2001年・カナダ
監督/レア・プール
出演/パイパー・ペラーポ
   ミーシャ・バートン

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継母によって寄宿学校に転入させられたメアリー。
ルームメイトのポーリーとトリーと出会って
母を亡くした悲しみから立ち直りつつあった。
ポーリーとトリーは愛し合っていたが、
2人の関係が学校中の噂になり・・・
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カナダで実際にあった事件の映画化。

寄宿学校の同性愛のお話で、しかも配給がアルバトロスだから
ムンムンな作品かと思ってました。

お茶会開いたり、スポーツはフェンシングだったりと
初めは「おぉっ!禁断の寄宿学校っぽい雰囲気!」と
半ば冗談っぽく観ていたんだけど・・・。
観終わった後は、しばらく動けなくなるほど切ない作品だった。

ポーリーとトリーは愛し合っていた。
しかし、2人の関係が学校中の噂になった時、
トリーはポーリーが無理やりベットに入ってきたと弁明し、
ポーリーから離れていく。
トリーは周囲、特に親にはレズビアンだと思われたくなかったのだ。
心ではポーリーを愛しつつ、男の子と付き合いはじめるトリー。
そんな彼女とは反対に、周囲の目も気にせず思いつづけるポーリー。

ポーリーは言う、
「私はレズじゃない。トリーが好きなただのポーリーだ!」

社会に適応するために、心を偽って妥協するトリー。
周囲を気にせず、ただ自分の素直な気持ちを貫くポーリー。
母親にすら愛されたことのないポーリーが、初めて得たトリーの愛。
それを必死で取り戻そうともがくポーリーの姿は悲しい。

メアリーという語り部を通して物語が進みつつも、
ラストはメアリーの思いがキーワード、象徴となる作り。

同性愛のことはよく分からないけど、
人が人を好きになる純粋な狂おしさが、この作品には描かれている。

生まれや育ち、性別や肉体は仮の器。
いずれは土にかえる儚いもの。
しかし人を愛する心、魂は翼に乗って永遠に自由に飛びまわる。

余談だが、ポーリー役のパイパー・ペラーポ。
『コヨーテ・アグリー』よりも本作品の方が1年後。
だけど『コヨーテ・・』の方が大人に見える。
彼女の才能のタマモノなのか、それとも撮影はずっと前だったのか?
で、このペラーポさん、時折アンジェリーナ・ジョリーや
ヒラリー・スワンクに見えてしまった蛍風。
骨っぽいお顔立ちなのねん。
それからパイパー・ペラーポって名前、なかなか覚えにくい。
「なんだっけ?ペラペラ・ポンポン?」と思わず言ってしまった。

性別を超えた儚くも切なく激しい純愛を美しい映像が盛り上げる。
心がちぎれそうになった作品。

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