2002年・英/独/スペイン
監督/ケン・ローチ
出演/マーティン・コムストン

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リアム15歳。
祖父と麻薬の密売をしている母の恋人スタンと3人暮し。
姉シャンテルは未婚の母となり一人暮し。
スタンのせいで服役中の母は16歳の誕生日の前日に出所予定。
どん底から抜け出し、家族と幸せに暮すには金が必要だった・・・
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い、痛い・・・。
痛い青春・・・。

祖父とスタンから虐待を受けているリアム。
彼の夢は母と姉とその子供、家族3人だけで幸せに暮すこと。

自分達の家を手に入れるため、彼はスタンの麻薬を盗み出し
友人のピンボールと一緒に麻薬密売を始める。

荒稼ぎを始めた彼等に「そのスジ」の大物ビッグ・ジェイが目をつける。
リアムの頭の良さと度胸を気に入ったビッグ・ジェイは
「リアムだけ」を仲間にする。

家族と暮す家を持つために友人ピンボールと離れるリアム。
しかしピンボールには、リアムのように頼る家族はいない。
ピンボールにはリアムだけなのだ・・・。

とにかく全編を通じて「痛い」。
心がちぎれそうだ。
16歳の誕生日をもうすぐ迎えるリアム。
人生16年も生きていないのに、このどん底ぶりは胸が苦しくなる。

印象的だったのは、リアムとピンボールが何かを「覗く」こと。
警察の捜査を窓越しに覗く、
天体望遠鏡を覗いて、星をみる、等々。

それはまるで、16歳の誕生日を迎えるリアムが
大人の世界を覗いているかのようだ。
自分の知らない世界を、これから行こうとする世界を・・・。

涙ウルウルの感動ものではない。そんなもんじゃない。
心にド〜ンと重くのしかかる、張り裂けそうな涙である。

切なくて、痛い、考えさせられる青春モノ。

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