2003年・日
監督/篠田 正浩
出演/イアン・グレン
   本木 雅弘

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新聞記者の尾崎秀実は、赴任先の上海で共産主義者の男と出会う。
彼の名はゾルゲ。
ゾルゲは日本がソ連に侵攻するか探るため
日本にやってくる・・・
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豪華キャストによる182分の超大作。
意気込みは分かるのだが・・・。

昭和の大事件だから、史実を踏まえて描きたい気持ちは分かる。
しかし、こまぎれの映像が延々と続く。
映画というより、教科書の字面を追っているような感覚すらおぼえる。

尾崎秀実の話かしらと思えば、ゾルゲの話題になり、
ゾルゲの話かと思えば、軍部と内閣の対立、近衛内閣の困惑と
めまぐるしく物語が行ったり来たりする。

小雪扮する山崎淑子の結婚シーンなど、
別に会話で済ませてもいいものを、「しっかり」と映像でみせる。
まぁ、小雪ちゃんカワイイから良いけどね・・・。

「豪華キャスト」「超大作」、これが曲者だな。
役者の顔見せるために、シーンを作ったような印象をうける。
「えっ?この人の出番はこれだけ?」なんてことがザラである。

そんな中で、近衛夫人役の岩下志麻の存在感は、アッパレである。
彼女が画面に登場するやいなや緊張感がみなぎる。
志麻姐さん、メインで作ったほうが良かったんじゃない?
ワンシーンだけの出演なんてもったいないよ・・・。

ラストの音楽がイマイチ。
なぜ「あの曲」を、この作品のラストで使わねばならないのだろう?
確かに良い曲ではあるが、シックリこない。

作り手の暴走した熱意を、無理やり見せられた気分になる。

「ドラマ」色が薄い。そして長い。
ドキュメンタリーのほうが面白いかも・・・。

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