1974年・伊
監督/ジョージ・グロウ
出演/ルシア・ボーズ
   エスパルタコ・サントーニ

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名門の家に生まれたエリザベート・バトリーは
肉体の衰えを感じはじめていた。
自分の祖先に、処女の生き血を浴びて
美しさを保った者がいたと知り・・・
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その昔ハンガリーで実際にあった話だとか。

バトリー夫人は自分が年老いていくのを嫌い、
その頃、領内で吸血鬼騒ぎがあったことをヒントに
夫に薬を飲ませ吸血鬼にしたて、次々と処女を殺させては
その鮮血を全身に浴びて若さを保とうとした。

・・・うーん、いつも思うのだが何故「処女」だけが
神聖なもの、不思議な力があると思われるのだろうか?
吸血鬼も処女の生き血を好むというし・・・。
なぜ?なぜ?童貞の血じゃだめなの?
手つかずという点では、処女も童貞も同じだと思うんだけど。

この『悪魔の入浴・死霊の行水』という邦題は
ハッキリいってハッタリですな。
というか、80年代リリースされたビデオには
結構無理やりな邦題が多い。
当時はこういうネーミングが流行っていたのかしらん。
『悪魔の入浴』はまぁいいとして、『死霊の行水』ってなんだ?!(笑)

こういう邦題だとすっげぇスプラッタかなと思わせるのだが
実際は美と若さに執着する哀れな女の話である。
処女の頚動脈から流れ出る鮮血は、いかにも血のりといったもの。
オーソドックスな見せ方。

しかし、ぎょっとするシーンがあった。
最近の映画では考えられない残酷シーン。
それは羽を傷つけて飛べなくした鳩を
鷹に襲わせるシーン。
鷹につつかれて、もがき息絶えていく鳩を
カメラは冷酷にも淡々ととらえていく。

うがぁ〜、生き物地球紀行や
知られざる世界(ちょっと古い?)じゃあるまいし
映画でこんなシーン見せられるとは思わなかったよ。
当時はこういうことは規制が緩やかだったのだろうか。
かなりゲンナリした・・・。

若さと美に執着するバトリー夫人は狂気というよりも
憐れみを感じる。
しかしそれ以上に鳩のシーンが衝撃的で
後味の悪さが残る作品。

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