2001年・独
監督/オリバー・ヒルツェヴィゲル
出演/モーリッツ・ブライプトロイ

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新聞広告に模擬刑務所での心理実験の被験者募集が掲載された。
高額な報酬に、集まった20名の男達。
彼等はそれぞれ無作為に看守役と囚人役に振り分けられる。
それぞれが自分の役を演じるうちに、彼等に変化が・・・
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1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行なわれた実験をもとに
ドイツで映画化。
なんでもアメリカ本国では、いまだに裁判中のため、
公開されていないとか・・・。

無作為に囚人と看守に分けられた被験者達。
初めは和気あいあいとしたものだったが、
時間が経つにつれ、それぞれの役に成りきって
囚人と看守は対立して行く。

模擬刑務所で、あくまでも「囚人役」と「看守役」。
実際には罪人ではないし、権限もない彼等が、
次第に役と個人が一体化していく様は恐ろしい。
立場が個人を支配していくことの恐ろしさ。

何かの本で、
「社長を作るには、社長として扱えば、次第にその人は社長らしくなる」
そんな事を読んだ記憶がある。
この実験はそういうことなのか?
だったら蛍風、「美人だ、カワイ子ちゃんだ」と
周囲が持てはやしてくれてたら、
美人でカワイ子ちゃんになっていたかも?!(笑)

実は観終わった時は、「ふ〜ん、まあまあだね」程度だったのだが、
その晩、夢で囚人役になって恐怖に怯える自分の夢を見た。
ハッと目覚めて思った。
これは深層心理に訴える恐怖なんだな、と。

意識していないところで感じさせる恐怖、
こういう作品は初めてかもしれない。

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