1999年・米
監督/ポール・シュレイダー
出演/グレッチェン・モル
   ジョセフ・ファインズ

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マイアミの高級リゾートホテルでエラはビーチ係の青年アランと出会う。
政治家への野心満々の夫マークは、リゾート中だというのに仕事ばかり。
そんな夫とは対称的に情熱的にアプローチしてくるアランに
エラは次第に惹かれていき、2人は結ばれる。
しかし、2人の関係を知ったマークは裏の権力を使って
アランを殺そうとした。
13年後、一命を取りとめたアランは復讐すべく
名前を変え、マークの前に現れた・・・
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人妻エラ役のグレッチェン・モルが美しい。
髪をかきあげ、海から出てくるシーンは、お美しいの一言。

しかし・・・残念ながらそれだけの作品。

人妻エラに言い寄る美青年アラン役にジョセフ・ファインズ。
これが情熱的というより、ねとぉ〜っとした感じでエラに近づきます。

人それぞれ好みは違うけど、蛍風ならちょっとカンベンな
暑苦しくずうずうしいアプローチ。

貧しい育ちのエラはマークに見初められて
セレブの仲間入りを果たした恩があるというのに
いとも簡単にビーチ係アランに落ちてしまいます。

あぁ〜ダメよ、私は人妻なのよ〜と言いながらも(笑)

2人の関係に気づいた夫マークは嫉妬に狂い、
アランを葬りさろうとします。
この野心的で嫉妬深い夫にレイ・リオッタ。

このテの役が得意の彼だが、
残念ながらこの作品ではその迫力を充分に活かしきれていない。

それは肝心のヒロイン・エラがあまりにも都合良すぎるから!

エラのあまりにも勝手な言い分に目が点になり
ジョセフ「ねとぉ〜っ」VSリオッタ「ネチネチ」演技対決も、
影が薄くなってしまう。

アランに言い寄られた時
「夫を裏切れないわ〜」と言いつつも、あっさりと裏切る

バカンスが終わりホテルを後にする時
「アラン、あなたが好きだけど、やっぱり夫と帰るわ〜忘れないわ〜」と
勝手な置手紙とロザリオを残して去るエラ。

NYに戻り良き妻として暮していたのがアランの出現で
「やっぱりアランが好き〜」

夫マークがアランを殺したと知った時
「ひどいわ、ひどいわ。私アランを忘れない」と言いながらも
政治家を目指す夫の良き妻として暮しつづける。

13年後アランが現れた時、アランを忘れていて
「はじめまして」
「夫のために尽くすのが私の仕事です。だって愛してるんだもの」

アランを思い出したとき
「ああ〜アラン、私はあなたを愛してるわ〜」

なんだ、それ・・・(笑)

メーカーでは一応この作品「エロティックサスペンス」としているが
どこがエロティックなのかしらん?
ベッドシーンはあるものの、よくある程度。
ジョセフ・ファインズの「ねとぉ〜っ」がエロティックか?(笑)

どこがサスペンスなのかしらん?
たしかに13年後復讐のために現れたアラン。
しかし、ありきたりな展開でドキドキ感なし。
もしかして「悲劇のヒロイン」にどっぷりな
エラの心情がサスペンスなのか?(笑)

エロティックとしてもサスペンスとしても中途半端。
せっかくのキャストを揃えていながら充分に活かしきれおらず
それぞれが中途半端な印象。

つまり、なにもかもが「中途半端」な作品。

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