2001年・米/英
監督/フランク・ピアソン
出演/ケネス・ブラナー

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1942年、ベルリンの郊外のある屋敷で秘密会議が行なわれた。
集まったのは、政府高官やSSメンバー。
ここでの議題はユダヤ人大虐殺であった・・・。
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世界史に疎い蛍風には、なにやら小難しい作品だった。

この頃のドイツはまだ一枚岩ではなかったようだ。
総統ヒトラーの下では、ゲーリング元帥とそれに反発する派。

ロシアの冬の寒さに苦戦するほんの少し前。
この秘密会議でユダヤ人問題が話し合われるのだが、
ユダヤ人には、いろいろと種別があったことを初めて知った。
第1種とか2種とか・・・。

会議が舞台なので、漢字が多くて、それが延々と続く。
ユダヤ人と結婚したドイツ人は?
ユダヤ人とドイツ人のハーフは?
親がユダヤ人とドイツ人のハーフなら?
ユダヤ人でも昔、鉄十字勲章を受けたものは?

はあ〜、いろいろとあったのね・・・。

この会議で戦争の勝利によって、増えつづける占領国のユダヤ人を
いかに「処理」するかが話し合われる。

労働力として使おうと提案する者。
女は「お楽しみ」の道具として残そうという者。
あくまでも法律にのっとって行なうべきだという者。
そんなら法律を改正しろという者。

国を持たないユダヤ人は、その多くが弁護士や会計士など
いわゆるホワイトカラー。
ペンより重いものを持ったことがないんじゃ
労働力にならんと話し合われる。

それではどのように「処理」するか?

そこで、一部の収容所で実験されていたガス室の
確実性、効率、簡便性が提案される。
そして「処理」の方法が決まった・・・。

歴史上の秘密会議が舞台なので、
ドラマ性、盛りあがりなどはない。
あくまでも、会議の進行が淡々と綴られていくのみ。
ドラマではなく、再現フィルムといったところだ。

そんな訳で、世界史に疎い蛍風には
難しくて分厚い本を読んだときのような感覚に襲われた。
「ふ〜っ、やっと終わった」って(笑)

しかし、世界史に興味のある人ならば、違う感想を抱くであろう。
「ほほ〜、これは・・あの事だな、なるほど」ってね。
そういう感想を抱けるように、もっと世界史を勉強しておけば良かった。
後悔。

余談だが、『鉄十字の愛人』の時にも触れたが、
ナチスの軍服はかっこいいと思っていた蛍風。
しかし、今回は違ってた。

中年おやじがあの軍服をきても、ちっともサマにならないことを発見。
ふくよかな頬に、あの軍服は似合わない。
首が・・苦しそうだ・・・。
軍服を着ているというより、軍服に着られている感じである。

あれは、やはりヘルムート様のような美しいお方が着るから、
カッコ良くみえたのだ・・・。
せめて20年前に着てくれれば・・ケネスさん・・・。

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