2002年・ポーランド/仏
監督/ロマン・ポランスキー
出演/エイドリアン・ブロディ

============================================
ナチスがポーランドに侵攻し、ユダヤ人の迫害が始まった。
ピアニストのシュピルマンも、有名なピアニストでありながら、
ユダヤ人というだけで、ゲットーで家族と飢えの中で
毎日を必死に暮していた・・・
============================================

おすぎも絶賛していたし、
カンヌでもアカデミーでも評判だったこの作品。

ひゃ、ひゃくよんじゅうきゅーふんの大作。
149分ですよ!

初めこそ金髪美女との出会いがあったりと
戦時下の中でもはっぴ〜なことが描かれているものの、
それ以降ず〜っと重く暗い出来事を、冷静に淡々と映し出す画面。
暗い、重い、疲れる・・・。

主人公のシュピルマンは、
「俺はもう逃げたくない」といいながらも
逃げて隠れて、そして生き延びていく。

逃げよう、隠れようとする人々が次々と捕らえられていく中で
もうこれは運命としかいいようがない。
運命の神が、彼を生き長らえさせたとしか思えないほどの
強運の持ち主。

もちろん、運だけでなく、彼自身の「必死」もあったのだけれど。

ナチスの残虐行為、戦時下の友情、人情を描いた作品は
過去に山ほどある。
それを149分使って、何か新しい発見・感動があるかと思いきや・・・。

もっと短くしても良かったのでは?
もっと大胆に言うなら、ラスト20分だけ観ればいいや。
逃げて隠れてさまようシュピルマンよりも
ナチスのホーゼンフェルト大尉との、出会い・思いを
中心に描いてもよかったのでは?
そっちのほうが面白いと思うのだが、なにせ実話。

大尉との出来事も、死と隣り合わせの緊張した日々の中では、
命を取りとめた、沢山あった出来事の1つでしかないのかもしれない。

「戦場のピアニスト」というより、
逃げまわって生き長らえた男が「たまたまピアニスト」だった、
そんなカンジ。
それから「芸は身を助ける」ということ。

149分観終わっての感想は、

ピアノの演奏が想像していたより少なかった、
ホーゼンフェルト大尉役のトーマス・クレッチマンの
軍服姿は合格点だった、
そして、最後のほうだけ観ても良かった。

同じピアニストなら『海の上のピアニスト』の方が
好みだな・・・。

コメント