1980年・米
監督/ティント・ブラス
出演/マルコム・マクダウェル

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カリギュラは父を暗殺し、
ローマ帝国三代皇帝になる。
彼の暴政は凄まじく、狂気とエロスと混沌の渦だった・・・
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映画史上もっとも悪趣味と評されることもある本作品。

監督がティント・ブラス、
キャストはマルコム・マクダウェルやピーター・オトゥールらの
ローマ皇帝の血と孤独と狂気の一大史劇の要素がありながらも
出来あがった作品はプロデューサーである
ペントハウス社オーナーのボブ・グッチョーネの影響が強い。

カリギュラは父ティベリウスを暗殺して三代ローマ皇帝の座に就く。
しかし、近親相姦関係にある妹の助言で腹心の部下を処刑。
夢にまで描いていた権力の座は退屈であると同時に
命の危険を感じるものだった。
自分がそうしたように、弟も皇帝である自分を暗殺するのではと
疑心暗鬼になり、弟も処刑する。
その一方ではエロスに溢れた退廃的な生活を送っていた。

目をつけた処女の結婚式当日、
神である皇帝からの祝福ぞよ〜といって
新郎の目の前で台所のテーブルで新婦を犯す。

そして新郎をよつんばいにさせ、
石鹸だかクリームだかを彼の尻に塗り
お前にも贈り物ぞよ〜と腕を突っ込む。

可哀想なこの新郎は、その後も縄で宙吊りにされ、
いたぶられ、おもちゃにされる。

人気とりのため金をばらまいていたカリギュラ。
財政が苦しくなると、元老院の妻達を娼婦として売春宿をはじめる。

お前の妻は毛深くて商品にならんな〜と勝手なことまで言っちゃう。

まぁ、そんなこんなで将来に危険を感じた側近達が
クーデターをおこしてカリギュラを殺したって話なんだけど・・・。

会話の途中でいきなり女性のおマタのアップ。
なんか意味があるのかと思えば、全然意味なし。
話の筋とはまったく関係ないところで
延々とレズシーンが続く。

なんでもプロデューサーのグッチョーネが、
勝手に撮って、勝手にくっつけて編集したんだとか・・・。
まぁ、ペントハウスだからね。女の裸をウリにしたいんだろうけどさ。
出来あがった作品を観て、スタッフ・キャストが激怒したというのも
納得のヘンな作品になってしまっている。

孤独と狂気に苦しむカリギュラを
マルコム・マクダウェルが尻丸だしで頑張ってはいるが、
女性器とイチモツのアップの連続で
何が狂気なのか訳が分からなくなっている。

権力の持つ魅惑と恐怖にとりつかれたカリギュラを描き
また、一方で男女のおマタのモザイク嵐。

真面目な史劇を期待した人には、
股間と血でぐちゃぐちゃのエログロにゲンナリ。
女の子の裸を期待した人には、もったいぶった史劇は鼻につく


結果、どちらにも支持されずに
奇怪な印象だけが残る迷作・怪作となった作品。

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