2000年・英/仏
監督/サリー・ポッター
出演/クリスティーナ・リッチ
   ジョニー・デップ

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父がアメリカに出稼ぎに行っている間に暴動に巻きこまれ、
名を変え、イギリスに渡ったユダヤ人少女フィゲレ。
いつかアメリカに渡り、父と再会を夢みる彼女だが
戦争の暗い足音が響いてくるのだった・・・
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美しい美しい作品。
主役のクリスティーナ・リッチとその恋のお相手ジョニー・デップは
ほとんど喋らない。
その代わり、美しい映像と音楽がすべてを語ってくれる。

いやぁ〜、この作品のデップはカッチョイィ〜〜。
寡黙で物憂い気でありながら、強さを感じる表情。
デップにときめいたのはこの作品が初めてかもしれない。
蛍風、思わず「きゃふ〜ん」とため息をついてしまった(笑)
フィゲレの子供時代の少女(幼女か?)も、とても可愛らしくて健気な演技。

主役の2人が喋らない分、ケイト・ブランシェットとジョン・タトゥーロが
プライドの高い野心的なカップルとしてテンポを出している。
そして華やかな2人にも戦争の影が忍び寄る。

うわぁ〜、良い作品じゃないの〜と思っていたら
あっけなく終わってしまった。え・・?はぁ?な、な、何?
美しい世界に浸っていたのに、
いきなり起こされて何が何だか分からない朝の感じに似ている。

この作品は「母を訪ねて三千里」系か?
生き別れになった父を思いながらも、流れにまかせて生き延びて
男と恋に落ちたら、父よりも男のほうが良くなっちゃたけど
ドイツ軍が勢力を増してきたから、やっぱり父を探す旅に出ましたって。
結局デップも人生の通過点に過ぎませんでしたってワケ。
うわぁ〜、なんだかなぁ・・・。
デップが良かっただけに、「え?これで終わりなの?」と騙された感じ。

もっとテーマをしぼって描いたほうが良かったんじゃない?
戦争に翻弄される娘の人生ならば、必死で迫害から逃れるシーンを。
愛を描くのなら、2人の恋の過程を。
父との再会がメインなら、父のアメリカでの生活を。
もっともっと丁寧に描いて欲しかった。

美しい映像と音楽、魅力あるキャストなだけに
「これで終わりなの?じゃ、今までのは何だったの?」と
なんだか騙された気分になる作品。

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