2000年・米
監督/エド・ハリス
出演/エド・ハリス
   マーシャ・ゲイ・ハーデン

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アメリカ美術史に大きな足跡をのこした
ジャクソン・ポロック。
彼が世に認められる頃から死期までを描く・・・
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ポロックはニューヨーク派に分類されるんですかね?
筆を従来の使い方ではなく「棒」のようにして
絵の具をキャンバスに滴りおとすドリッピングといわれる手法。
そのアクションペインティングの祖とも言われる
ジャクソン・ポロックを描いた作品。
出来あがった絵ではなく、「描く」という行為こそが表現。
彼の作品はポロックに起こった出来事の記録とも表現される。

ポロックの作品の教科書か何かで見たときは
絵の具をぶちまけただけのヘンな絵としか思わなかった。
しかし、実際に彼の作品を見たときは、
作品に吸いこまれるようなスゴイ衝撃をうけた。
作品名は、たしか「エコー」だったような気がする。
なにせ、昔の記憶なので定かではないが・・・(笑)

大きな作品の前に立ったとき、
作品にのみこまれるような感覚、
人間の心の闇がどぉーっと押し寄せてくる反面、
自分の心の中まで見透かされたような感覚に陥った。

なぜ彼の作品を見たとき、あらゆる感情が押し寄せ、
その反面自分の中のあらゆる感情が噴き出したのか?
本作品『ポロックふたりだけのアトリエ』を観て
それが少しだけ分かったような気がする。

世に認められたくて、様々のスタイルを思考錯誤するポロック。
酒に溺れ、アル中から立ち直ろうとギリギリの神経。緊張。
ポロックの描いた作品が彼に起こった出来事の記録と
表現されるならば、
あの時、私が感じた闇にのみこまれるような衝撃は納得できる。

本作品はポロックの苦悩をメインに描いているため
周囲の話があまり語られておらず、少々分かりにくい部分がある。
妻のリー・クラズナーが「画家ポロック」を支え続けながらも
愛人ルースにはしったポロック。
なぜそういうことになったのかも描いて欲しかった。

ちなみにルース役はジェニファー・コネリーが演じているのだが
彼女の体は肉感的というよりえっちな体だ。
ボウイ様と共演した『ラビリンス 魔王の迷宮』の美少女が
『ロケッティア』で久々に見たときも
「えっちに成長したなー」と思ったもんだ。
2001年製作の『ビューティフル・マインド』では
「えっち」とは感じなかったので
この1年に何かあったのだろうか?(笑)

デ・クーニング役をヴァル・キルマーが演じているというので
楽しみにしていたが、出番少なし。
エド・ハリスの奥様エイミー・マディガンも堅実な演技。

悪くはないが、もっと周囲との出来事等
細かく描いて欲しかったとも思う作品。

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