2003年・日
監督/滝田 洋二郎
出演/中井 貴一

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幕末の京都。
新撰組に盛岡、南部藩出身の吉村貫一郎が入隊してきた。
剣の腕は一流だが、金に執着する彼にはある事情があった・・・
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主演の中井貴一は初めこそ少々違和感のある訛りだが、
ストーリーが進むにつれ、こなれた感じになっていく。
貴一つぁんの演技、なかなかにGOOD。

大野次郎衛門役の三宅祐司は、頑張って南部弁を使っているのだが、
ところどころ、どうしても違ったイントネーションが目立つ。
それが、かなり気になった。

ぬい役の中谷美紀、大野千秋役の村田雄広の言葉はGOOD。
特に村田氏は上手いなぁ〜。
東京出身ってホントかしらと思うほど自然なイントネーション。
この村田氏は、ちょっとドンクサイ役が多いような気がするが、
この人が演じると「実直」「純朴」が前面に出てくる
貴重な役者だと思う。

で、この作品のテーマは何か?
愛する家族のために生きる侍ってところか?

しかし蛍風にはある言葉が頭に浮かんだ。
それはウチの親が常々言っていた言葉

「親はタネイモ」

え〜、じゃがいもを植える時、種じゃなくて芋を植えるでしょ?
収穫時にその種となった親芋は、しょぼしょぼになって、
そこから立派な芋が沢山育っているでしょ?
種芋は、自分の養分を与えて、子芋がすくすくと育つ。

親というものは自分はしょぼしょぼになっても我慢して、
子供のためにすべてを与えるもんだ
それが親ってもんだ

「親はタネイモだから、子供が出来たらお小遣いはもちろんだけど、
すべてにおいて我慢してね、次世代のためだから」と
我が家のこの話をウチの相方に話した時、
親になることにかなりビビってしまった彼だった
それがトラウマとなったのか、ウチはいまだに子芋のままだ(笑)

ストーリー良し。
構成良し。
刀を使うシーンも東映のようなハデな立ちまわりではなく
松竹らしい上質な立ちまわり。
なによりも中井貴一の演技が良い。
『梟の城』より良かったんじゃないか?

それにしても松竹って、
どうも昔から「人情」をウリにした作品が多いような・・・。

137分、飽きることなく楽しめた作品。

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