2003年・仏/伊/独
監督/イヴ・シモノー
出演/クリスチャン・クラヴィエ

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ナポレオン・ボナパルトはイタリア遠征で勝利を収めた。
彼は民衆のヒーローとなり、軍人から政治の世界へと
足を踏み入れることになるのだが・・・
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ジャケットや予告編ではジョン・マルコヴィッチ扮するタレーランや
ジェラール・ドパルドュー扮するフーシェが大々的に出ているので
ナポレオン政権の裏話かと思いきや、
ナポレオンの栄光からその衰退を描いた作品。

う〜む、マルコヴィッチやドパルドューに比べると
ナポレオン役のクリスチャン・クラヴィエの知名度が低いせいか?

クリスチャン・クラヴィエ。
名前を聞いただけじゃ誰だか分からなかったが、
この人、『おかしなおかしな訪問者』と、その続編『ビジター』で
ジャン・レノの従者役やった人じゃないの〜!
そういえば、『おかしな・・』か『ビジター』で
ラストにナポレオンの役やっていたような・・・。

で、クリスチャン・クラヴィエ、
本作品では真面目にナポレオンを演じている(笑)
ナポレオンの栄光期から死まで描いているが、
2巻合わせて236分なので、
それぞれの戦いは、かなりあっさりと描かれている。

当時の戦いは人海戦術というのだろうか?
大勢で「とっとっとっと」と行進し、敵は銃を「ぱんぱん」撃つ。
前の列の人間が倒れてもそのまま行進し、敵陣に到達して戦うやりかた。
つまりどんなに犠牲者が多くでても、もともとの人数が多いほうが
有利となるような戦い方。

のどかといえばのどかだが、前列で行進する者にとっては
「やってられない」戦い方だ。

外務大臣タレーラン役のマルコヴィッチ。
長髪で立て襟ヒラヒラの服を着ているのだが、
これが料理の鉄人の時の鹿賀丈史にソックリ(笑)

それぞれの事柄があっさりと描かれているだけなので、
タレーランの権謀術数に長けた外交手腕や
日本警察のお手本となったフーシェの暗躍までもが
描かれていないのが残念。

ナポレオンは近隣諸国に戦争をしかけて、
ヒトラーが登場するまでは、他国ではナポレオンってぇのは
とんでもない奴だと思われていた。

しかし、フランスで作られた本作品は、当然のことながら
勇猛果敢な孤独な時の人に描かれている。
冬将軍に苦しめられたロシア遠征も、それほど悲惨には描かれていない。

それでもナポレオン時代を確認するには充分であり、
なかなか面白く仕上がっている作品である。
なによりも蛍風には鹿賀丈史チックなマルコヴィッチが楽しめた作品(笑)

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