式で歌い哭く「哭き女」の
商売を始めるように勧める・・・
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中国の葬式には「哭き女」の風習があるようだ。
「哭き女」とは葬式で故人を偲んで
高らかに大声で歌い哭き、遺族の代わりに
故人への悲しみを一手に引きうける役目なんだそうな。

日本とは違い、カラフルで色とりどりな花輪
大声で歌う「哭き女」
横のテーブルで麻雀をする列席者

そんな日本とはまったく違った形で故人を偲ぶ風習を
初めて知った蛍風。
ふ〜ん、こういう見送り方も世界にはあるんだ・・・。

主人公グイをはじめ、
とにかくパワフルでバイタリティーあふれる中国女性。
そのたくましさに圧倒されてしまう。

これが「大陸」の人なんだろうか・・・。
ケンカしたら、絶対負けちゃいそうだ・・・(笑)

しかし、その「たくましさ」の裏に隠された
グイの悲しみ、孤独。
それがラストに明かされる。

途中でブチッと切れたような終わり方だが、
これがかえって余韻を残す。

どんなことがあっても、
グイはたくましく生きぬいていくのだろうな、と。

中国の風習、人物像、グイの生きかた、そして悲しみ。
決して娯楽作品ではないが、なかなかに興味深い作品。

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