2001年・日
監督/市川 崑
出演/岸 恵子

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天保時代末期、庶民は貧困にあえいでいた。
勇吉が貧しさから、泥棒に入った家は
おかつと5人の子供全員が働き、長屋づきあいもせずに
コツコツと金を貯めていた。
生活を切り詰めてまで、金を貯める理由を知った勇吉は・・・
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岸 恵子が「かあちゃん」です。
マダム〜ではなく、「かあちゃん」なのです。
なんかイメージがわかないなぁ〜と思いながら観たらビックリ。
チャキチャキのまぎれもない「かあちゃん」。
あれは「かあちゃん」としか言いようがない演技。
サスガです、岸 恵子サマ。

とりたてて大事件が起こるわけでもないが、
とにかく人情と家族愛がギュッと詰まった作品。

印象に残ったシーンは、勇吉が「かあちゃん」に
「生みの親ですら、こんなことをしてくれたことはなかった」と言った時、

親をそんな風に言うんじゃないよ!
親はどんなことをしてでも子供に何かしてやりたいもんなんだ、
それが出来なかった親の辛さが、お前にはわからないのか!

この、おかつかあちゃんのセリフが胸にどーんときた・・・。

反抗期の頃は、些細なことでも親に反発心を感じた蛍風。
でもね、今になって親のありがたみや偉さが分かる。
歴史に名を残す偉人だけがエライんじゃない。

風邪をひいた時、看病してくれた母
友達の新しい服を羨ましく思ったとき、
自分の思い出の洋服を私のワンピースに作り変えてくれた母
自分は平気だと言って食べずに、その分家族に食べさせてくれた母。

自分を生み、ここまで育ててくれた母に感謝したくなった。
あ、もちろん父にもね(笑)

人情、家族の絆、親のありがたさが
ちょっとした笑いのなかに描かれている作品。
素朴で心があったかくなり、ホロリと涙がでる作品。

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